川を知る事典: 日本の川・世界の川

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  • 日本実業出版社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534036568

作品紹介・あらすじ

北海道・東北の川の名前に始まる「カワ」の考察は、日本人の川に対する意識、川にまつわる歴史・文化などを経て、地球上の川を巡って、そこに住む人々との関わりへと深まっていく。都市史研究の第一人者が壮大なスケールで綴る、"川と人間"の有様。

感想・レビュー・書評

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  • 地名、川の名前に川に関する名前がついているものがあるそうだ。
    ・北海道に良くある、「内」(稚内とか)は「沢」、「別」(尻別とか)は「水」を意味する。
    ・「ヨルダン」は「良く流れる川」
    ・「ミシシッピ」は「大きな川」、「ミズーリ」は「大きなカヌーの持ち主」、「オハイオ」は「美しい川」、「ネブラスカ」は「浅い川」、「コロラド」は「赤い川」
    ・「ナイル」「インダス」「メナム」「メコン」は「川」を意味する。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425851.html

  • pedia

  • 川に関する事項全般にわたって網羅しているような本。
    この一冊が川に関する百科事典のような様相を呈しており、一読だけではとても頭に入り切りません。
    著者は都の職員を務めた後、都の図書館に勤務し、そして研究家となった異色の経歴の持ち主。
    そんなキャリアを納得させるだけの専門的知識に満ちています。

    日本と世界各地の主要な川がつぶさに紹介されます。
    ナイル、ガンジスなど、大文明を気付いた地方の川の名は、すべて「川」という意味なので、川をつけると「川の川」ということだ、という出だしは理解しやすいレベルでしたが、そこからすぐに、日本の国内で「川」を表現する言葉が地域によってさまざまにあるということが語られます。

    北海道から順々に下がり、中国へと移り、黒海までも続いて行く川の話。
    地理的知識のほかに、歴史的知識、また文学に登場する川や水の作品も取り上げており、その幅広いアプローチ法に、著者の苦手な領域はないのかと舌を巻きます。
    どの地域も、どのジャンルも、ぬかりなくきちんと調べてまとめ上げている著者のプロ根性にただ脱帽するのみ。

    とことん好きでないと、ここまでまとめられないものでしょう。この人は純粋に、川のマニアなんだと思えば、美に入り細に入ったまとめ方にも納得がいきます。

    古今東西での川に対する意識の違いなど、文明論・文化論にまで広がっている内容。
    蘊蓄の深さに溺れそうでした。
    読む側の根性も試される一冊。
    それだけに、非常に読みがいのあるものとなっています。

    「狂心の渠」(たぶれごころのみぞ)などという、美しくも難解な言葉も知りましたが、浅学の自分にとって、「川のつく県にはその名の川はない」というくだりだけでも(石川・香川・神奈川・・・なるほど確かに!)と、物知りになった気がしました。

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著者プロフィール

鈴木 理生(すずき・まさお):1926‐2015年。東京生まれ。都市史研究家。地形学・考古学の視点から実証的に都市史をとらえ直し、都市の形成と変遷、流通、交通体系など多角的に論じた。著編書に『江戸はこうして造られた』『江戸の町は骨だらけ』『お世継ぎのつくりかた』(いずれも、ちくま学芸文庫)、『大江戸の正体』『江戸っ子歳時記』(ともに、三省堂)、『江戸の川 東京の川』(井上書院)、『川を知る事典』(日本実業出版社)、『江戸のみちはアーケード』(青蛙房)、『図説 江戸・東京の川と水辺の事典』(柏書房)、『江戸の橋』(角川ソフィア文庫)などがある。

「2024年 『江戸の都市計画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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