岩崎弥太郎 (PHP文庫 た 37-7 大きな字)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569673578

感想・レビュー・書評

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  • 作者の著作は初めてになるが、歴史小説を数多く手がけている人らしい。昭和10年生まれだから、書き下ろしの本書出版時点で74歳だろうか。かなりのベテランである。刊行時期のタイミングから、NHK大河ドラマ『龍馬伝』に合わせたものだろう。作風は奇をてらったところもなく、弥太郎の出生から死去まで、史実に沿って小説化している。副題は「国家の有事に際して、私利を顧みず」。弥太郎の言葉だ。彼については三菱財閥の創業者であることくらいしか知らなかったが、その人生は波乱に満ちて面白い。

    幕末史と彼の人生がリンクしており、あまたの幕末の英傑が登場する。決して劇的な筆致ではなく、淡々と史実を追っているので歴史の勉強にもなる。勉強嫌いから学問好きになり、漢詩に才能を発揮する。吉田東洋の弟子になり、後藤象二郎との知己を得て、そこから土佐藩の商務組織・開成館の運営をまかされ、商才を発揮するようになる。"政商"と影で言われもしたが、海運は新国家の大事業と信じて邁進した過程で政府の信頼を得たというのが実際のところなのだろう。旧社会の身分や門地にこだわらず人材を登用し、我が国の経済の礎を築いた男の人生には触発されるものがある。

  • 三菱グループの創始者、岩崎弥太郎を扱った小説。彼の生い立ちから、幕末・明治維新前後の活躍、そして西南の役に至る三菱の基礎を築くまでの道のりを描く。割とあっさりとした筆の運びで、同じ土佐・幕末の有名人、坂本龍馬との絡みも必要最小限といった感じ。そのほか様々な交友関係、そして三菱創業後の苦労の描き方も淡々としたもの。死ぬ間際まで苦闘した共同運輸との競争には触れず。
    本書で基本的な流れや人間関係を頭に入れた後は、ほかにいろいろと読み深めてもよいかと思う。

  •  岩崎弥太郎は、欧米の商売の方法など新しいことを取り入れ企業成長へと導いた。無論そこには独裁経営という体質のもとでの運営という力もあった。この独裁経営でも会社を大きくしていく力は、経営センスの持ち主だという現れが確実にある。そして、ハングリーさや屈辱が岩崎弥太郎を強い人間へとした。

  • 伝記にありがち?な、主人公を盲目的に持ち上げる書き方。クサい部分も見せないと、人間としての魅力は感じられないのに。
    大人になると絵に描いたようなサクセスストーリーは受け入れづらいもんだ。いや、子供にもじゃないか?笑

  • 初版/2010.2.28 購入

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著者プロフィール

作家

「2017年 『西郷隆盛と大久保利通 破壊と創造の両雄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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