- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560071762
作品紹介・あらすじ
狂信的なキリスト教徒の母から特殊な英才教育を受けて育ったジャネットは、幼くして説教壇に立つようになる。しかし、初めて恋を知った彼女には、恐るべき"受難"が待っていた…。奇想とアイロニーに満ちた半自伝的小説。ウィットブレッド賞最優秀処女作賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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パワー系母(狂信的なキリスト教信者)と英才教育を施されて育った娘(のちにレズビアンだと自覚)の物語。
母のキャラクターをオレンジで喩えたりしながら母への愛憎を表現しつつ、自分の哀しみを独特な寓話の挿入で切実に描きつつも、暗すぎたりじめじめしすぎたりせず、皮肉とユーモアが効いている。
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10年ほど前に初めて読んだときには結構衝撃を受けた気がする。
作者の自伝的小説。
キリスト教の信仰に極端なまでに熱心な母親。主人公はそういう家庭に育ったため、幼い頃は周りから奇異な目で見られ、疎外される。成長して自分も母親と同じ信仰の道を歩み始めるが、自分がゲイであることに気づき、教会からも母からも責められるようになる、、、
時間が経って再読すると、落ち着いて読めるようになっていた。 -
私の読む技量が至ってないだけで、ただただこの小説がすごいということだけはわかる...
5年後とか10年後読み直した時に更なる感動を味わいたい、その一心です。
あと、外国の和訳本は読みづらいけど、いつも あとがきでこの本がいかにすごいかみたいなの説明されたらすごく納得しちゃうし、あとがきの文章表現、熱のこもり具合が好きだから、それも楽しみの1つですな☺️ -
本の途中で出てきたタイトルがそういう意味か、、!ってなった
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面白かったな~。海外小説久しぶり。
1985年の作品。ユーモアと皮肉にあふれている一方で、自伝的作品ということもあり後半は切実さが増す。
「物語」についての引用は旧約聖書からだそうだ。
ほかの作品も読んでみたい。 -
【ジェンダー問題】様々な切り口でジェンダー問題を描く小説を紹介!~名作ゴン攻めあいうえお~
https://youtu.be/wSrWo_-JGWI -
狂信的なキリスト教徒の養母、オレンジ、同性愛、自立。
イギリスの作家ジャネット・ウィンターソンの半自伝的作品。
メインのストーリーの合間にアーサー王物語みたいなものや昔話のような不思議な物語が配置されている。これが強烈な個性を持つ母親との生活や、彼女にとってはまったくワケノワカラナイ「外の世界」との折り合いをつけるために必要なものなのかな。
『さくらんぼの性は』の著者。 -
“でもすべての闇が光を必要としているわけではない、そう自分に言い聞かせている。”(p.280)
クラクラするくらい素敵ですよね。どの作品も好きなんですが、私は「灯台守の話」が一番です!
クラクラするくらい素敵ですよね。どの作品も好きなんですが、私は「灯台守の話」が一番です!