中高生のためのメンタル系サバイバルガイド

制作 : 松本 俊彦 
  • 日本評論社
3.71
  • (7)
  • (8)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 175
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535904286

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3人に1人の「信用できる大人」。
    それを見つけるのはものすごく大変。
    失敗したときのリスクは大きく、再び探す気力も無くなってしまう。
    私自身は信用できる大人でありたいと思うけど、それはそんなに簡単なことじゃない。
    しっかり真っ直ぐ書いてある本だけど、著者によっては言葉が難しくて、中高生の高はいけても中は無理かもしれない。
    高でもいろんな問題を抱えてる当事者にとって読む気力が起きる文章かどうか。
    完全に子どもたちに寄り添って書いている人もいるんだけど。
    2012年、ヤングケアラーという言葉も一般的ではなく、コロナ禍もまだまだ先の時代の本。
    もうすでに古いのかもしれない。
    新版ないかしら。

  • 中高生年代が抱える問題のうち、メンタル的な要素を持った問題を、一つ一つ取り上げている一冊。本全体を読むに越したことはないですが、気になる事例の記事を読むだけでも得るものは多い一冊。

    個人的に必読だと思うのは「いじめと向き合うために」という章。「スクールカースト」というワードから、今の若い子(その若い子にはロスジェネ世代の一部も含まれてると思う)の人間関係観をうまく言い表している。
    『授業中においてすら、ある生徒がした質問をクラスの皆で共有することができずに、まったく同じ内容の質問を別の生徒が直後に繰り返したりするといいます。違う集団に属する生徒の言葉は耳に入ってこないからです。(p.132)』の一節が端的であり痛烈。そうであるが故に、同じカースト内で『上位の者が下位の者を虐げる行為ではなく、むしろフラットな人間関係を保つための行為として(p.133)』いじめが発生する、と説く。なるほど、と。

    自分がこの本を手に取った理由である「ネットやゲームがやめられない」という章は、現状を解決するにはちょっと物足りない感はあった。
    しかし、ネット依存を3つのタイプ分けて考えるところは納得がいった。「ネットにはまる奴が多いからネットが悪い」ではなく「ネットのもつどこにハマったのか?」や「何から逃れるためにネットにハマったのか?」が分からないと、なにも始まらないんだろうな、と。

    なお、「総論」という章は、その最後で『三人に一人は信頼できる大人がいます(p.7)』と強調します。
    「三人に一人」という数字に個人的には異論があるのですが、そういう追い込まれている人間にとって「三人の大人(あるいは他者)」に相談する、というのが如何に大変なのか、ということを理解しているが故の数字だとも思う。

    「中高生」の集うダンジョンに踏み込んでサバイバルバトルするもの必携の攻略本、と言っても過言ではない一冊。

  • おそらく中高生向けに書かれた冊子なのでしょうが、難しい章もあるかもしれません。大人からしてみればするする読めて楽しめる内容。個人的には知らなかった情報を知ることもできました。特に避妊関係、ギャンブルにはまっている家族がいる家庭の話。リストカット・イライラの対処法などは具体的で使えそうでした。
    全体を読むと、結局、中高生は本人、友達にかかわらず悩みを持っている場合大人に相談しましょうねという結論に集約されていると感じました。確かにそれは真実なのだけれど、それができないから困っているんじゃないか・・・?とも思いました。

  • おっそろしく真面目な本。書いてる人がすごい。どれも大人が読んでも読みごたえあり。

  • ・「健康な中高生をゲートキーパー(問題が生じている中高生と解決に協力してくれる大人をつなぐ存在)にしたい」というのが目的なんだとか。
    ・各論を各々の著者が論じている。上の目的を理解している人が、どれぐらいいるのか。。。中高生に語りかけるという体裁で書いているのは1人ぐらいで、あとは大人に向けて書いているとしか。記述全体として、もっと統一性を持たせれば読みやすくなるだろう。結局、どの層を対象にした本かが分からない。
    ・「男子の性」のところは面白かった。「援助交際」「妊娠中絶」など、女子の性に関する問題がクローズアップされがちだが(この本にもそれは書いてある)、男子についてはなかなか語られない話題で、新鮮。

  • 雑誌「こころの科学」の増刊号。
    ネットで評判ということでちょっと期待して読んだのですがいまいちでした。
    アディクション、自傷、性、DV、親子関係、セクマイと様々な専門家の文章を取り扱っているのはいいのですが
    論文を水で薄めたような堅苦しい文章が多く、
    当事者である中学生・高校生には響かないように感じます。

    また、雑誌だから広告が入るのは仕方ないのかもですが
    他の「こころの科学」や、日本評論社から出ている書籍の広告が結構どぎつい。
    これで引いてしまう子もいるかも。

    10代向けであれば、精神の病の経験者にもっと原稿を依頼するとか
    具体的なセルフケア方法、当事者とのコミュニケーションについて述べる方が
    役に立つだろうな、とか考えました。

    この分野だと翻訳ですが、大月書店から出てる「10代のセルフケア」シリーズがおすすめです。
    早く日本でもこういう分かりやすい本が出てくれることを祈ります

  • 371.43 マ 登録番号9350

  • 母校に寄付しようかと思いました。
    この本の目的は、「健康度の比較的高い中高生を『こころの問題』のゲートキーパーに育てることにある」そうです。
    性のこと、中毒のこと、さらには親のこと、内容は多岐に渡り勉強になりました。

全13件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×