ベスト&ブライテスト (上巻) (Nigensha Simultaneous World Issues)
- 二玄社 (2009年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784544053067
感想・レビュー・書評
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アメリカが大きな期待を寄せた若い大統領・ケネディ政権の誕生から、
ベトナム戦争という泥沼へアメリカを導いた歴代政権を追うノンフィク
ションの名作。
キューバの国土面積も知らずにキューバ侵攻を決めたのかよ。明晰な
頭脳集団だったのではないのか、ケネディ政権って。
「全体主義は阻止しなければならない。全体主義の理解する唯一の
言葉が力である以上、力の行使をためらってはならない。共産主義
より悪いものはないという確信から、彼らは力の行使についての決定を
一つ一つ正当化し、アメリカの汚れた行動、穢れた手段意志の強さを示す
ものとして浄化したのである。」
そして、アメリカは自分たちの罪を常に正当化する道を選んだって訳だな。
ベトナム戦争と言えばアメリカのお馬鹿ぶりばかりが強調されるが、
アメリカ介入に先立つフランスの馬鹿っぷりも相当なもの。
ベトミンを一網打尽にしてしまおうと考えだされたのがディエンビエンフー
の戦いである。盆地に陣を築いて、山地を明け渡したこの作戦は高地を
確保するという戦争の常道を外れている。
「あいつら、大砲なんか持ってないし、持ってても撃ち方知らないから
大丈夫」。ところがどっこ。ベトミンは大砲を持っていて、しかも撃ち方まで
知っていた。
わざわざ自爆するような作戦を立ててるんだもんなぁ。そして、孤立した
フランス軍を一緒に助けに行かない?とアメリカから打診され「いやぁ、
うちは先の大戦で首都まで攻撃されちゃったし、復興で手いっぱいなん
だよね」と断ったイギリスは賢明である。
しかし、そのイギリスもイラク戦争では「やっちゃえ、やっちゃえ」とアメリカ
の尻を叩いた訳だが…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカの優れた人々が集まってより良い国を作っていこうとするのであるが、なぜか、悪い方向へ行ってしまい、国を混乱に陥れてしまう。
時代背景の描写も含めて重い作品だけど、ぐいぐいひきよせられてしまいました。でも途中少しまのびしたかな。