- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784537106718
感想・レビュー・書評
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先達てその死去が報ぜられた、漫画家の加藤唯史氏。しかし実際に亡くなつたのは、1年7か月も前の2017年10月だつたといひます。遺族の意向らしいですね。
代表作は何か。わたくしの世代では『ロン先生の虫眼鏡』の印象も深いのですが、一般的にはやはり『ザ・シェフ』ですかな。
この漫画は一応料理漫画なのですが、あまり料理に関する薀蓄はなく、料理を通じた人間ドラマとなつてゐます。
主人公は味沢匠といふ料理人。特定のホテルやレストランに属さない、一匹狼の料理人です。料理の依頼をされたら、金次第でどこへでも行きます。その報酬は数百万単位といふ高額なもの。相手が「高い」と抗議すると、「嫌ならおやめなさい」と突き放す冷たい面もあります。
設定や味沢匠の風貌からして「ブラック・ジャックの料理人版」と評される事がありますが、実は原作者もそれを狙つてゐたさうです。もつとも直接的な言ひ方をするブラック・ジャックよりも嫌味な言ひ方が多い。しかし心根は優しく、(経済的に困窮して)報酬を払へない依頼者に対しては、報酬を受け取らなかつたり、格安で料理を作る事もあります。左腕にヤケドの跡があり、どうやら以前シェフとして働いてゐた「ホテル・リッツ」時代にヤケドをしたやうですが、詳細は明らかになる事はなかつた。(「新章」では断片的ながら語られてゐます)。
途中から田部太一といふ若者が押しかけ弟子になりますが、当初はまるで料理の才能がないやうに見受けられました。しかし努力により腕を上げ、遂に味沢から認められます。その後幼馴染と結婚して独立。
「新章」では重美といふ若い女性がやはり押しかけ弟子になります。味沢くんはその他いろいろな女性から詰め寄られたりしますが、殆ど相手にしません(やはり「新章」ではさうでもないが)。
他にも色色と個性的な登場人物がわんさかゐるのですが、とても紹介しきれませんので、これくらゐにしてをきます。いづれにせよ加藤唯史氏が亡くなつた今、もう新作は読めないのであります。合掌。
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漫画『ザ・シェフ』作者・加藤唯史さん2017年に逝去
病気のため、2017年10月15日に死去していたことが明らかに。
ご冥福をお祈りします。 -
全巻
読んだそばから忘れるけど、食事処に置いてあると嬉しい。待ち時間に読むには最適。 -
料理漫画。全41巻。ちょっと昔目の漫画で、時代風景や絵柄は昭和風。基本読みきりだが、一度出てきた人物が良く再登場する。主人公はフリーのコックで、多額の謝礼を取るが、その世界一の料理の腕で多くの人の人生に関わり変えてゆく。。。どこかで聞いたことあるような話ですね。そう、手塚治虫作の『ブラックジャック』です。主人公の容姿もそっくりなので、作者も全然隠してない感じ。笑
ブラックジャックが好きな人ならきっとこの漫画も楽しめると思います。基本が料理なので、医者のブラックジャックよりも平穏で身近な題材が多いですが。結婚とか不倫とか離婚とか。笑
最終話が全然最終話らしくなく、単に何しかの理由で休載したのかもしれません。現在は新章としてまた連載を再開しています。新章になって、若干エロネタや救われないストーリーが増えた気がする。
「味沢さん、今夜はどんなものが食えるかな」
「フフフ、それは後のお楽しみですよ」 -
お料理に合うお酒が楽しめる本です。