- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562039418
作品紹介・あらすじ
これは軍鼓の拍子に歩調を合わせて、意気揚々と行進しながら帰還した英雄の物語ではない。戦友の追憶と「無名戦士」の墓だけが知っている男たちの物語である…。連合軍イタリア上陸作戦の凄惨な戦いを描いた戦争文学の金字塔。
感想・レビュー・書評
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一人の友が死んだ。悲しみの杯を干して。彼の戦いは終わった――。
第2次世界大戦中の1944年1月から5月にかけて行われたイタリア・アンツィオ上陸作戦。それは、ローマを迅速に占領するための連合軍の一種の賭けだった。
アンツィオ港から上陸して、ローマを目指す。
しかしドイツ軍がローマのはるか南方、カッシーノの手前で彼らを食い止め続け距離にして自動車で約一時間たらずのローマへの道は果てしなく遠く、連合軍は目標のローマへ至るまでに実に四カ月を要した。
四カ月。アンツィオ橋頭堡で、アルバーニ高原で、ラティウム平野で、ローマへ続く道程で、連合軍とドイツ軍は幾度となく衝突し、兵士は殺し合い、罪なきイタリアの民間人が巻き込まれた。
戦争はごく普通の男を殺人者にし、多くの敵を屠らせ、また、神のようにも変え、颯爽と仲間を助けもした。
あの時一緒に酒を酌み交わし、笑い、歌いあった若い命はどこへ行ってしまったのか――。もうどこにもいない。そして私だけが生き残った。
あわや連合軍全滅という無謀な作戦に参加した連合軍兵士たちの目、巻き込まれた現地イタリア人の目を通して過酷な運命を描く戦争文学。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは残念な本。元々の物語はなかなか興味深い内容なのだが、翻訳があまりにひどすぎる。逆の意味にするなど、あきらかな誤訳はともかくとして、戦争文学にもかかわらず、兵器の名称などが全くの直訳で何のことかわからない。例えば「自動推進砲」って何? ドイツ軍らしく突撃砲として欲しかったが、せめて自走砲ぐらいは調べて欲しい。
有名な学者先生らしいけど、出版社も校正はしてもらわないと、困るなあ....