- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562052592
感想・レビュー・書評
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難しかったが、まあ面白かった
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号: 469.2||S
資料ID:95170356
ネアンデルタール人絶滅の決定的な要因はヒトがイヌ(オオカミ)を家畜としたことと解明し、「侵入生物」「動物の家畜化」という生態学的な視点から人類永遠の謎を解いています。
(生化学研究室 大塚正人先生) -
ネアンデルタール人の絶滅、イヌの家畜化について、もともと考えられていたよりも1〜2万年ほど遡る可能性がある、という研究が近年出ている。
この2つの事象をつなげて、ホモ・サピエンスはイヌを家畜化したことにより狩猟効率を向上させ、大量の獲物を狩り勢力を拡大することで、間接的にネアンデルタール人を絶滅に追い込んだのではないか、
というのがこの本の大枠の論の流れである。
すごく面白いのだけれど、ネアンデルタール人が絶滅した時期とイヌの家畜化の証拠だと著者が主張している時期には現時点で数千年の開きがあったり、どうしても疑問の残る結果になってしまっている。
大筋は上記の通り消化不良な感じなのだけれど、紹介されている研究はとてもおもしろかった。
例えば、”オーストラリアに最初に到達したホモ・サピエンスの数”を調査する、という研究。
遺跡の数の推移は人口増と同じような形になる、という仮定を行う。
"オーストラリアにホモ・サピエンスが作成した遺跡の数の年代毎の推移"から人口の増加率を計算し、オーストラリアにヨーロッパ人が到達したときのアボリジニの人口の数から逆算してオーストラリアに到達したホモ・サピエンスの数を見積もる、というもの。
こんな具合に、限られた証拠からこんなふうに調査していっているのか、ということがわかって非常に興味深い。 -
原題は”the invaders”。
現人類がそれまでの生態系に侵入し、自らの居住域を拡大させ、マンモスなどの生き物を絶滅に追い込んだ。
ネアンデルタール人の絶滅は気候変化だけでなく、そんな人類との競争であったかもしれない。また、その時点で人類がイヌを家畜化させており、それが競争上優位に働いた可能性があるというもの。
門外漢にはその信憑性は判断がつかないが、ネアンデルタール人の絶滅、オオカミからイヌへどのように変化したのか、というテーマだけでも十分に興味を引く。 -
【請求記号】4600:675
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2016年6月新着
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書名通りで、かつ各媒体に取り上げられた書評通りに素晴らしい内容だった。
知的好奇心をくすぶる刺激的な学説。
多くの参考文献や最新の研究結果などをふまえ、丁寧に論じられている。
ただ、自分の予備知識が少ない、あるいは、この専門家でもないので、充分に理解できたかといえば、まだまだである。
英語が堪能で、かつこの分野に関心がある人は、すでに原著で読んでいるだろうが、巻末にある参考文献も読むことができると思えば羨ましい限りだ。 -
請求記号 469.2/Sh 79