日本人の品格: 新渡戸稲造の「武士道」に学ぶ (PHP文庫 み 33-2)
- PHP研究所 (2006年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569666426
感想・レビュー・書評
-
新渡戸稲造の「武士道」を小説や映画、ドラマなどを参照にしながら「武士道は日本民族の文化遺産である」ことを解説している。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岬龍一郎著。
新渡戸稲造の『武士道』を翻訳している人です。
1946年生まれ、早稲田大学卒、情報会社・出版社の役員を歴任。
退職後、著述業の傍ら、人材育成のために「人間経営塾」を全国13ヶ所で主宰。
というようなことをやっていらっしゃる方。
新渡戸稲造や内村鑑三など、江戸から明治にかけて
日本人が持っていた精神を明治時代に著した著者の本に、
「人は、日本人は、いかにあるべきか」ということを求め、現代において普及している。
本書も、同様。
本書は、特に新渡戸の『武士道』の解説本という位置付けに近い。
『武士道』のエッセンスをかいつまんで、分かりやすく、現代との対比などを交えて説明している。
個人的には、新渡戸の『武士道』を先に読んでいたので、
この本から読み取ったことはそれほど多くはなかった。
『武士道』はやや難解なので、読みづらい人にはこの本は読みやすいものと思われます。
個人的には、次の社会モデルを考えていく上で、非常に示唆に富む考え方であり、本であると思います。『武士道』も含めて。
ちなみに本書は1995年刊行のものを加筆・修正されて、
初版2006年6月。252ページ。 -
この本の凄いところは、仏教や神道だけでなく、儒教との比較から武士道を論じていたり、勝海舟と福沢諭吉の確執の中から、やせ我慢の説の利点だけでなく欠点をも指摘し、しかし両者の生き方にはそれぞれの素晴らしさがあるという、いずれかに偏らない、新しい評価している点であろう。