- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784568505078
作品紹介・あらすじ
人気アートディレクター 寄藤文平さんが
「わかりやすい」の核心を、自ら分析した初めての本。
感想・レビュー・書評
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ちょっとリラックスしてデザイン本を。
JTの広告などでデザインを見たことのある寄藤さんのデザイン本。
著者のことはデザイン画を見たことがある程度で、全く知りませんでしたが、
デザイナーの考えの一端を垣間見れて、中々興味深い本でした。
特に、「千利休―無言の前衛」という本のブックカバーをデザインするという
ケーススタディーでは、たくさんのデザイン案を知れて、
デザイナーの懐の大きさを感じ取りました。
というより、この本が読んでみたくなりました。。
※千利休―無言の前衛
https://booklog.jp/item/1/4004301041
あとこの本もとても気になりました。
(この本で紹介されなかったら、絶対に読まなさそうな本の類。)
※日本の弓術
https://booklog.jp/item/1/4003366115?recommend_next=4568505070&ref_page=home
やっぱりたまにはデザインの本を読むのも、視野が広がってよいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の名前は知らなかったが、調べてみると作品は知っていた。
まず、データとインフォメーションの考え方に納得をした。当たり前にしているようで、実は意識できないなかった部分であると感じた。
最後の章では、よりふじさんの頭の中を除いた気分になる。何人もの自分がいる感覚。客観的な視点があのわかりやすさを生み出しているのだろうか。
仕事でイラストでデータを使うことが多いためとても参考になった。 -
マオ的とヨナ的と言う表現が面白い。
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ヨリフジさんの本というだけでなんでも見境なく読んでしまいます。
これはいつものイラスト本でもエッセイでもない。
絵について、デザインについて、本の装丁について、学ぶところがいっぱいある。なるほど「一研究」。
ネタバレがないような感想文って難しい。
というかこれだと本の内容がわからない。つまりまた読みたくなるかもしれない。-
「見境なく読んでしまいます。」
私も、あの独特なスタイルに嵌って抜けられなくなりました。。。「見境なく読んでしまいます。」
私も、あの独特なスタイルに嵌って抜けられなくなりました。。。2013/08/22 -
本当に独特ですよね。ヨリフジさんで有名なのは「大人たばこ養成講座」の絵かな。
私は竹内久美子さんの「私が、答えます!」という生物エッセイの挿...本当に独特ですよね。ヨリフジさんで有名なのは「大人たばこ養成講座」の絵かな。
私は竹内久美子さんの「私が、答えます!」という生物エッセイの挿絵でハマりました。2013/08/23
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面白そうだなと思って2012年末に買っていて積読になっていた、寄藤文平さんの『絵と言葉の一研究』をそろそろ読み始めようと手に取ると、一気に読んでしまいました。
”挿絵をつけるというのは、そこで削られた言葉を絵で描き出すことだといえる。”
”複雑な話をわかりやすくするというのは、写真をモノクロコピーで白と黒とに分けてしまうような乱暴さを持っている。そうすればクッキリとした海の水平線が浮かび上がるだろう。そのかわり、その写真が持っていた本来の陰影は消えてしまう。”
”「わかりやすさ」を考えるというのは、「どうしたら人間は活き活きと考え続けることができるのか」を考えることなのだ。”
など、何となく考えていた(しかし、深くは考えていない)ことを言葉にしてもらった感じがしました。
「自分チャンネル」という遊びも面白い。 -
JTのマナー広告とか、電車のマナー広告?の方
最後の辺はだんだんこんがらがってきちゃった。
親友が社員で来たけどじぶんはばいとってなんか辛く感じちゃう
千利休の装丁パターンは03が好き
欠けてるのに読めちゃう17と線が増えただけで戸惑う18 -
▼デザインは、見る人の中に新しい視点を作り出す方法だといえる。いわば、見る人の中に新しいチャンネルを作り出す魔法なのである。でも、新しい視点が大量にあることは、本当に良いことだろうか。見る人の中に、たくさんの自分チャンネルを作り出して、入れ子を拡大しているだけではないだろうか。(pp.204-205)
いまの職場で私に与えられている仕事は「(ひとの)文章を読みやすく・わかりやすく」すること。文章と一緒に「絵」が入ることもあるが、絵解きになって、文章の理解を助けるならともかく、どっからどうやって見るねん!とツッコミたくなる「絵」もあって、「"理解を助けない"絵は要らない」と思っている。
でも、「絵を入れたら、わかりやすくなる」と思い込んでる人は多く、(こんな絵を入れたら、よけい頭が混乱するわ!!)と思うような絵が、文章の隣に入ってくることも多い。
「絵と言葉の一研究」というタイトルは、そんな仕事をしてる身として、そそられる。どうやってこの本にたどりついたかは忘れてしまったが、図書館にあったのをぱらぱらと読んでみた。
巻頭に「もともとは、デザイナーをやめようかと考えて、この本を作りはじめた」と書いてある。「ヨリフジさんのタッチ」ばかり求められて、自分はヨリフジタッチを作るマシーンか!と思ったことなんかも綴られている。データをどんなグラフで見せるかという仕事の話には、笑ってしまう案の数々。「絵」であらわすと、ほんまに「わかりやすく」なるのか?という話は、"理解をたすけない"絵を入れてくる人に、ちょっと読んでもらいたくなった。
本の真ん中あたりには、たくさんの「装丁」案が、どわーーーっと入っている。
▼この本[赤瀬川原平の『千利休 無言の前衛』(岩波新書)]は、学生時代に一番読んだ本だ。また、赤瀬川原平が描き出す千利休の世界は、装丁を考える上で貴重な視点を与えてくれる。(p.78)
あのみんな同じ装丁の岩波新書の表紙を、勝手に考える。たくさんの装丁案を眺めていると、一冊の本にも、ほんまにいろんな切り口があるんやなと思う。そして、「学生時代に一番読んだ本」というところにも興味をもった。(自分が学生時代に一番読んだ本は…と考える。)
▼僕にできそうなことは、つまらないと思われていることや、見逃されていることを面白く伝えることの他には見あたらなかった。
そして、現在に至る。(p.50)
(2023/8/16 読み中) -
コンテンツの良し悪しに関係なく、わかりやすい説明によって受け手に新しい視点を授けるデザインにはダークサイドもあるよって警告している。
そしてそのダークサイドを拡げるか、実用的な部分だけを抽出するかがp.168-169の「マオ的・ヨナ的」の話。