供述によるとペレイラは… (白水Uブックス 134 海外小説の誘惑)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560071342

感想・レビュー・書評

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  • ポルトガルはどこだったかな?とヨーロッパの地図で確認した。
    フランス、スペインの四角に近い大きな国の西に縦に長い長方形がくっついたようなポルトガルだった。

    当時のポルトガルの政治情勢、周辺国との関係、カトリックは毎週教会に通うものであること、など私は知らなかった。

  • ①文体★★★★☆
    ②読後余韻★★★★☆

  • ノンポリを自称するジャーナリスト(若干の形容矛盾感)が、徐々に世の出来事に対して疑問(意見までは行っていない気がする)を抱くようになっていく、その心の動きが具に描写されていると感じた。精神や人格の不安定さ・不確実性を肯定的に捉えようとしているのも、個人的には感銘を受けた。

  • よかった。タイトルの「供述」は「証言」の方がしっくりくるような気がするが。

  • 感想はこちらに書きました。
    https://www.yoiyoru.org/entry/2021/02/23/000000

  • 子供の頃の読書ではよく経験したことなんだけど……
    「ぼくも大人になったらこんな人になりたい!」とか、
    「同じような状況になってもぼくも決して恐れない!」とか……。
    だからひさしぶりの、「ああ、また大切なことを教えてもらったなぁ」というような読書でした。
    初めて知りましたがタブッキというイタリア人、Molte grazie、ありがとう!

  • これまでの形而上学的な作風とは異なり、写実的な叙述で人間の生死と意思、そしてファシスト政党下の社会を正攻法で描かれていて非常にわかりやすい。最後に読み手をふっと煙にまく他の作品とは違い、強く主題を突きつけてくる。それとて、タブッキ独特の抒情的、詩的世界は静かに漂っている。タブッキの短い小説には果てしない想像の世界が広がっている。

  • 冴えなかったおじさんが世間に向かって意見を表明するようになるまでの話。1937年ごろのポルトガル情勢をテーマに90年代に書かれた小説ではあるが、現代にも通じてきてしまっているものがある内容だった。これまでの、というかほかのタブッキの小説とは趣が違う感じだがやはり面白かった。「ほんとうに孤独なときにこそ、じぶんのなかのたましいの集団に命令する主導的エゴとあい対するときが来ているのだと気づいた」あたりは訳者あとがきで挙げられるのも納得なほどグッときた。訳も美しい。

  • 「供述によると」という語り口が軽妙で全体の調子を取っている.最後の数ページに凝縮されたペレイラ氏の行動が,どのような経緯で気持ちであるいは決意で行われたかということが,読者を巻き込んで,あっちへフラフラこちらへフラフラしながら,語られている.本当に見事な着地で驚いた.

  • 文学
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著者プロフィール

1943年イタリア生まれ。現代イタリアを代表する作家。主な作品に『インド夜想曲』『遠い水平線』『レクイエム』『逆さまゲーム』(以上、白水社)、『時は老いをいそぐ』(河出書房新社)など。2012年没。

「2018年 『島とクジラと女をめぐる断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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