- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560097762
作品紹介・あらすじ
歴史が男の学問とされていた時代に、ビザンツ帝国中興の祖である父アレクシオス一世の治世を記した、皇女の生涯をたどり作品を分析する。
感想・レビュー・書評
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ビザンツ帝国の女性歴史家にして、皇帝アレクシオス1世の娘であるアンナ・コムネナの生涯と、彼女が父帝の偉業を書き残した「アレクシアス」の分析。
https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2020/07/22/230528 -
皇帝の娘にして西洋古代・中世で唯一の女性歴史家アンナ・コムネナーーその生涯に迫り、彼女の手になる歴史書『アレクシアス』について分析を加え、歴史学の目的や手法について考察する。
彼女は自らの不幸を嘆く。彼女の不幸とは、そして幸福とは? アンナはなぜ歴史書を記すことになったのか? 彼女は何を遺したかったのか? そのために彼女がとった手法とは?
良くある『アレクシアス』への批判にも緻密な分析が加えられる。
昨冬日本語訳が刊行された『アレクシアス』とともに読みたい内容。そして歴史学とは何かについて考える良質の一冊。 -
ビザンツ皇帝アレクシオス一世の治世を対象とする歴史書「アレクシアス」を著した、皇女アンナの実像に迫る一冊。その生涯と作品検証を通して、歴史学というもの自体について考えさせられる内容。
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予備知識なしでも興味深く楽しめる、しかも専門的な内容だった。ビザンツ帝国の皇女アンナの思い、考え方、歴史学に対する姿勢とそれをどう実践したかが語られる。著書の個人的な思いが含まれるのも、そうとわかって読めるので、むしろ全体を理解しやすくしている。歴史学とは何かを、垣間見ることもできる。「アレクシアス」を通じてアンナという存在が現代のひとりの歴史家に深く理解され、その歴史家により現代の一般読者である私も、アンナという人を知ることができる。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742544