絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える

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  • 美術出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784568505078

感想・レビュー・書評

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  • デザインのありかたについて改めて考えさせられた本です。「絵で物事は分かりやすくはならない」という言葉が印象的でした。挿絵が多くて読みやすいです。千利休 無言の前衛の装丁のアイデアも面白かったです。

  • よかった

  • 考え方の過程がわかりやすく説明されていて良かった。厚めだが字は少なくサクッと読めた。

  • 印象に残ったとこ。

    本の挿絵や装丁を作るときは、文章を簡潔にする中で削られた言葉を絵にしている。

    普通、コミュニケーションは表情と音声(言葉)を交わすことで成立する。文章と絵の関係はそういうもので、文章=言葉+絵=表情を紙や電子の上で再現する試みにすぎない。なので、リアルなコミュニケーションで”普通のこと(表情+音)”を再現できれば御の字。

    難しいことをそのまま伝えるということは、デフォルメや一部だけを抽出した例えではなく、ありのままを伝えるということ。それは、風景写真を高解像度でそのまま印刷することに似ている。

    「わかりやすい」ことがそれだけで価値を持つようになってしまった。「わからなくても、わかりやすければいい」という矛盾した価値観が賞賛されている。

  • わかりやすくてサクサク読める。

  • 読了後に(疲れからかもしれないが)すごく感動した、という感覚がほとんどなかった。「へぇー…」という感じ。寄藤さん自身、『自分用のノートに近い』と記述していらっしゃるので、誰かの実験ノートを借りて読んだ感覚に近い。もちろんその借りたノートから実践的なスキルが学べることと同じで、学ぶものがあった。
    『わかるとわかりやすさ』の考え方に出会えて良かったと思えた。

  • JT大人たばこ養成講座や東京メトロ「家でやろう」のアートディレクションで知られるヨリフジさんの著書。特に多くの気付きを得られたのが第3章「絵と言葉」と第6章「わかるとわかりやすさ」の2つ。

    第3章では絵と言葉は対立するものではなく、そのお互いの距離感でもって全く異質な化合物を生み出す「元素的なもの」として説明されている。実際に同じフレーズに異なる挿絵を組み合わた例の中で「夏休みが明けると彼女は別人だった」の例題が秀逸。思わずカフェで1人で声を上げて笑いそうになった。

    第6章では、実は「絵で物事はわかりやすくならない」というハッとする提言から始まる「わかループ」の話が面白い。ある物事がわかるとき、同時に新しくわからないことも生まれる。それをまたわかろうとすることで生じる「わかるとわからないの反復運動」をより活発にしてあげて「活き活きと考え続けられる状態にする」ことが、俗にいう「絵でわかりやすくする」の本質だという話は、個人的にとても腑に落ちた。

  • 寄藤文平さんの装丁が好きなので、書店でみかけて衝動買い。

    プレゼンテーションしたり、教育に関わったりすることが多い私も、寄藤さんほどではないけれど、表現する者のひとり。

    わかりやすいことが「是」とされがちだけれど、わかりやすくすることで、わかった気にさせてはいないだろうか。

    NHK「考えるカラス」にも通ずる。「ここからは、自分で考えよう」

    わかろうとする動機を作れるかどうか、か。

  • JTの大人タバコ講座で有名な著者のデザイン論についての一冊です。他人に対して自分のイメージを伝える方法について、著者のアプローチのやり方が新鮮で、広告以外にも活用できるような気がしました。

    九州大学
    ニックネーム:上野泰三

  • 5号6号の話がとても共感できた。
    ただ「なんとなく好き」とか「なんかかっこよくね?」っていう言葉をなるべく言わないようにしてきたけど、結局はそこが一番重要なんじゃないの?って改めて思えた1冊。
    アートとは?デザインとは?デザイナーとは?ものづくりとは??
    根源にまで立ち返れる1冊。

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著者プロフィール

寄藤 文平(よりふじ・ぶんぺい):グラフィックデザイナー、1973年生まれ。1998年ヨリフジデザイン事務所、2000年有限会社文平銀座設立。広告やプロジェクトのアートディレクションとブックデザインを中心に活動。著書に『死にカタログ』『元素生活』『ラクガキ・マスター』『絵と言葉の一研究』など。


「2024年 『デザインの仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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