- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569545516
感想・レビュー・書評
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短編集
田園に住む人々の日常に起こるちょっとしたドラマを描いています
すごく盛り上がることはなく淡々と静かに流れていきます
終わり方も、続く日常に向き合っていくような前向きな気持ちを
感じさせます
静かで穏やかな読書をしたい方におすすめです詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
題名の通り、「イギリスの田園の小さな物語」が
9編収められている。
どれも、どこにでもいそうな人々の話だけれど、
それだけに、読んでいるうちに、なんだか勇気がわいてきて、
生きていくのも、そして歳をとるのもまんざら悪くないかも
という気持ちになってくる。 -
短編集です。どのお話も素晴らしいのですが、特にお気に入りのものを。
●追憶のアーミター
少女の「私」が不意に人生の真実に気がついたのは「アーミター」という美しい女性との、つかの間の出会いがきっかけでした。
裕福なイギリス人社会の中で「シーシー(インドとイギリスとのハーフのこと)」として冷ややかな拒絶を受けるアーミター。主人公は少女らしい素直な視線でアーミターの持つ豊かな内面やエキゾチックな美しさを見抜き、それを認めたがらない大人の世界こそ間違っていることに気がつきます。
アーミターが「お土産に」とくれた異国風の人形はペディキュアをした大人っぽいもので、主人公がもう子供ではなく、一人前の女性として自分の頭で物事を考えなくてはいけないということを象徴しているように思われました。
その後、アーミターの人生のはかない結末が静かに語られ、お話は幕を閉じます。
余韻に溢れる味わいある小品だと思います。