太原雪斎と今川義元 (PHP文庫 え 8-3 大きな字)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569674414

感想・レビュー・書評

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  • 物語は太原雪斎を中心に進み徐々に雪斎の薫陶を受けた義元が自立していくが驕りも見え隠れし桶狭間を迎える。今川仮名目録、花蔵の乱、三国同盟と戦国期の今川家が良くわかる内容でした。

  • 義元ってゆうか雪斎が主役の小説。でも文章が読みやすく、わかりやすくまとめてあってさくさく読めました。
    山本勘助が従兄弟とか面白かったです。
    お母さんがすごいなーと思いました。あと信玄、あなたがそれを言いますか(笑)
    残念なのは、好きな氏真についてはほとんど触れられなかった事。むしろ人質の竹千代の描写が多く、あんなに立派になったのは雪斎のおかげみたいに書かれていました。たしかにそうかもしれないけれど、肝心な今川家の跡取りの教育は!?と(笑)
    最後はあっけなく(指を噛み切る描写とかほしかった!)、義元の活躍も内政以外ではよく伝わらなかった感じでしたが、面白かったです。

  • タイトルが「今川義元と太原雪斎」ではなくその逆となっているが、それは基本的に雪斎視点での書き方になっているという点に表れている。

    やはり、三国同盟の締結(それに至る武田、北条との立ちまわり)や、今川氏の商業振興のきっかけを作った点等、太原雪斎の大局的な視点を高く評価していていることが強いと思う。

    ただ、今川義元に対しても公平な評価が下されており、今川仮名目録の追加を独力で行った点を評価している。

    雪斎と勘助が元々知り合いで書状でやり取りしていたこと、武田や北条が雪斎を評価していたこと、桶狭間でやられる直前に義元が良真の亡霊を見たこと、桶狭間が奇襲ではなく信長の謀略であったこと等、どれが定説でどれが著者の推測なのかわかりかねることはあったが、話の流れとしては読みやすかったので、それはそれで良いと思う。

    この本を読んだ上での読後感としては、やはり義元が信長にやられたのは時代の流れだったのかなーという点だ。足利、吉良、それらに次いで今川が将軍家の候補だという発想、そういった古い考え方を持った、古い考えの下での優秀な大名であったがゆえに、新しい考えを持った信長にあっさりやられてしまったのかな、と。

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著者プロフィール

小説家。著書『白磁の人』『一葉の雲』『凍てる指』など多数。

「2018年 『満州ラプソディ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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