とんでもなく面白い『古事記』 (PHP文庫)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569678498

作品紹介・あらすじ

日本の起源を記す最古の歴史書『古事記』。難しそうに思えかもしれないが、その内容は冒険と色気にあふれた一大スペクタクルだ。本書は、そんな『古事記』を、この上なく平易で明るい解説とツッコミ満載で紹介する。「稲羽のシロウサギ」「海幸彦と山幸彦」など、知っているようで知らないエピソードもばっちり収録。

感想・レビュー・書評

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  • 古事記と日本書紀の関係性と違いすら知らないまま読み進むと、奇想天外な物語が織り成されている古代の読み物に興味を抱かせる。
    略奪愛や近親相姦、残酷な勢力争いが凄い。どこまでが神話て何処からが事実なのかが曖昧なところが天皇家を神格化する技法なのだろうか。神格化するにしても人の常識を逸脱するエピソードが挿入された物語が天皇家を崇拝出来ないことにはなりはしないか、と疑問に感じる。
    アマテラス、イザナギイザナミ、ヤマタノオロチ、スサノオ、海彦山彦、稲葉の白ウサギ、三種の神器なども登場する興味深い読み物に興味が湧き、古事記を読み解く同様の本を違う視点からも読みたくなった。
    令和即位の儀で三種の神器を王位継承のため用いたとニュースで紹介していたが、ヤマタノオロチの体内から取り出しただの、壇ノ浦の戦いで消失したが浜ヘマに打ち上げられただのという逸品にも興味をそそられる。

  • NDC分類 164.1
    「日本の起源を記す最古の歴史書『古事記』。難しそうに思えかもしれないが、その内容は冒険と色気にあふれた一大スペクタクルだ。本書は、そんな『古事記』を、この上なく平易で明るい解説とツッコミ満載で紹介する。「稲羽のシロウサギ」「海幸彦と山幸彦」など、知っているようで知らないエピソードもばっちり収録。」

    目次
    第1章 日本誕生と神々の物語(イザナキとイザナミ;天の岩屋とヤマタノヲロチ ほか)
    第2章 英雄たちの伝説(神武東征;欠史八代と神のたたり ほか)
    第3章 愛と皇位をめぐる人間ドラマ(仁徳天皇の良政と跡目争い;兄妹恋愛と天皇暗殺事件 ほか)
    第4章 知っとこ!『古事記』(『古事記』のこだわり、ラッキーナンバーは三五七;『古事記』の世界は、垂直方向に広がる三層構造 ほか)

    著者等紹介
    斎藤英喜[サイトウヒデキ]
    1955年生まれ。日本大学大学院博士課程満期退学、佛教大学歴史学部教授。神話・伝承学を専攻するいっぽうで、国文学、歴史学、民俗学、スピリチュアリズムなどの分野との交流のなかから、独自の研究テーマを追求している

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 最高に面白く古事記を書いていた。興味の尽きない文書だった。

  • 下巻の仁徳天皇以降のエピソードもしっかり書かれている!入門書は神話ばっかりだから、下巻も面白いじゃん!と気付けたので良かった!

  • ざっくりと古事記がわかる.

  • 確か10年くらい前に、岩波文庫の『古事記』と、角川ソフィア文庫の現代語訳つきの『古事記』をひと通り併読したことがあった。

    しかし神々の名前が次から次へと大量に出てくるため、イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオといった有名な神以外はとうてい覚えていられないし、内容理解もはたしてどこまでできていたか……。

    でもそれが、この本で思い出せただけでなく、プラスアルファの知識も得られて整理できた。
    しかもおもしろかった。

    稗田阿礼と太安万侶のかわいらしい漫画とコラムで背景知識はバッチリだし、場所が地図で示されていてわかりやすいし、アニメっぽいイラストで神々を立体的にイメージしやすいし、『古事記』には載っていない『日本書紀』情報まで補完されてるし。
    『古事記』そのものを読んだだけではここまでは知り得ない。

    とにかく日本のルーツがたくさんある。
    「これはここから来てたのか」と、目からウロコがポロポロ。
    映画『もののけ姫』との関連も興味深い。

    「神話」から「日本史」へとだんだんシフトしていくのだが、どのあたりが史実なのか、はなはだ疑わしい。
    でも、これぞ、歴史のロマン。

    「大化の改新」とか「壬申の乱」とか、日本史のはじめの方に出てくるキーワードだけど、『古事記』よりもだいぶ後のことなので、ごく最近起こったことのように錯覚してしまいそう。

    数年前にどっかのコンビニでふと目について、おもしろそうだと衝動買いしたこの本、買って良かったし読んで良かった。

    『古事記』を読んでみたい人がいたら、まずはこの本をお勧めしたい。

  • 2019年GW、時代は平成から令和へ。天皇は退位と即位という日本の歴史的イベントの最中、テレビが無く、ネットの回線も低い地方の施設で、ツイッターに流れる情報に、皇居で逮捕者が出ているという… どうやら退位と即位のその切り替わる瞬間にスサノヲが攻めて来るのを警告しに来たとか… 正直、天皇とか日本の神話とかこれまで全く興味が無かったのに、このどうでも良いようなニュースに、三種の神器?とかちょっと興味が出てしまった。
    ただ、興味が湧いてもwikiとかを流し読みしても何がよくわからんなぁ〜 と思っていたところに、古事記に記されてるらしいという所まで辿り着き、この本に巡り合う。

    古事記って、なんだか読みにくそうという印象だったが、この本は冒頭に漫画を配置して、奈良時代に天武天皇が、稗田阿礼に「帝紀」と「旧辞」を覚えさせ、それを太安万侶が古事記として表したものという導入があって入りやすい。

    この本は、原典を現代文にしたわけでは無く、内容をガイドしてくれる構成で、非常に読みやすい。聞いたことがあるヤマタノオロチや因幡の白兎のほか、他国の神話との相似性にも言及があって、古事記にのめり込み過ぎない適度な息抜きがある。

    とは言っても古事記の中身はぶっ飛んでいて、イザナキとイザナミの兄妹が国作りをして、子供も作るし、なぜかイザナキから、アマテラス、ツクヨミ、スサノヲが産まれたり…暴れたスサノヲに怒って岩屋に閉じこもったアマテラスを外に誘き出して、鏡見せてその間に岩屋に縄を張って戻れ無くした物が、〆縄として神社に飾られるとか、今まで気にしたこともなかった話が知れてよかった。天皇家の始祖はニニギで、アマテラスから三種の神器として、八尺の勾玉(やさかのまがたま)、八咫の鏡(やたのかがみ)、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)を授かったという… ストーリー全体は、その思想において論理的な精査を受けて洗練されているとは思えないめちゃくちゃっぷりを感じるが、古典そのままというのも味があると捉えるべきか。

    退位と即位の時にスサノヲが云々を警告しに来て捕まった人の話は何だったのかは、解けていないが、今後のお楽しみにとっておこう。

    佐藤優氏が、「古典は内在的論理に、神話は潜在意識に刷り込まれる」と言っていたが、一読しておいて良かった⁈


  • 平易で取っつきやすい内容でした。二次資料、三次資料に当たりますが、素人の教養としては十分な内容と感じました。

  • とっつきやすくて面白かった。学生の時に見たかったな〜。こういうのを教材にしたら学校の授業も面白くなるだろうにな・・・。というわけで中二の息子に勧めたら喜んで読んでます。出雲と伊勢行くのが楽しみだな〜。

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