中世ヨーロッパ 「勇者」の日常生活:日々の冒険からドラゴンとの「戦い」まで
- 原書房 (2023年9月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562073429
作品紹介・あらすじ
選ばれし「勇者」はあなた! リアルな中世を冒険するのに何が起こって何が必要なのか。宿に泊まり、姫を助け、魔術師を仲間にし、そしてドラゴンを退治する! 「実例」とともに歴史家が案内するユーモアあふれる異色の歴史物語。
感想・レビュー・書評
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冒険ファンタジーの舞台が実際の中世ヨーロッパだったら?
勇者の冒険ライフを考察し、当時の様子を交えて解説する。
・著者による解説 ・カピトゥルムインフォドゥンピウム
・クエストの準備 ・宿屋にて ・旅路 ・道中の危険
・たたかいに勝利する ・栄誉を受ける
謝辞、資料一覧、参考文献有り。
選ばれし勇者は、師を得て学び、武装を整え旅に出る。
宿屋に泊まり、食事をし、旅路を歩む。
盗賊と戦い、呪われた沼や魔法の森、不毛の荒れ地を通り、
ドラゴンを退治する。天候の魔術師を仲間にし、
蛮族を打ち負かし、魔人を出し抜き、財宝を入手。
王女を救出して王となる。女勇者なら王子と結婚。祝宴。
ざっくりとこんな流れになってはいるけど、
冒険ファンタジーとリアルヨーロッパ中世は違うわよという、
冷ややかな感じが漂う文章。でも中世史の知識はすごい。
もっと中世の事を知ってよ感が、半端ない。
当時の宗教、魔術、服装、防具屋、宿屋、識字率30~40%、
吟遊詩人、食事、道、清潔、盗賊、トイレ、からくり人形、
スパイの旅行記、ドラゴン伝説、驚異の生物、冬、蛮族、
千夜一夜物語、ユニコーン、財宝の誘惑、ピラミッド、のろし、
王女たち、王冠、強い女性たち、そして祝宴。
こういったエピソード的な中世の小話が面白かったです。
それにしても読みにくいなぁ。エンディングを迎えるまでが
長い道のりに感じてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中世ヨーロッパに恐ろしく詳しい人が「中世のリアルな〇〇(例:宿屋に泊まる、盗賊に襲われる)描写? んー、この話が参考になるんじゃない」って感じで出してくれてる感じの本でした。散漫な印象はあるものの背後に圧倒的な知識を感じて面白いのは面白かった。
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ファンタジーを鼻で笑っている感じがしてあまりお薦めできない。ファンタジーと現実とをしっかり分けて書き、両者を比較できるような構成にした方が良かったのではないか。少なくともこのタイトルから読む人の期待には応えていないと思う。
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OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002330933【推薦コメント:クエストのない日の勇者は何をして過ごしているのか?こんなテーマはありそうでなかった!】