- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569704333
作品紹介・あらすじ
在庫管理、価格決定、マーケティングなど、私たちはあらゆるビジネスシーンで「昨日の結果から明日を読む」ことが求められる。カンや経験で予測を行なってきた多くの企業を尻目に、セブン-イレブン・ジャパン、トヨタ、花王は微分・積分を活用することで大成功をおさめた。“ビセキ”こそは、世界中の天才たちの努力によって生み出された、最も確実に明日を読む方法なのだ。最大値、最小値、確率、微分係数(=限界利益、あるものが1単位増えると、それに伴って増える利益)などを算出すれば、誰にも非難されない合理的判断を行うことができる。▼しかもその概念は極めて単純、誰にでも理解できる。本書には数式はほとんど出て来ない。▼ややこしい計算は、すべてパソコンがやってくれる。数式をおぼえるよりも、「微分・積分思考法」を身につけることが肝心なのだ。数字に強い「できる人」、堅実な経営者となるためには、本書の内容を理解しておきたい。
感想・レビュー・書評
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第1章で、微分を「伸び」、積分を「面積」をあらわす物とざっくり説明する。
そして、
第2章でCVP分析
第3章で正規分布
第4章でプロダクト・ライフサイクル仮説と最小二乗法、ABC分析
第5章で価値工学(Value Engineering)
第6章で経済的発注量(EOQ)
という手法に対して「ビセキ」という横串を通して行く。
一通り上記の手法を知っている人間だと、「なるほどビセキの考え方はこんなところにも!」という発見があるので楽しく読める。
が、個人的にはオペレーションズ・リサーチや経営工学、統計学の書籍を買ってそれぞれの手法を個別に学ぶほうが理解が進むのではないかな、とも思う。
また、欠点として挙げられるのは著者が上記のような手法を「理系的」思考法と称して無批判に褒め上げている点だ。確かにマーケティングの現場では大規模データを駆使して実績を挙げているところもあると思うが、マーケティングをサイエンスとして考えることを疑問視し、なかなか強力な批判を展開している学者もいる(ex.石井淳蔵氏)。
新書としてそれを求めるのは酷かも知れないが、若干偏った見方であると感じたことは否めない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
比較的わかりやすい内容だと思います。
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本書のタイトルの「経営を語るな」の「経営」について
経営分析(財務諸表や貸借対照表の話)かと思って読み始めたのですが、
経営戦略(販売戦略や在庫管理)の話でした。
コンセプトは『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』に似ています。
要するに、ある程度、概算値や予測値が入っても良いから、数値化する。それをもとに式をつくり、エクセルに計算させて、何故この選択をするのか、を理論的に語れるようにする、という内容。
微分・積分はあまり関係ないです。が、内容は有益で面白い。 -
会社で取り扱う数字を分析して、正しい意思決定をしましょう、という本。
なので、読んでも微分積分ができるようになるわけではなく、ビセキの考え方が重要ですよ、と主張。
しかし、微分積分じゃなくて、統計ですよね、これって。
営業の人で、本社の営業推進部とか、営業企画部とかが出してくるノルマの数字に対して、なんでこんな計画なんだ、と怒っている人には、前半部分はおススメかもしれません。 -
ビジネスマンに有用な本なのだが、高校の数学の先生にもぜひ読んでもらいたい一冊。
「こんなもの勉強して何の役にたつの?」とだいたいの数学が苦手な高校生は言う。しかし、納得させる答えを持ち合わせている教師は少ない(ここで物理とか理科系の学問での利用シーンを出しても逆効果だ)。自分の担任もそうだった。
本書のような具体的なケースで説明してくれると、「社会に出たら必要かも」と何人かは思ってくれるかもしれない(教師がビジネスの勉強をする必要があるけど……)
そういえば、ウォルマートの「エブリーデイ・ロー・プライス」で在庫が減るというのは、今まで気づいていなかった視点。他に、いろいろと小ネタもあり、気づきの多い本だった。対数はイチから勉強しなおしだ。 -
経済・経営を学ぶ学生が微分・積分を学ぶ意義に触れられる一冊
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=086509 -
微分・積分というよりもむしろ、統計の本。
統計をビジネスに使うにはどうすれば良いかが書かれている -
経験もカンもない普通の人が、世の中の現象を、易しく判りやすくし、明日を読む方法が微分・積分だ。昨日までを小さく切って(微分)、それを明日につなぐ(積分)。
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ビジネスで起こりうる状況を微分・積分を用いて説明している点は面白いが、もう少し高度な分析が例示されていると良いと思う。特にbig dataの時代では、もっと高度な分析が行われているはず。