- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569695402
作品紹介・あらすじ
なぜ紫式部は『源氏物語』をあれほどの長編にしながら、光源氏の死にもふれず突然幕を下ろしたのか?なぜ清少納言は物語全盛の時代に、ノンフィクション文学『枕草子』を書き上げたのか?真の意図を見えにくくするために幾重にも張りめぐらされた隠蔽工作。その裏には、共通の敵である権力者・藤原道長への恨みがあった!主人を奈落の底に落とされた哀しみ。横暴な男性社会への呪い。二人の才媛は、いかにして想いを昇華させたのか。これまで数多くの作家・研究者が挑んできた平安二大傑作の謎に迫る。
感想・レビュー・書評
-
『光る君へ』の影響で、この時代の本を読みまくっています。
「書かない美学」かぁ。
それ故、『源氏物語』は難しいのか…。
現代語訳読んでても気づいたら、場面が変わってて読みにくい。
『枕草子』も定子の不遇なことは書いていないんですよね。
読みとる力。
当時の状況。
想像力が試されますね。
私は『かかやく日の宮』好きだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『源氏物語』と『枕草子』が書かれた背景がよくわかりました。
もちろん、著者の類推に過ぎないところも多々あると思うのですが、知らなかった部分をたくさん知ることができ、とても勉強になりました。
とくに『枕草子』については、もっと軽い印象があっただけに、意外な背景に、自分の無知さが恥ずかしくなりました。
高校時代、古文の授業で、『源氏物語』と『枕草子』について習いましたが、この本を読む限りでは、表面的で浅い扱いだったことを改めて感じました。
と同時に、高校時代には、この本に書かれているようなことも含めて学びたかった、と強く思いました。 -
「謎解き平安ミステリー」という副題の通り、平安王朝の二大文学作品の謎を追う。
よくもこれだけポンポンとネタが思いつくなーと感心。(プロフェッショナルに失礼?)
論旨の展開も、藤原道長の圧倒的権力に対する畏怖という軸で一貫しており、とても読みやすかった。 -
とにかく売りは読みやすいこと。
内容としても非常に興味深いんですがなんかたまに妄想入っちゃうのが笑えました。 -
読み手である権力者や周囲の人々に、いかに気を使いながら書いたのか、という話
-
個人的には、作品/作者という考え方をせずに、テクストはテクストとして読む人なのですが……。
このように、作者の執筆動機という点から読み進めるのも、それなりに面白いと思います。
紫式部や清少納言とかいう人に対する見方が変わるかも。