シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方: プロセス・コンサルテーション技法の用い方

  • 白桃書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784561246978

作品紹介・あらすじ

『プロセス・コンサルテーション』(弊社刊、2002年刊)は人と関わるための理論・技法で、日本では看護分野でも注目されるなどしており、ロングセラーとなっている。
しかし、そもそもこの技法の目的だった組織開発で活用する際には、合わせて考慮されるべき、スタッフのキャリア設計(シャインの著作では『キャリア・アンカー』『キャリア・サバイバル』など)や組織文化(『組織文化とリーダーシップ』『企業文化』)との関係が分かりにくくなっている。
本書はこの問題に応えるべくシャイン自身の講演をまとめたもので、組織開発に携わる方向けに人をめぐるさまざまな側面も押さえ、その考え方や手順を解説している。幅広く豊富な実例も交えられ読みやすく、活用しやすい内容となっている。

感想・レビュー・書評

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  • 組織開発やキャリア開発の分野で多大な成果を残しているシャイン博士による人的資源管理について記載された本です。100p程度の小さな本ではあるが、内容は無駄なく凝縮されており読みごたえは十分にありました。
    人的資源管理について、綺麗事の理屈だけでなく、実際に起こり得る反応も視野に入れて書かれています。そのため、難しい内容は多いですが、直感的な理解は得やすかったです。
    対して、「キャリア・アンカー」や「プロセス・コンサルテーション」「組織開発」などのシャイン博士の他の成果に関する知識が無いと十全に理解することは難しいように思いました。
    本書は人的資源管理についてのヒントを得たい人が、これから知識を深めるための取っ掛かりの一冊として適している印象を受けました。

  • # 書評☆3 シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方 | 薄く読みやすくプロセス・コンサルテーションの素晴らしい事例あり

    ## 概要
    シャインと行われた人的資源管理のセッションの内容を元にした本となっている。

    内容は,HRM (Human Resource Management: 人的資源管理部門,人事部) がプロセス・コンサルテーションをどう活用すれば,組織をよくできるかという内容になっている。

    100ページ程度で,比較的読みやすかった。しかし,その分内容が薄かった。

    個人的には,内容が物足りなかったので,☆2の評価にしようかと思った。しかし,プロセス・コンサルテーションに関する素晴らしい事例があり,これを知れたのが大きかったので☆3にした。

    ## 参考
    > ### p. 54:
    > 最後に,これこそがプロセス・コンサルテーションのキャリア開発への応用だという事例をご紹介しましょう。
    >
    > ある会社が私に,「エンジニアを雇っても1〜2年の内に辞めてしまうのだが,なぜだかわからなくて困っている」と相談してきました。私が従来型のコンサルタントであれば,従業員に色々とインタビューを行い,その結果をレポートにして報告したでしょう。ただこの方法では,従業員から正直な話が聞き出せなかったり,一般的ではあるがその会社の組織文化にそぐわない解決法を私が提案してしまったりする危険性があります。そこで私はプロセス・コンサルテーションの手法にのっとり,この会社が辞めてもらいたくはないと思っているような若いエンジニアたちを集め,Tグループを行い,この問題を任せることを提案しました。

    この事例は素晴らしい。プロセス・コンサルテーションの効果的で実践的な事例だった。問題を解決するには,当事者に参加してもらうというのは確かにいい。

    今後こういった問題解決時に是非採用したいと思った。

    ## 結論
    シャインのプロセス・コンサルテーションを人的資源管理にどう役立てるかがコンパクトにまとまっている。

    100ページと量が少なく,読みやすかった。ただし,これだけだと内容が物足りないので,読んでいなければシャインの本で一番よかった「[人を助けるとはどういうことか](https://senooken.jp/blog/2019/02/25/)」も読むことを勧める。

    パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/04/12/

  • シャインのプロセス・コンサルテーションについて、よく分かる。
    エキスパート・コンサルテーションをしがちな中で、プロセス・コンサルテーションとは「クライアントが、クライアント自身によって、クライアント自身のために、クライアントができることをするように、キャナライザーションすること」。その考え方や手法について、分かりやすく紹介されている。

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著者プロフィール

マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院名誉教授。



1972年から1982年までの間、組織研究グループの学科長を務める。産業心理、組織心理に関するアメリカ心理療法士協会の資格をもち、アメリカ心理学会の会員。NTL協会においてグループトレーナーを務め、アメリカやヨーロッパ諸国において組織文化、組織開発、プロセス・コンサルテーション、キャリア・ダイナミックスについてコンサルティングをおこなう。



クライアントにはチバ・ガイギー、シェル・インターナショナル、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)、ゼネラル・フーヅ、IBM、アップル、ポラロイドなど国際的に有名な企業が数多く含まれる。



ゴードン・ハーウィック賞、社会科学研究会議の研究員、組織開発への貢献により、ASTD賞を受賞。


「2019年 『Dr.シャインの実践:対話型プロセス・コンサルテーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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