厨房のちいさな名探偵 (コージーブックス ハ 1-1 大統領の料理人 1)
- 原書房 (2015年5月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562060399
作品紹介・あらすじ
「世界でもっとも重要な台所」と呼ばれる、ホワイトハウスの厨房で働くオリーは、小柄ながら腕と舌は確かなアシスタント・シェフ。彼女の任務は、大統領の朝食から晩餐会にいたるまでの献立を吟味し、期待以上の料理で彼らの胃袋をつかむこと。ところがある日、ホワイトハウスに不法侵入した男をフライパンで打ちのめしたせいで、彼女は国際手配の殺し屋から命を狙われることに! いっぽう厨房では、一週間で重要な国賓晩餐会のメニューを決めるという前代未聞の事態が発生。オリーは、夢だった総料理長の座を射止めるためにもこの大ピンチを乗り切れるのか!? ホワイトハウスの舞台裏で大活躍する料理人を描くシリーズ第一弾! アンソニー賞、バリー賞、ラヴィー賞受賞の話題作。
感想・レビュー・書評
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「大統領の料理人」のシリーズ1作め。
ホワイトハウスの女シェフの活躍を描きます。
ヒロインのオリーは、ホワイトハウスの厨房のアシスタント・シェフ。
総料理長が引退間近で、オリーが次のトップに推薦されているのだが、テレビ番組をやっているカリスマ料理人という手強そうなライバルもいる状況。
前もってメニューを上にも相談し、大統領夫人に味見もしてもらうんですね。
重要な国際会議のメニュー選びなどは、大変な騒動に。
ホワイトハウスに侵入者が現れ、偶然近くにいたオリーがフライパンで撃退。
それをきっかけに、事件に巻き込まれていきます。
恋人のトムは、シークレット・サービス。
恋愛をはっきり禁じられているわけではないけれど、今のところ公表は出来ない様子。
腕と舌は確かで、生き生きとしたヒロイン。
推理が仕事ではない素人さんが主人公という点では、コージー系。
料理が得意で(プロだけど)、巻末にレシピ付きというのも。
舞台がホワイトハウスなので、軽めの描写のわりに事件はけっこう大掛かり。その分、書き込めている方で、事件は起こしやすい設定ですね。
「ちいさな名探偵」というタイトルと表紙イラストで、最初は男の子なのかと思いましたけど~ホワイトハウスじゃ、見習いだって少年は雇いませんね(笑)
ホワイトハウスの構造やスタッフ構成は事実みたいなので、こんなに公表しちゃって良いのかしら?
どこかに秘密があるのかも!などと余計なことまで考えて楽しみました☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
気楽に読めるミステリー。ホワイトハウスの行事やスタッフの仕事が書かれていて興味深い。ファーストレディは公務の他にも家族の世話や問題、家の切りもり的な管理を請け負っていて大変だなと思った。出される料理の選定もする。メニューの選び方とサービスへの要求は知識・教養・経験を要し雇人から下に見られないようにしなければならない。何事にも確固とした意見を持つことが必要で素早く判断し的確に伝える必要がある。
忙しい仕事の合間に恋人を捕まえなくてはならないというカップル文化も大変だ。
なぜ短い時間に適切にメッセージを伝えるようにしないのかなと思うところは多々あれど、それは「お話」にはスパイスとなるので仕方がないのかな。
料理一つ出すにも、文化の違い(ムスリム男性は金や銀の食器で食べない)とかアレルギーへの配慮など昔より考慮するべきことがたくさんある。そういう点でも面白かった。
quinceは カリンではなくマルメロと訳すべきだと思う。マルメロはすっぱくて硬いが熟すと良い香りがして砂糖で煮るとコンポートになる。 カリンも香りが良いが石果という非常に硬くてザリザリした食感のすっぱい果実で生食はできない。薄く切って蜂蜜に漬けたものをさらに甘く煮ても柔らかくはならずドライフルーツのような感じでパフェにはならないだろう。 -
思ってたよりも面白かった。
ラストにレシピがたくさん載ってて良い。
しかしこの手の主人公は事件に首をつっこみ過ぎる(笑)。
(じゃないと話が進まないが)
あんなに止められてるのに。 -
ホワイトハウスを舞台にした、総料理長の座を争う女たちの物語。っていった方が正しいのでは無かろうか。(^^;
コージーとか、ミステリとか、その手のキーワードにはあわない内容だった気がします。
面白いことは面白かったんですけどね。(^^;
多分にロマンス小説感が。(^^;
続き物のようですが、次巻以降でコージーミステリらしくなるのかな? -
ホワイトハウスのアシスタント・シェフとして働く、若き女性料理人が主人公の物語。
ただし、表題から連想されるようないわゆる謎解き物ではなく、ヒロインも事件について推論を展開したり、解決したりなどは特にしていない。
ホワイトハウスのエグゼクティブ・シェフ(総料理長)を目指して奮闘しながら、彼女はひょんなことから事件に巻き込まれて、国際手配の殺し屋に命を狙われ、恋人との関係にギクシャクしつつも、国賓晩餐会の支度に心を砕く。
伏線らしきものが散見するが、ミスリードが多く、推理物としては尻つぼみのような印象が残ってしまうのは惜しかった。
また、作風が非常にアメリカ的なのも特徴だ。
人物造型や配置、会話のやりとりや空気感、そして勧善懲悪のサクセスストーリーは、アメリカ映画を観ているような心地になる。
純粋にミステリを欲する向きにはそぐわないかもしれないが、“世界でもっとも重要な台所”の舞台裏を垣間見られるのはなかなか新鮮。
巻末に、大統領一家の私的な食事のレシピ集が載っているのも楽しい。 -
なかなか見れないホワイトハウスの厨房の中が見えて面白かった。
ライトなミステリーかと思ってたら、思いのほかハードな展開でドキドキハラハラ。次も楽しみ。 -
思っていたよりは面白かったですが、コージーミステリというよりはアクション物でしょうか。
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もっと緩いコージーミステリかと思っていたら、意外にもメッチャハードなサスペンスでした。映画の「シェフ殿ご用心」のようであり「ザ・シークレットサービス」のようでもある。これはかなり面白い。