生きる自信の心理学: コスモス・セラピー入門 (PHP新書 214)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569623801

作品紹介・あらすじ

落ち込み、劣等感、虚しさ、不安-。現代人の多くは、他人や社会の評価に振り回され、ネガティブな感情に支配されている。そんな時代に、揺るぎない自信を確立する特効薬はあるのか?本書では、人間性心理学(アドラー心理学や論理療法)、トランスパーソナル心理学、さらに、現代宇宙論や進化論を手がかりに、生きる意欲と自信を深める理論とワークショップを紹介。"私"と"大地・宇宙"のつながり感覚の回復が、自信喪失=ニヒリズムを超える哲学だと唱える。数々の教育現場で効果実証済みの心理学講座。

感想・レビュー・書評

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  • 「自信を持つ」って話が、後半は宇宙の話になってビックリだ。宗教と宗教的ってのは違うって事だろうか?内容についていけないのは自分が現代教育?に毒されてるせいだ。きっとそうだ、そうに違いない
    まぁ自分の根っこを意識するのは大事だよね。明治からそれでもがいてる気がする。夏目漱石とか

  • もう大学を卒業して十年以上過ぎますが、

    在学していた時に岡野先生の講義を受講していました。
    岡野先生の人柄に強く惹かれたのを覚えています。

    今も以前も、「生きる」ことに不安を抱えた若い人は少なくないですが、
    国際的調査を見ると、日本の若い人の自尊心の低さは、際だっています。

    「自分に自信がない」、「将来は明るくない」と答える生徒は、
    7割~8割程度と、先進国ではダントツに高い水準です。
    一番可能性を感じる時期なのに、その可能性を感じることができないのは、
    本人の問題というより、日本社会全体の問題です。

    岡野先生は、コスモロジーという概念で、あらゆることへの「つながり」を、
    強調しています。これが、生きる自信につながるということです。

    最初の授業でアンケート調査をやり、現時点での自分への自尊心を測定し、
    最終講の時に再度測定して、「どう変化したのか」を自分自身で感じることが、
    授業の目的でした。

    8割ぐらいの学生は、自分に自信が芽生えるようになったはずです。
    ただ、これは対処療法で、根本治療にはなりえない印象でした。
    それほど、若い人を取り巻く環境が深刻なのでしょう。

    今、日本を見渡せば、政治、経済、そして教育、全てが行き詰っています。
    良い方向に進んでいるという実感を得られる人は少ないでしょう。
    そういう状況の中で、自信を持って生きることは、非常に難しいことです。
    ただ、岡野先生のように、信念を持って、行動している人がいます。
    もしかしたら、これこそ、自信の根源かもしれません。
    岡野先生は、ほかに論理療法の専門書も書かれています。
    どれも、岡野先生の人柄を感じられるもので、手に取ってみることをおススメします。

  • 不平不満は自分を不幸にする 自分が存在していることは貴重なこと 自分を落ち込ませるようなものさしを、よく考えて取りかえることができる 自信とは、自己承認と他者承認がしっかりとバランスよくある状態である すべての命はつながっている

  • 自分は小さな宇宙であり、自身は宇宙に、生命につながっているのだということ。

  • 生きていることに対する不安や、漠然とした心配を抱えて生きている人は意外と多いのかもしれません。
    私には無縁の感情でしたが、逆にそういった不安を抱えている人が
    実はかなりいるのだという事実を知るいい機会となりました。
    中には実際に一人でやってみるにはどうすればいいのかという実践の方法が書かれています。
    自分のことが嫌い、自分に自信がない、そういった人になら
    必ず力になってくれる一冊なのではないでしょうか。

  • この本は、入門的なハウトゥーものかなと購入を少し迷ったが、読んでたいへん面白かっ た。現代日本の教育の根源的な問題について非常に大切なメッセージがこめられた本だ。

    前半は、「身体感覚をとり戻す」「自己能力感を確立する」「自己価値感を確立する」 「認め合う人間関係を作る」等の観点から、シンプルだがなるほどと感じさせるさまざまな ワークが紹介されている。

    後半は、現代科学の宇宙論の視点から、宇宙には自己進化、自己組織化に向かう方向性が あり、その方向性の中にその一部として人間も存在するというコスモロジーを提示する。

    近代科学の還元主義的な世界観を暗黙のうちに押し付ける現代日本の教育のあり方に対し、 自分の命の意味を納得できるような新たなコスモロジー教育の妥当なあり方を示したと言え よう。もちろん今、自信をもてない若者が読んで自分でワークをすれば自信が取り戻せるよう工夫 されて書かれており、むしろそのように読まれることを主眼としている。

    著者が大学生に以下三つの質問をすると、
    1)人間は死んだらどうなると思うか?⇒70~90%が、死んだら無になる、灰になると答える。
    2)自分がいちばん大切と思うか?⇒70~90%が、ハイと答える。
    3)自分に自信があるか?⇒70~90%が、ないと答える。

    つまり「自分がいちばん大事だ」と思っているが、「その自分は死んだら無になる」と思 っている。とうことは、自信をもちたいと思っても、その自分はやがて死んで無になるから 頼りにできない。これが現代の若者の自信のなさの一般的な構造だと著者はいう。

