フランスからの提言 原発はほんとうに危険か?

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562047154

感想・レビュー・書評

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  • 物理学者(?)でありながら、元フランスの文部科学大臣(1997~2000年)が、「フクシマの原発事故が合ったけど、フランスの原発も危険じゃないのか!?」と詰め寄るフランス人記者のインタビューに答えるかたち。
    結論としては、著者クロード・アレグレは「原発は安全で低コストだからフランスにはこれからも必要」という論。
    とくにフランスには巨大地震も津波もこれまでなかったしこれからもないだろうし、フランスの原発は日本の「旧式」より最新技術搭載らしいので。

    本書の内容から逸脱するが、3.11以後の日本人著者による著作は、その内容のいかんよりも、その語り口が、原発賛成派によるものであれ原発反対派によるものであれ、「結論ありき」で「敵に対して脅迫的」で「けんか腰」だと私は感じていた(情報内容より著者の態度が前面に出すぎていると感じていた)ので、本書のような「海外からみたら云々」という本書は、その意味で有益だった。
    放射能研究の歴史がフランス発祥だということも初めて知った(だから著者は、自信満々なんですね)。

    ただし、最初に書いたように、著者のクロード・アレグレは「原発賛成派」です。
    フランスの原発が事故を起こす危険性は少ないらしいけど、著者は(1)テロ組織に狙われるとか、(2)使用済み核燃料を処分する過程でテロ組織に渡らないよう取り締まることを懸念していた。

  • 2011年3月31日時点に発表されていた日本の原発事故の状況を踏まえて書かれている本。

    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3992637.html

  •  結局は、原発をなくせば電気代は2倍になる。食料もエネルギーがなければ作れない。といった原発必要論。「エコロジストの哲学とは進歩を止めることであり、これは有害きわまりない結果をもたらす」。原発をなくせば「生活レベルを半減させる。われわれは贅沢三昧をしてきたが、われわれの子どもには質素な暮らしで我慢してもらいましょうということになる」といった脅迫調が引っかかる。どうして生活の質を見直そうという方向に行かないかなぁ。
     核廃棄物の処理法は確立されていないと認め、二酸化炭素が気候に明確な影響を及ぼすことはない、という見解に立ちながら、なお原発の必要性を唱える理由がよくわからない。
     「人類の文明史とは、第一に科学技術の進歩の歴史であり、その他のことは後からついてくる」という科学最優先主義の結果か、せっかく持った原子力利用技術を手放したくないというエゴイスティックな科学者の論理なのだろうか。
     立花隆氏が、これを読めば原発が安全なことが分かるなんて薦めていたので読んだのだが、残念。

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