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- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784533040337
感想・レビュー・書評
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昔この人の本を読んで、異世界観に漂ったことを思い出した。高校生ぐらいだったと思う。
中でも記憶に残っているのは、ナイロビの売春婦の描写だった。
肉感的であり、即物的。かつ観念的。異世界でありながら、確実に自分と地続きの人間。
これは、異性そのものなのだ。
明らかに連続しているのだけど、明白に違う。その遷移過程には区切りを入れようがない。区切りはあるにはあるが、すべて便宜的な社会通念にすぎず、それを超えることがたぶん性なのだが、そのすそ野は思っているよりも広く、区別も定義もできない・・・ 闇夜に川のほとりに立っているような気分。そういうものなんだ、って。(むろん当時の私にここまで明瞭に言語化できたわけではないが。)
それまでの私にとって、性とは、「好きな子」や「告白」や「ポルノ」だった。いわば記号だった。
それが、全く違う様相を持って、精神というよりも脊髄に響いたような気がしたものだった。性的成熟で人間を測るのならば、私はこの段階で大人になったようなものだ。
自分の性的嗜好のかなり根深い部分に、この人のメガネを通した光景がビルトインされたんだなぁ、と今になって思う。
私の性の原風景には、ニャンブラ、ンジェリ、ワンジルがいたのだと、再発見した。
感謝すべきなのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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