利休にたずねよ (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569675466

感想・レビュー・書評

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  • 利休切腹の日から、過去へ遡っていくことで紐解かれる謎。ゆるゆると解けていく様が心地よい本でした。

    人の欲とは醜く、かくもこんなに美しい。
    欲があってこそ、利休は美を極められたのだろう。

  • 利休の激しさ、執着の強さに凄みを感じます。

  • この時間的構造でなくても十分に面白かったと思うけど、先を読みたいという気持ちを保ち続ける面白さでした。

  • プロットの大勝利!

  • 利休を通して茶の湯の美しさと厳しさの一片を見たような気がしました。その美の深さ。美しい日本の言葉とともに味わいながら読むことができました。

  • 利休の「美」に対する執念はどこからくるのか…。
    利休が自害する日から時を遡りながらじりじりと利休の情熱の本質へ迫るストーリーの展開。
    大変読みやすく、茶道の深さを勉強できるとともに楽しめるものだった。

    利休の茶というと「わび・さび」のような「静」のイメージ。
    けれどもその背景には強い情熱・「動」があったのでは、という著者の利休観はとても面白く、読んでいくうちに納得させられた。

    個人的には、秀吉と利休の関係性も興味深い。
    両者とも美に対する高い意識と素質を持ち合わせている点で共通しているのにも関わらず、なぜ利休の死という結末に至ってしまったのだろう。
    「美をむさぼる執着が毒となる」ということなのか…。
    二人の関係性も含め、映画ではどう実写化されるのかが楽しみ。

  • 『火天の城』の山本兼一さんの直木賞受賞作。秀吉に重用されながら最期は切腹を命じられた千利休の生涯が、切腹のその日から順に時を遡りながら描かれています。計算し尽くされているからこそストレスなくすーっと読めるはずなのにその名残や気配さえ感じさせない緻密な計算に脱帽。茶の湯の名物道具の描写も人物の心のありようの書き込みも見事。大変面白かったです。

  • 利休の美意識について知りたくて読んだ。
    章ごとに、利休が関わった人物や利休本人が語ることで、歴史背景や、茶の湯のことを知ることができる。
    視覚的な描写や、人物の内面の描写が素晴らしく、その場面が鮮やかに想像できた。
    茶道は総合芸術と言われているが、侘び寂び、不完全なものの美、それの何が美しいか、日本の美意識について興味がわいた。

  • 利休はなぜ暗く狭い茶室にこだわったのか。利休の侘茶に顕れる艶はどこから生まれるのか。そして人知れず愛用する緑釉の香合の由来とは。
    読み進めるうちにも現れくる多くの謎の答えを、利休の人生を遡るように辿っていく構成で、タイトルに成程と思わされる。元をたどれば1人の女に行き着くというのがなかなかロマンチックだ。
    美の判定者として君臨しつつ、ときに人々のあらぬ好奇心を誘った利休のいろいろな執着が、1つの思い出の中に収斂していくところが興味深かった。作中人物各々の利休に対する評がまたエピソードを引き立てていて良かった。

  • 構成が秀逸。
    読み進めていくことで、パズルのピースが埋まるように利休の死の謎に近づくことが出来る。
    また、茶室や風景の描写が見事で、容易に当時の様子を伺える。ぜひ1度茶室を見てから本作を読んで欲しい。
    人物は歴史上の人物なので、自分の解釈と異なる場合は、苛立つこともあるかと思うが、自分は人物描写に対して思うところはなく、むしろ作者の像に寄せられてしまうくらいのパワーがあった。
    面白かったです。

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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