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- Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560072356
作品紹介・あらすじ
地方都市の学校教師ペレドーノフは出世主義の俗物で、やがて疑心暗鬼に陥り奇怪な妄想に取り憑かれていく。ロシア・デカダン派の傑作。
感想・レビュー・書評
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名誉欲に取り憑かれた学校教諭の狂奔。
視学官(教育行政官)の地位を狙うペレドーノフは、
またいとこワルワーラを焚きつけて
ヴォルチャンスカヤ公爵夫人に取り入ろうと目論む。
ペレドーノフの事実上の妻でもあるワルワーラは
「早く手を打たねば他の女と結婚する」と脅されて、
寡婦グルーシナに公爵夫人を装った手紙を書いてくれるよう頼み、
偽造された書簡を手に入れたが……。
日本語で「小悪魔」というのは
主にコケティッシュな女性の比喩だけれども、
この作品にはナボコフ『カメラ・オブスクーラ』の
美少女マグダのようなキャラクターが
登場するわけではない。
訳者あとがきにも特に注釈はなかったが、
もしかしたら、ペレドーノフの幻覚に現れる
捉えどころがないようでいて不格好な妖怪めいた
《ネドトゥイコムカ》を指すのかもしれない。
「かくれんぼ」その他の
https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4003264126
残酷さとイノセンスが共存する佳品の作者による長編だが、
テイストはまったく違い、
俗物たちのエゴイズムがぶつかり合う、
読んでいてほとんど誰にも共感できない、
特に主人公に好感を持つことが出来ない奇妙な物語。
しかし、ギムナジウムの生徒で女の子に間違えられてしまう
美少年サーシャ(終盤で女装もする)が可愛い。
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