- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569676739
作品紹介・あらすじ
形而上学、実存主義、弁証法…哲学の用語って、なんでこんなに難しいの。普通の簡単な言葉に置き換えてくれればいいのに…そう思ったことはありませんか?本書では、元サラリーマン・市役所職員という異色のキャリアを持つ"庶民派"哲学者が、重要度の高い用語だけを厳選&超訳。「そういうことだったのか!」と目からウロコが落ち、「哲学=難解」が「哲学=面白い!」に変わる一冊。
感想・レビュー・書評
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読了。
入社した頃、同じ寮に住んでいた1コ上の先輩。突き抜けて明るく、ユーモアに満ちた優しい人だった。その先輩が会社を辞めると聞いたとき、すごく残念に思ったのを覚えている。でも、あれだけ明るくバイタリティに満ちた人だったら、きっと何をやっても成功するに違いない、と哀しみながらも羨望の目でみていたのを思い出す。それから20数年が経って、テレビに映る小川さんを見たとき、「やはり世に出る人だったんだ!」という喜びと、「なんで哲学者?」という二つの気持ちが交錯した。
のちに、小川さんが会社を辞めてから大変な苦労されたこと、そしてその苦労を経て哲学に辿り着いた経緯を知った。
小川さんはたくさんの本を書かれているが、どれも難しい哲学の概念を、びっくりするほど平易な言葉で易しく説明してくれる。易しく、そして優しい文章の中に、自分と同じように哲学に救われる人を一人でも多く、という熱意と愛情を感じる。やはりあの明るくて、バイタリティに満ちて、面白くて、優しい小川さんだ。
私はこの歳になって、知識があっても知性が無ければ、人を動かす言葉を紡ぐのは難しい、ということを痛感している。
本当に自分のことを理解してもらい、相手のことを理解する為に必要なツールは、思想であり、それは言い替えれば哲学なのだと思う。
そんな風に思う今だからこそ、こんな形で、かつて大好きだった先輩に再会できたことを心から嬉しく思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりやすい。何となく知っている言葉でも説明できないことが特に多い哲学用語がまとめられているので、読み物としておもしろく読める。日常生活で触れる機会は少ないので、辞典としてまでは使わないだろう。特に、第一章の頻出用語は意味を読んでスッキリしたもの多数。ただ、他の章の用語は難しかった。カタカナ用語の章なんて、次のページに進んだ瞬間に忘れてしまいそうな用語ばかり。それもあり、用例があるのは有り難かった。本書を機に、哲学用語を日常会話にも取り入れてみるとおもしろそうだと思った。「いったんエポケーしなさい!」みたいな。
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この本の一番のウリは書いてある用語を日常の会話で使ってみたい!って思わせるところかなとwこの本の一番のウリは書いてある用語を日常の会話で使ってみたい!って思わせるところかなとw2012/10/11
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哲学は憧れの学問。また、文芸批評なんかを読んでると哲学の用語(っぽいもの)が出てくることがあって難儀することがある。意味がとりづらい時は適当に流して読むが、やはりぼんやりとでも大意をつかんでおきたい、ということでこれが目に入った。
著者の小川さんはサラリーマンや市役所職員を経て、哲学をやっている人らしい。なかなか面白い経歴である。『ヘーゲルを総理大臣に!』というややライトノベルっぽい表紙の本を見たことがあるが、同じ著者らしい。こういう感じの表紙の本最近多いな…
シニフィアンとシニフィエがすぐどっちがどっちかわからなくなるレベルの私からしたらありがたい本。『イデーン』か『純粋理性批判』をそのうち読みたいのだけれど、準備運動ぐらいにはなったか? 断定調のところは適度に話半分で読むのがコツか。やっぱり哲学書そのものにあたらないとね。
「間主観性」の説明にフッサールがフットサルをするおっさんギャグみたいな絵が入っているのだが、なんでだ。でも案外こんな絵が頭から離れずに記憶として定着してしまうので怖い。 -
哲学は、好きな方ですが、言葉が苦手です。
すぐにはピンとこないような難しい専門用語の羅列に、門前払いされているような気になって、知りたいという気持ちが折れてしまいます。
哲学という言葉自体が、すでに難しいですし。
と思っていたところに出会った本。
著者も同じように、哲学用語の難解さに敬遠して、遠回りして哲学を習得したという経歴の持ち主だそうです。
その苦い思いをバネに、理解しやすい、すっと頭に入りやすい哲学用語にまとめてみたというのが本書になっています。
さっそく読んでみました。
かなりざっくりした切り口ですが、確かに(へえ、そうか、なるほど)とうなずけるわかりやすい表現に代わっています。
「ポストモダン」とは近代を批判的にとらえる現代思想だ、とか、「パラダイム」はお手本となる型だとか。
「パラダイスシフト」は時代の常識や前提が大きく変わることだそうです。
「レッセフェール」が経済を市場に任せる立場というのは、具体的。
どうにも理解が難しくて持て余していた「弁証法」は第三の道を創造する方法、「帰納」は個別の事例から一般法則を導く思考法で「演繹」は一般法則から個別の答えを導く思考法だと書かれると、(たしかに・・・)と納得できます。
言葉の新定義に合わせて、用例も掲載されています。
わかりやすいものもありますが、「えっ?」と首をかしげる謎の表現になっていることもしばしば。
使うことで逆にわかりづらくなってしまうものも多々ありました。御愛嬌でしょうか。
たとえば「アウフヘーベン(止揚)」は矛盾を解決すること、という定義のもと、用例としては「意見がぶつかったときは、どうしてそれらをアウフヘーベンするか考えればいい。」「世の中に存在する技術の多くはアウフヘーベンの結果。エコカーは自動車と環境問題という矛盾を解決した結果生まれたもの。」と紹介されていました。
会話での共通認識を導き出すのは、今段階での哲学用語ではまだまだ難しそうです。
「アタラクシア」がエピクロス派の説く心の平安で、「アパテイア」がストア派の理想境地だ、という区分けは、はっきりとしてわかりやすかったです。
これまた苦手な言葉だった「形而上学」は、自然の原理を度外視して考える学問ととらえるのがよいそうです。
メタフィジカとは自然学(フィジカ)の後(メタ)のもの。超自然的原理に基づいて自然を分析しようとする、超自然な思考を求めるものであり、すなわち役に立たないものの代名詞にもなっているそうです。
「形而上」とは精神的なもので、「形而下」とは物質的なものを指すということも知りました。
哲学からは話がそれますが、フランスでは蝶も蛾もパピヨンと呼び、つまりフランス人にとって蛾は存在しないのだ、という認識にははっとさせられました。
言葉の持つイメージと存在感の重さに気付かされた気持ちです。
時にかなりの強引さも感じましたが、曖昧模糊とした旧態依然の哲学用語に、明解な表現による思いきったメスを入れた、斬新な用語集となっており、最後まで飽きることなくおもしろく読めました。 -
わかりやすいようなわかりにくいような。試みは良いがどうせ超訳ならもっと噛み砕いても良かった。
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231124-3-1
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p.2023/6/15
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蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか
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【由来】
・honto
【期待したもの】
・電子版で辞書的な使い方ができる手頃な価格のものであれば
※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】