- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569648453
感想・レビュー・書評
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鎌田先生自身が「役に立たないことを読者に読ませてはいけない、というのが私の変わらざるポリシーなのだ」と書いている通りの本だった。この本で、鎌田先生の本、5冊目だけれど、別の著作も引き続き読むつもり。それだけ、1冊1冊が丁寧に作られ、どれも示唆に富んでいる。すでに多くのアドバイアスを自分で試しているが、明らかに時間の使い方や生き方が変わってきた。ぴったり来る人にとっては、人生が変わるほどの出会いになると思う。
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理系的仕事術とあったので、ライフハック系かと思ったが、理系的文章のまとめ方の様な本であった。もう少し、挿絵など入れて理系的に可視化した方がいいと思った。
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平成25 年9 月12日読了。
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理系的と言っているが、実は理系、文系も関係はない。今のIT時代では文系でも効率よくPCを使いこなせてはいる。そのへだたりな考えは今や古い。
また、PCの効率よさで仕事効率化をあげているが、モバイルが主流の現代では、その効率化もやや古い。
残念ながら、著者の畑違いを感じてしまった。
但し、たびたび出てくる著名人の引用を活用していることもあって、内容が悪いということではない。 -
* 知的生産と知的消費を区別する.Outputがないものは知的消費
* どのような行動をしているときにも今していることが知的生産なのか知的消費なのか考える
- 勉強は壮大な無駄になりうる
* 不完全を許容する.やりかけであっても捨てる
* できるところから書きはじめる
* はじめからPCに向かわず,
- 1. 白紙に目的やアイデアなどをどんどん書き出し,線で関連するものをつなげる
- 2. 思いついたアイデアや本からの引用を文章化する
- 3. パソコンで書き出す
- この3つの作業に時間を割り振り,その時間内にやりきる
* 資料となる切り抜いた紙片はテーマごとにクリアフォルダーに入れておく
* バッファー時間を確保する.全体の持ち時間の2割程度
* ノートの取り方.テーマごとに使い分け,書き出しには必ず日付と時刻を入れ,テーマを一言で記す.キーワードを書いてもよい
* メモは作業が完了するまでずっと目立つ所に置く
* ルーズリーフは単発の講演会の筆記録に用いる.ノートとメモの中間
* インタビューは実際に会うまでに相手を知ることに時間と労力を費やす
* 頭がよく働くのに鉛筆もキーボードも差はない
* 解けない問題はさっさとやめてしまう.棚上げ法.
* これからの1時間はクリエイティブな時間にすると決める.そしてひたすら集中して考える.
- 1. 徹底的に考え抜く.
- 2. 量は質をもたらすので量もおろそかにしない.インプットも心がける.
- 3. 体を使いながら考える
* 体は頭よりもつねに賢い.体調を整えることが知的生産の要.
* ブレスト
- 書く場合は文章でなく,キーワード
- カオスをつくるようドンドン書きつける.
- 用紙全体を使いきるようにマッピング
- 与えられた時間内にアイデアをすべて出し切る
- 評価はせずにささやかなものでも言葉にして出し切る
- 相手の考えを否定しない
- 時間は必ず1回1時間
- メンバーには事前に資料を読んでおいてもらう
- いきなり本論に入る
- 45分の広げる議論のあと15分のまとめる議論を行う
* 世の中の仕事の8割はすでに存在する良質な内容を組み直して新しいレポートを作成することで通用する.純粋にオリジナルな仕事はまずほとんどないと言っていい.
* 世間が要求する大多数の仕事はオリジナリティを発揮する必要のないものだ.
* デカルトなどがたどり着いた大発見がオリジナル,それに対して過去の情報や知識を組み替えてほんの少しだけ新しい装いにしたものをクリエイティブと呼ぶ
* 情報検索の正しい方法は現在の目的に絞って情報を集めること.やみくもに集めてはいけない
* 情報収集のさなかでは当面の目的以外の内容を読んだり,横道にそれるようなことは極力避ける.思考のメモリーを食っていしまうのが害になる.ネットサーフィンは一番横道にそれやすい.
* もし情報を探しているときに別の興味深い記事があれば,本文を読まずにクリアフォルダーに放り込んでおき,その関連記事がある程度たまったら初めて目を通す.のちにそのフォルダーについて調べる機会がなければ全然読まれない.
* 講演会でも学会でも漫然と聞かない.必要な情報だけに集中する.ちょっと空いている時間に別の話を聞きに行って頭を飽和させない.虫食い状態に時間が空いていてもよい.
* 本を最後まで読み切ったり英語を最後まで見るのも全然えらくない.最後まで読みとおしていては一生があっというまに過ぎてしまう.
* クリエイティビティをめざして膨大な量のコピーペーストをしていると先人達が書いていないところに大事な点が隠れていることに気づくことがある.重要なテーマなのに穴がある,そこがオリジナルな仕事の芽である.オリジナルな隙間である.
* 書くときにはまず3部構成にし,次に各部に3章をたて,それぞれ3つの節をたて,合計27節とする.各説に一言メッセージをつける.
* 27節の内容に対して集めた資料とデータの分類をおこなう.
* 書き出しは一番優しいとこ,一番入りやすいところから入っていく
* 誰かと(もしくは頭の中でシュミレーションで)話しながら27節のアウトラインを作るとやりやすい
* 自分が本当にそのことを分かっているかは人に話してみればよい.
* ブロックごとに区切って精査
* 序破急のバランスをチェック
* パラグラフの生成
* 全文をプリントアウトし,広げて読み返す
* 引用の正確な書き込みは最後にする
* 書いた文章を人に読んでもらう
* 語尾に変化をつける.
- である,なのだ,と思う,ではないか,といってもよい,したい,とはいえ,である.
* 類語辞典を使う
* 息継ぎができるのは良い文章. -
実用向けの理系型仕事対処法。比較的薄いので読みやすいです。
この本のテーマは一言で言うと「いかに楽をするか、効率よく結果を出すか」です。内容を読むと「なるほど確かにいかに手を抜くかだなぁ」と思いました。私は学問上は理系の人間ですが、個人的に性質では文系に近いと思っています。そんな中途半端な位置に居る私にはこの本の言わんとしていることが良くわかりました。
この筆者は出来る範囲の楽をする仕方を提唱しています。例えば現在いろんな仕事術や整理整頓術の本が出ています。私は比較的それらを読むことも多いのですが、そこに出てくる技は「これはさすがに個人差や性質の問題が出るだろう」と思う凄い技がそこそこ出てきました(主観ですが)。
しかし、この筆者の提唱するやり方は比較的簡単なもので、少しはどこかで聞いた事があるものや実際皆さんも自然とやっているのもがあると思います。その意味では他の凄技整頓術と比べると身近に感じるので、納得できながら読むことも出来るかと思います。
個人的に納得度が高かったのは「完璧主義をすてること」です。理系では結構文を書くことも多いのでいちいち完璧に物事をやろうとすると無駄に時間を食ってしまいます。だから完璧は捨てる!なぜならようは条件を満たす結果を出せばいいんですから。いかに効率よくやるかです。これは非常に納得でき、私もこつこつと完璧主義は捨ててます。 -
「知的生産の早道は不完全に」「知的消費でなく知的生産を」「オリジナルな仕事をしなければならないというのは強迫観念。」色々心に響くフレーズでした。面白かったです