リア王 (白水Uブックス (28))

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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070284

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  • (2016.09.05読了)(2004.06.04購入)(1999.09.20・第16刷)
    先日読んだ『白鯨』のあとがきに、英文で書かれた三大悲劇として、『リア王』『嵐が丘』『白鯨』を挙げている方がいると書いてありました。
    『嵐が丘』と『白鯨』は読んだので、この機会に積読してある『リア王』を読んでしまうことにしました。
    読むまではずいぶん敷居が高かったけど、読み始めたらすぐ読み終わってしまいました。よくあることではあるのですが。
    『白鯨』の終わりも悲惨だったけど、『リア王』の終わりも救いがないほど悲惨ですね。もっと救いのある終わり方にしてほしいと思うのは、僕だけではないようです。
    ブリテン王のリアが引退する際に三人の娘、ゴネリル、リーガン、コーディーリアに親である自分への思いを述べさせます。
    ゴネリルのリアに対する言葉は、「子どもが親に捧げうる最大に愛を抱いております。」(11頁)などです。
    リーガンのリアに対する言葉は、「私のしあわせはお父様を愛することにしかないのです」(12頁)などです。
    コーディーリアのリアに対する言葉は、「結婚してなお愛のすべてをお父様に捧げはしません。」(14頁)などです。
    口のうまいゴネリル、リーガン、は、領地の三分の一ずつを分けてもらいますが、正直なコーディーリアは、領地を分けてもらえませんでした。したがって、ゴネリル、リーガンは、領地の半分ずつをもらいました。
    まだ独身だったコーディーリアは、領地なしでも結婚したいというフランス王のもとに嫁いでゆきました。
    リア王は、二人の娘の領地で一カ月ずつ交代で面倒見てもらうことになりました。
    ゴネリルとリーガンの婿たちは、オールバニ公爵とコーンウォール公爵です。
    (最初のほうにちゃんと書いてあったのですが、読み進むうちにいったいこの人たちはどういう関係の人たちなの? となってしまいました。)
    オールバニの妻が長女のゴネリル、でコーンウォールの妻が次女のリーガンです。
    領地を手に入れた長女と次女は、次第にリア王を邪魔者扱いするようになります。
    その他の主な登場人物は、グロスター伯爵とその嫡子エドガーとその私生児エドマンドです。

    【目次】
    リア王
    第一幕
    第一場 リア王の宮殿
    第二場 グロスター伯爵の城内
    第三場 オールバニ公爵の宮殿
    第四場 同宮殿の広間
    第五場 同宮殿の中庭
    第二幕
    第一場 グロスター伯爵の城
    第二場 グロスターの城の前
    第三場 森
    第四場 グロスターの城の前
    第三幕
    第一場 荒野
    第二場 荒野の他の地点
    第三場 グロスターの城
    第四場 荒野、小屋の前
    第五場 グロスターの城
    第六場 城に近い農家
    第七場 グロスターの城
    第四幕
    第一場 荒野
    第二場 オールバニ公爵の邸の前
    第三場 ドーヴァーに近いフランス軍の陣営
    第四場 前場と同じ陣営
    第五場 グロスターの城
    第六場 ドーヴァーに近い野原
    第七場 フランス軍の陣営
    第五幕
    第一場 ドーヴァーに近いブリテン軍の陣営
    第二場 両陣営のあいだの戦場
    第三場 ドーヴァーに近いブリテン軍の陣営
    解説  上野美子
    参考文献

    ●口が(123頁)
    子が親の恩にそむく! それは口が、食べものをはこんでくれたからと言って、手を噛み切るようなものではないか。
    ●泣くのは(186頁)
    人間、生まれてくるとき泣くのはな、この阿呆どもの舞台に引き出されたのが悲しいからだ。

    ☆関連図書(既読)
    「夏の夜の夢」シェイクスピア著・土居光知訳、岩波文庫、1940.07.26
    「ロミオとジュリエット」シェイクスピア著・中野好夫訳、新潮文庫、1951.11.05
    「ハムレット」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1967.09.25
    「ヴェニスの商人」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1967.10.30
    「ジュリアス・シーザー」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1968.03.25
    「マクベス」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1969.08.30
    「オセロー」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1973.06.30
    「シェイクスピア『ハムレット』」河合祥一郎著、NHK出版、2014.12.01
    (2016年9月8日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固め、三人のうちでもっとも孝心のあついものに最大の恩恵を与えることにした。二人の姉は巧みな甘言で父王を喜ばせるが、末娘コーディーリアの真実率直な言葉にリアは激怒し、コーディーリアを勘当の身として二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王リアの悲劇はこのとき始まった。四大悲劇のうちの一つ。

  • リア王と3人の娘、家来の陰謀など人間の浅ましい欲望の悲話

  • リア王は、始めはもうろくじじいかと思いきや、放浪の旅に出た後の周りの人達への接し方には王者の貫録を感じさせる。シェイクスピア作品の登場人物の中でも、突出して魅力を感じさせる人物の一人だと思った。

  • 実は四代悲劇の中でこれと『ハムレット』は本当、話が暗そうで読んでなかった本。
    先日、リア王で卒論書いてた学生さんのブックトークを聞いていて、いや、でも面白そうだぞ、と思って、ずっと積んであったのをやっと崩した。
    リア王わけわからないのとか、フランス軍敗けるのとか、いろいろおもしろい。なるほどなあ。。。

  • 「そんなに急がなくても」と言いたくなるようなジェットコースター展開。「そんなに殺さなくても」と言いたくなるような大殺戮。「そんなにすぐ改心しなくても」と言いたくなるようなエドマンドのへたれっぷり。
    シェークスピアさん、とっても極端なお方です。

  • 請求記号・932/Sh
    資料ID・100020058

  • 四大悲劇の頂点。

  • 『リア王』のオペラ化をめぐる対談を聴くため再読。人間存在の深層を抉り、狂気の底からの洞察を突きつけるこの悲劇をあらためて辿るとその多声性が目を引く。そこから人が他者とのあいだに生き残るなかに生じる狂気そのものが際立つ。道化の完成態はプーシキンの『ボリス・ゴドゥノフ』に通じよう。

  • 三大悲劇を読み終えた。
    悲劇の名の通りの結末。

  • だれかひとりでも傷つけた人は片っ端から死んでまう。因果応報。
    トムは寒いよぅ。

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著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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