早わかりアメリカ: 文化が見える・歴史が読める

  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534031495

作品紹介・あらすじ

建国以来220年。なぜアメリカは大国になったのか、なぜモザイク国家と呼ばれるのか、なぜナンバーワンを目指すのか-。その成り立ちと国民性からアメリカという国を見渡す入門書。

感想・レビュー・書評

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  •  アメリカの歴史、地域性、人種・民族、政治、経済、外交、軍事、宗教、社会・家族のテーマごとに、ごく簡単にポイントをまとめた入門書。全体としては300ページ弱で、多少の厚みはあるが、意外とすぐに通読できるし、目次もついている。2人の著者が書いており、1人はアメリカ文化・文学が専門の大学の先生、もう1人は軍事ジャーナリストだが、ジャーナリストの人が書いた経済、外交、軍事の3つの章は、初心者には難しいように感じた。
     2000年当時のものなので、表紙にはツインタワーの写真が載っていたりする。ただ基本的には色んな歴史的な話が中心なので、外交や軍事の話は別だが、全体的には内容として古くて使えないということはないと思う。
     参考になった部分は、冷戦構造の話の部分で第二次世界大戦の後、軍事生産施設が超安値で大企業に売却された結果、「企業は稼働率を高めるために軍事費の増大を求め、軍事費を増やすためには仮想敵国の想定が必要だった」(p.187)という部分。やっぱりカネが歴史を作るのか、と思ってしまった。
     もう1つは宗教の話で、カトリックとプロテスタントの違い、というところ。そもそも「カトリックとは、『全般にわたる』とか『普遍的な』という意味を持つギリシア語『カタホロウ』に由来する」(p.236)というのを知らなかった。カトリックはローマ教皇をトップにするので1つしかないが、プロテスタントの方は「信者が数十人だけのカルトまがいの宗派から、100万人を超えるサザン・バプティストまで、さまざまな宗派が存在している。」(p.237)ということらしい。あとは時々話題になるけど、「ハリウッドスターにも信者がいる東洋系宗教」(pp.242-3)の部分は、あらためて面白いと思う。リチャード・ギアやセガールは時々東洋めいた映画に出てるけど、2人はチベット仏教というのは知らなかった。けど納得する。
     入門書ではあるが、教科書的なものばかりでもないので、基本的には読みやすい。(16/08)

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著者プロフィール

1944年、東京・大森生まれ。玉川大学大学院、州立イリノイ大学アーバナ・シャンペイン校大学院修了。玉川大学文学部国際言語文化学科・文学研究科教授。専攻はアメリカ文化論。<br>著書に『アメリカ・アーミッシュの人びと——「従順」と「簡素」の文化』(明石書店)、監修書に『英和アメリカ史学習基本用語辞典』(アルク)、共著書・分担執筆著書に『写真で見る英語百科・KeeP』(研究社)、『早わかりアメリカ』(日本実業出版社)、『川と文化——欧米の歴史を旅する』(玉川大学出版部)、『アメリカ文化ガイド』、『アメリカ文学ガイド』(共に荒地出版)、『児童文学とその英語』(大修館書店)など。<br>訳書に『ロシア・ソヴィエトのユダヤ人100年の歴史』、『ユダヤ人の歴史地図』、『アメリカ歴史地図』、『私はアメリカのイスラム教徒』、『アメリカ・ワスプ(WASP)の教育——人種・宗教・女性差別に挑んだ記録』(以上明石書店)、『アーミッシュに生まれてよかった』(評論社)、『マーキー——ダウン症の少年とハモンド家のいとこたち』(三省堂)、『青い花のじゅうたん』(評論社)など。

「2005年 『宗教に分裂するアメリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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