- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562054831
作品紹介・あらすじ
イギリスと並ぶ監視大国アメリカの、捜査機関によるビッグデータ監視や人工知能による予測捜査やリアルタイム監視、日々蓄積される膨大な個人情報……。行動のすべてを把握される未来はそこまで来ている。そしてこれは確実に未来の日本の姿ともいえる。
感想・レビュー・書評
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ビッグデータを利用したアメリカ警察捜査の現状報告。
元データあるいは入力データに偏見があれば、予測結果も偏見が含まれる、といった採用活動でもあったAI利用の問題点が指摘されている。予測結果が出たとして、人と場所のどちらを監視するのか、といった運用問題も残されているようだ。
2年前の書ではあるが、最近のBLM運動のきっかけとなった事件にも繋がるか。
現状、ヒトの感と人海戦術捜査を補えるかもしれないが、副作用も大きい、といったところか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「マイノリティ・リポート」の世界が到来していることを警告する書なのかなと思ったが、その要素はそれほど大きくなかった。現状でどのような監視を実施し、犯罪を犯そうとする人物や犯罪被害者になりそうな人物を、ビッグデータからどのように抽出し、警察の行為がどのように役立ち、また問題を引き起こすかの解説がメインであった。著者が法律に詳しいこともあり、技術的なことよりも警察と一般人の間でおこるであろうトラブルの解説が目新しいところだろうか。
また、“監視”というキーワードからはビッグブラザー的な監視社会を連想させるが、“監視”の範疇には、我々がWebサイトを閲覧した履歴やクレジットカードでの買い物履歴、お店でポイントをためた消費行動など、マーケティングデータの蓄積も含まれる。そういういう意味ではすでに“監視社会”は実現されている。
警察が保持している犯罪情報や個人情報とマーケティングデータが結びついた場合、人種や血縁関係、年収まですべて把握されることになる。何も悪いことをしていなければ平気と思う方々もいるだろうが、監視システムにより犯罪者の行動に似ていると判断された場合、不法に警察にマークされることにもなりかねないので、犯罪発生予防になるのは理解できるが、確かに気持ちが悪い。 -
東2法経図・6F開架 317.95A/F21k//K