あかんべえ

著者 :
  • PHP研究所
3.83
  • (155)
  • (147)
  • (228)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 1030
感想 : 159
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569620770

作品紹介・あらすじ

ここに亡者がいるんです。見えないかもしれないけれど確かにいるんです。怖くて、面白くて、可愛くて…涙が込み上げてしまう感動のクライマックス!最高の時代サスペンス・ファンタジー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • そういえば、これも読んでいた。
    たしか、図書館で借りて読んだんだっけ。
    おもしろくて時を忘れて、読み終えたときは朝になっていたな~。

  • 約20年ぶりの再読。
    女の子が肩車をされて歩いていく。。って場面だけを強烈に覚えていた本作。
    興願寺の住職の時代、そして現代(時代物だけど)、人の業というのは全く変わってなくて、なんともいえないもの悲しさを感じるが、今も昔もそれに対し、きちんと正そう、解決しようって人がいて、世界は成り立っているのだなぁと。
    主人公おりんが子供ながらに、亡者の元之助、おりんと話し合いながら「人」を学んでいくさまが、いい。
    そして多恵母さんと絆を結びあえたのに一安心。
    亡者さんもみんな成仏できて、よかったよかった(^^)

  • 以前文庫版で読んでいるのですが
    もう一度読みたくなって。

    壮絶な罪や死の内容ががっつり入っているのに
    主人公が子供のせいなのか
    恐怖感が弛みがちです。良い意味で。
    狙ってバランスを取っているのかもしれませんが。

    色々と傷をかかえる主人公に近い登場人物達、
    深く掘り下げられない脇役も皆魅力的です。

    誰にどういう理由でおばけが見える、というルール?は
    なるほどと思いました。

    この本で一番心に刺さったというか
    印象に残ったのは
    ※この下からネタバレ含む

    「みほとけはずっとここにいた。
    そこにも、ここにも、おわしました。」
    「どうしてそれを、仏さまはお許しになるのだろう。」

    みほとけはいた。
    …いた、で終わり!?ま、ま、まじで!?
    まじです。いたと言い切られましたがそれで終了です。

    どうしてそれをお許しになるのだろうという疑問。
    これもこれだけで終わりです。ま、ま、まじでー!?

    仏さまの出番なしです。

    そのへんはフツーにスルーされて

    今を生きている人達が抱えていた過去を明かしたり
    これからどう生きていくかの話をしたり
    過去と向き合い前を向いて生きていく予感の終幕です。

    個人的には仏様を信じられないのに住職になった人の物語も少し読んでみたかったと思いました。
    「そんなことのために人殺しを…」と言われてしまいましたが
    この人の悲しみと絶望が分からない側からすると
    ほんとそれ、としか言いようが…。
    ただの悪役用キャラとして作られた感が可哀想…。

  • 気の向くままに書いておられる印象。

    そもそもお梅のあかんべえからしてやや釈然としないのであった。

    おりんの子供ゆえの傲慢さが描かれているのは良かったな。

  • 宮部みゆきだねって感じの小説。
    お初物語だっけ? あれに通じるものがあるけど、こっちの方がちょっと暗い感じかな。
    途中まで読んで、この調子で残りページ内で終わるの?と思ったけど、バタバタと終わってしまった。
    ふね屋のその後とかには全く触れてないのがちょっと消化不良。

  • 「ここに亡者がいるんです。見えないかもしれないけれど確かにいるんです。怖くて、面白くて、可愛くて…涙が込み上げてしまう。」
    内容は心温まる物語。
    主人公の少女とお化け達の心の交流は読んでいてなんだかほっとする。
    少女の優しさがお化けさんたち一人一人を包み込み、その心を溶かしていく様子がいい。
    お化けのひとり、お梅ちゃんの「あかんべえ」はとてもせつなく胸が痛む。

  • 深川の料理屋「ふね屋」に棲みついている亡者たち。
    見える人と見えない人がいるが、なぜか全ての亡者が見えてしまうおりん。
    彼らが棲みついているわけをさぐり、成仏させようとするが・・・。

    悟ってしまっているかのような亡者たちと、反対に生々しく、妄執につかれている生者。
    どちらが本当に恐ろしいのか。

    少しずつ明らかになる亡者たちのわけと、生者たちの秘密。
    単なる人情噺かと思っていましたが、謎がとけてゆくのが面白かったです。
    そしてやっぱり宮部作品。人間の心がとても痛い。。。
    だけど時代小説だったからかな。そこまでのダメージはありませんでした。
    なんとも切なく、爽やかな読後感でした。

  • 小学生の時に読んだ作品
    初めてこうゆう分厚くて不思議な本読んだ
    すごく面白かった
    最後ちょっと切ないけどよかった

  • 宮部みゆき 『あかんべえ』

    昔むかし、ある家族が新たに料理屋を開業した中古物件に出てくる幽霊とのやり取りの話。

    料理屋の娘には幽霊が見える様になり、幽霊たちを成仏させる為に奔走w

    最後は泣けるミステリー小説。

    宮部さんって有名じゃったのねw

    知らずに読んだら面白かったんで他のも読もうと思うが、長編が多く何時も断念(笑)

    2014年読破

  • おりんの両親が開いた料理屋「ふね屋」の宴席に、どこからともなく抜き身の刀が現れた。成仏できずに「ふね屋」にいるお化け・おどろ髪の仕業だった。しかし、客たちに見えたのは暴れる刀だけ。お化けの姿を見ることができたのは、おりん一人。騒動の噂は深川一帯を駆け巡る。しかし、これでは終わらなかった。お化けはおどろ髪だけではなかったのである。なぜ「ふね屋」には、もののけたちが集うのか。なぜおりんにはお化けが見えるのか。調べていくうちに、30年前の恐ろしい事件が浮かび上がり……。死霊を見てしまう人間の心の闇に鋭く迫りつつ、物語は感動のクライマックスへ。怖くて、面白くて、可愛い物語のラスト100ページは、涙なくして語れない。オーソドックスな時代小説を思わせる始まりだが、物語はミステリーに、ファンタジーへと変化する。ストーリー・テラー宮部みゆきが、その技を遺憾なく発揮した、最高の時代サスペンス・ファンタジー!

全159件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

宮部みゆきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×