    死ねば無に帰するという考え方の背景にあるのは、学校教育の暗黙の前提となっている 「物質還元主義科学」、すべてのものは物質的な要素に還元して理解されるという世界像だ。 人間の生命も死ねば、ばらばらな原子に還元されて無となる。これが唯一正しい真理であるかのように教えこまれる。  

    「いちばん大事な自分も、死んで無になる」、つまり「最終的に意味がなくなる」、とい う究極の自信喪失=ニヒリズムが、現代日本人の心理の背後にあるというのが著者の推測であ る。

    この分析は、構造的に的確だと感じる。かなり確かな事実だと思う。問題は、しかしどう すればよいのかということだ。近代科学的な世界観に対抗できる世界観=コスモロジーをどこに求めればよいのか。たとえそれがあったとして、宗教的なものにアレルギーをもつ公教育の現場で、どう教えればいいのか。

    そこで著者が提示するのが、現代科学の最先端の成果をもちいて、ビッグバンから人類の 出現までの宇宙の進化を一貫した流れとして学習することである。そうすることで、コスモス・宇宙の進化は偶然の産物ではなく秩序と方向性がある、その方向性の中に私たちひとりひとりも生きていることを示すことだ。

    ワークとしては、宇宙進化の壮大なドラマをイメージ豊かに感じ取るなどの練習が行われ、著者は全体としてこれらをコスモ・セラピーと名づける。その成果にはめざましいものがあるようで、自信がないといっていた参加者たちの90%が自信が湧いて来たと答えるそうだ。

    これは、基本的ないくつかのワークを土台にし、「物質還元主義科学」の世界観をくつが えすような宇宙像を実感してもらうワークで、若者の心の中の構造的な自信喪失が克服される結果だろう。

    宇宙進化の背後にある大いなる意図のようなものを現代科学の成果をもとにした体系的な 宇宙進化論を通して感じ取ってもらうというのがこの試みだ。私などは、物質還元主義 世界観を超える世界観の提示としては、今ひとつ物足りない。たとえば「死後」というよう な問題には立ち入らないところなど。

    しかし、教育現場で宗教的なものに足を踏み込まずに、若者がニヒリズムを打ち破るため には、非常に有効な第一歩だと思った。

    現代日本の教育にとってもっとも欠けている面、それゆれに若者の心を蝕んでいる問題を 克服するために、多くの人が受け入れやすい重要なメッセージと素晴らしい方法を提示した本だと思う。

  • 著者である岡野先生(非常勤)の講義を受けています。600人ほど受講登録されて平均的な出席人数は400人ってとこでしょうか。そして僕はその中でもかなりやる気のある部類に入っていると自負しております(笑)まぁ僕以上に友達がえらく熱心で;なんと5名しか参加しなかった講義後の自然観察にも参加したぐらい。その講義内容はというと・・・戦後教育によって現代人にできた心の穴を埋めようと試み、現代科学と仏教・霊性を混在させた(どっかの新興宗教の類の発想に似てますが違いますよ。)宇宙観によってその解決をしていこうという講義内容です。まだ前期しか受けてないですが大事なところを挙げるとすれば『アインシュタイン以降の現代科学によれば万物は一つの宇宙エネルギーに還元できる。だから万物はみな等価なものであるのだ。どういうことかというと人間/動植物・地球/宇宙などの区切りは存在せず、万物は宇宙そのものだということ。もちろんあなたもわたしも、そして犬も猫も植物も空気もみんな同じ、我々は一つのものであったのだ。だから人間が特別、自分が特別ということは万物の理念にそぐわないものであり、だからエゴイズム・快楽主義・ニヒリズムなどの精神的な問題が発生するのだ。環境問題も人間のおごりである。我々は46億年の時をわたる宇宙の子孫であり、宇宙の流れの中に生きるのである。だから生きることはそれだけで美しい。』・・・という感じでしょうか、ちょっと不正確かもわかりません。まぁ読めばわかります。とても説得力のある講義で、言われたように考えてみればなるほど世界が違って見える。ただ授業内容ゆえに大学内でも宗教セミナーではないのかという批判が絶えないのだといいます。まぁたしかにきわどいところです。少なくとも自己啓発セミナーであることは疑いようもないかと・・・・、まぁそのへんは本人もそのつもりなのだということは本を読めばわかります。でも後期授業はもっと専門的なところをやるというのでここからより科学的になっていくのでしょう。楽しみです。

    ただここまで啓発的なことを言われると、どーしても突っついてやりたくなるのが性というもので(笑)岡野先生の行動・言動を逐一観察して口だけではないかを確かめてやろうと・・・・嫌なやつです(笑)とりあえず宗教みたいにだけはならないでほしいと祈るばかりです。余計なお世話でしょうが。

  • 宇宙から全ては始まり、全てはつながり、全てに意味がある。

  • 読了

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著者プロフィール

1947年生まれ。関東学院大学大学院神学研究科修了。現在、サングラハ心理学研究所主幹。唯識、トランスパーソナル心理学、ホリスティック教育・エコロジー・自然農法などの紹介に携わり、新しい思想潮流の創出に関わった。著書に「自我と無我」(PHP)「トランスパーソナル心理学」(青土社)など。

「2002年 『万物の理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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