- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566014602
作品紹介・あらすじ
イギリスのシリー諸島付近は航海の難所です。ある夜、嵐で船が沈み、乗客30人が岩にしがみついていたとき、パフィン島の灯台守ベンが手漕ぎボートでやってきて、全員を救出してくれました。助けられた乗客の中にいた5歳の少年アランは、この夜のことを忘れず、ベンが描いた船の絵をもらって大切にしていました。学校を卒業するとすぐ、パフィン島に向かい、なつかしい灯台守に再会します。一羽の傷ついたパフィンを看病することで、ベンとアランは家族のように絆を深めていきます。パフィン島が、文字どおりパフィンでいっぱいの島になるまでを、人と人のつながりをからめて情感豊かに描きだす物語。オールカラーのすばらしいイラストに飾られた贅沢な作品です。
感想・レビュー・書評
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2020年 原題”The puffin keeper”
イギリスの児童文学作家モーパーゴの作品。
5歳で船の難破から命を救われたアラン。
それからずっと恩人の灯台守と島を忘れずに大人になったアランの真っ直ぐな生き方、そして大きな海とパフィンの情景。モーパーゴの作品はやはりいいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嵐の夜パフィン島沖で灯台守に命を助けられた少年の話。寄宿学校卒業後,島で傷ついたパフィンを看病し,少年と灯台守は家族のような関係になる。戦争の悲惨さも克明に描くところが作者らしい。
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嵐の夜、船が座礁したぼくらは、灯台守のベンジャミン・ポスルスウェイトさんに助けてもらいました。灯台にはたくさんの絵がかざられていて、ぼくは灯台を離れるときに1枚の絵をもらったのです……。
小学校中学年から。モーパーゴらしい無駄のない語り口で、読みやすく、とてもいい作品になっている。ベンジー・ディヴィスの絵も優しい。
淡々とくじけない主人公の様子に好感が持てるし、孤独な灯台守と家族と呼べるほど心を通わせていく過程に心がじんわり温かくなる。戦争についての記述はあまり多くないが、軽く扱われているわけではなく、主人公の「戦争に勝ち負けなど、あるでしょうか?」という言葉はとても重い。
主人公アランは、パフィン・ブックスの創始者アラン・ウィリアム・レインをモチーフにしたということなのかな?一方で主人公が作中で作る物語が『パフィン島の灯台守』というタイトルで、しかも主人公の奥さんの名前がクレア、モーパーゴの奥さんの名前と同じなので、なんかちょっと面白い。
パフィンの出て来る物語は最近多いなあ。それだけ問題なく意識が強くなっているのだろう。
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小さいとき灯台守にたすけられた少年。
ずっとその灯台を心に抱きながら大きくなり、何度か手紙も書いたけれど返事をもらえず、ついにはひとり旅ができる年になって、自分ひとりで灯台をたずねていく……。
時代の流れをからめながら、モーパーゴ節で話が展開していく。短い話だけど、やっぱり心がぽっと温かくなるモーパーゴマジックが味わえます。絵もとってもすてき。 -
お馴染みマイケル・モーパーゴさん。
でも比較的軽い読み口だな。
結構サラッと大人になっちゃうのでびっくりしちゃった。
いろんな要素を短く詰め込んでるから要点が絞りにくいかもしれない。
自分の居場所をどう見つけるか、何をして生きていくのか決めるということはどういうことか、それがテーマなのかなと感じた。
誰のためでもない、自分のために生きるということ。 -
ベンジャミン・ポスルスウェイト(ベン)は、パフィン島の灯台守。
ある日、嵐で難破した船から乗客乗員30名を救出した。
救出されたアラン・ウィリアムズは、その恩を忘れず、大きくなってからパフィン島を訪ねていった。
無口だけど、勇敢で愛情深いベン。
やんちゃだけども、優しいアラン。
二人のパフィン島のおだやかな生活がうらやましかった。 -
頑固なじいさんが少年に心開いていく系
挿絵が多く読んでいて楽しかったが、肝心のストーリーが好みではなかった。 -
純粋な少年、実直な灯台守、パフィンと海の情景とすばらしく美しい物語。
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パフィンとはペンギンみたいな鳥の名前の事である。少年と灯台守のやさしい交流の物語。