すずの兵隊さん (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566003651

感想・レビュー・書評

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  • 「ブーツをはいたねこ」に続く、フレッド・マルチェリーノの本の二冊目。
    遠近法の正確さ(当たり前だけど)デッサンの確かさ、色調を抑えた渋めの豊かな色。
    どれも本当に素晴らしい。
    アンデルセンのお話を絵にするのは画家さんたちにとって大きな憧れだというのが、良く分かる。
    グリム大賞やペロー大賞はないけれど、アンデルセン大賞というのは燦然と輝いて存在するものねぇ。それもノーベル賞と同等の価値があるそうで。

    1838年のクリスマスに発表されたというこのお話。
    子供の頃は、報われない兵隊さんの思いが哀れで切なくて、特に大きなネズミの登場する下水道の場面など、夢に見るほど怖かった。
    今読むとラストの締めくくり方が実に精神性が高く、子どもだから読み取れなかったというのが分かる。ということで、これは大人向けの一冊。
    テキストが多く20分超かかるため、読み聞かせなら高学年以上かな。
    そして、文章表現もなかなか難しい部分が多い。
    小さな子には、この渋めの色彩がちょっぴり怖く見えるかもしれない。私がそうだった。

    死をもって結実した兵隊さんの恋。
    その純粋な思いに、胸が少しきゅっとなったり。
    うん、すべての大人に向けたアンデルセンからの贈りものなのかもね。

  • 「同じ古いスプーンから創られた25人のすずの兵隊さんがいました。その中の足が1本しかない兵隊さんは、紙のお城の入り口に立っているバレリーナが好きになりますが…。クリスマスに芽生えて散った美しく哀切な恋のお話。」

    「大人になって読んだ本で、もっと早く子どもの時に出会っていれば、という後悔を感じたことがほとんどないんですね。大人になって読んでよかった、取っておいてよかった、そして、子どもの頃だったr、ここまではじかに触れられなかっただろうっておもったりするんです。」江國香織(「特集 江國香織少女の時間」より、江國さんが選んだおすすめの子どもの本。)

  • こんな悲しい話だったっけ?

  • 2017.3

  • 美しい恋愛ものだわ‼️

  • 確かこの兵隊はクリスマスプレゼントだったはず…と読み返すと、マーシャブラウンの絵本では誕生日だった。記憶違いかなぁとこの本を手にすると、表紙にツリーの前で凛と立つ片足の兵隊さんがいた。開くとおもちゃのチャチャチャなシーンもツリーを背景に描かれていた。
    片足の兵隊がバレリーナも片足だと思うところ。飛ばされて大冒険の末に不思議な偶然があるところ。それで充分ファンタジー、ハッピーエンドなのになぁ。兵隊が変わる形が切なさをさそうクライマックス。だけどこの絵本はバレリーナの踊るように飛ぶ姿が印象的。

  • うるおぼえで再確認したかった本。
    昔話でなく、アンデルセンのオリジナルストーリーだそう。
    切ないとか美しい、そういう言葉が似合うわ。

  • 愛する人がそばにいれば、ほかになにもいらない。
    そんな兵隊さんの気持が痛いほど伝わってきます。
    子供の頃はじめて読んだときから、大好きなお話でした。
    恋する人形たちに大切なことを教えてもらいました。

  • 彼氏、彼女に送りたい、一緒に読みたい絵本
    http://alfalfalfa.com/archives/391680.html

  • ヘッピーエンドのようで、実は哀しく、どこか影が感じられるのはやはりアンデルセン独特の持ち味か。独特のストーリーで子供心に、何か響くものがあったようです。

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