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タイパの経済学 (幻冬舎新書)
- 廣瀬涼
- 幻冬舎 / 2023年9月27日発売
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経済学、というわりに著者がこう思う、と薄弱な根拠で論じる部分が多い。
その内容には、わかる、と共感はできるが、根拠がないので何かを得られるでもなく、自分もそう思うなあ、という感想で終わってしまう。
2024年3月24日
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歌われなかった海賊へ
- 逢坂冬馬
- 早川書房 / 2023年10月18日発売
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ナチス政権下に反感をもったドイツの少年少女達の話。
彼らは、アーリア人を生む正しい女性像に反感を持ったり、悪口を言っただけで殺される息苦しさに反感をもったりはしているが、有名な白バラ……命がけで人道を唱え反ナチ運動をした団体とは異なる。が、行き着く先はやはり同じなのか……。
戦争を知っている世代も少なくなってきた現代の先生視点から始まる物語。
先生が出会った本。1冊の本に書かれた、当時この町で生きた大人と子供。ナチスの残酷な行いを「知らなかった」と言う大人達。うすうす勘づいていながら、みんなで言わない見ない聞かない。生きるための大人の処世術。
全てを読み終わった後に、1章を読み返すことをおすすめする。ああ、「知らなかった」大人達は、子供や孫にそう伝えたんだな、と。ゾッとするやら悲しいやら、共感するやら。読後、様々な感情が渦巻いた。
2024年3月24日
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資金300万円で農FIRE
- 水上篤
- かんき出版 / 2023年11月22日発売
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300万円で農FIREしたい人向けではなく、「農業で起業したい」「友達がたくさんいる」「田舎で自力で家を建てたい」の3つ全てが当てはまる人向け。
本書に書かれている内容が「1店舗で4万円/日の売上を6~7店舗運営する」とか「稼ぐ単位も億」だったりで、FIREとイメージが違う。
極端な話、1日4万円売り上げるのだって、経費を1日10万かければ余裕で達成できるわけで……。結局いったいいくらの所得が1日稼げるのか、本書を読んでも地に足のついた想像ができない。
FIREしたい人は、労働時間を短くしたいわけで……、経費などを引いて、1時間あたりどれだけのお金が手元に残るか計算したい人が殆どだと思う。
自分は、農業で、1時間あたり1500円以上(もちろん経費ひいた手取りで)を安定的に稼ぐことができるか、の手がかりがほしくて本書を読み始めたが参考にならなかった。
とくに知りたかった経費の話は殆どなかった(節約せよ、中古で買えという当たり前の話はあるが、具体的な金額はない)。
また、農FIREのステップが8個にわけられているが、都心で平日仕事をしつつ、休日に友達をさそって家を建てる試行錯誤をする、という1ステップ目で躓く。
そもそも都心に住んでいない。一緒にそれを目指せる友達もいない。
商売圏は友達の友達くらいで良い、というのも、たくさんの友達の友達がいる人の発想で……。
300万円の経費を使い、農業でFIREしたかった自分には参考になる部分が少なめで物足りなかった。
2024年3月18日
隕石で地球が滅ぶまで残り少し。そんな中、他殺体をみつける。この遺体は誰で誰に殺されたのか。
滅ぶことが確実な世界でその調査に意味があるのか疑問に思いつつも調査をすすめていく……。
地球が滅ぶ日がわかっているのだから、殺伐とした世界と思いきや、隕石の衝突予測地点が日本(九州)であることから、少しでも生き残る確率をあげようと、殆ど人が残っていない九州の街ではあまり血みどろの略奪は行われておらず、小平和状態。だが、やはり警察も機能していない末法末世で事件は起こる。
翻弄されながらも最後の2ヶ月を生きていく姿にどうなるのかとドキドキしながら読み進めた。
2024年3月10日
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幻覚の脳科学──見てしまう人びと (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- オリヴァー・サックス
- 早川書房 / 2018年3月20日発売
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幻視だけでなく、触覚、嗅覚など、様々な感覚についての幻覚に触れている。どれも興味深い。
幻覚は精神病や薬などのイメージがあるが、感覚が失われると、それを補うように幻覚を感じる人が多いというのは知らなかった。
言われてみれば、確かに、失われた(切断された)足が痛い、などというのはわりと聞いたことがある話だ。
なるほど、視覚や嗅覚が失われ、それがないとわかっているのに見えてしまう、感じてしまって苦しい、というのはあり得そうな話だ。
幻聴というと統合失調症という思い込みがある。本書を読むまで自分もそうだった。けれど、そうではなく、本人がそれを幻覚と自覚していたり、その内容も統合失調症のように悪口とは限らず、聞き流して精神に支障を来すものではないものであったりと、病的な幻覚と区別する必要がある、というのは、知らない世界を知ることができた。
私に限らず、幻覚というのは病的なイメージがあるので、幻覚が見える本人も口に出さないことが多い。けれど、精神的な病気ではなく度々あり得ることだという前提でよく聞き取りを行うと、わりと幻覚を見る人もいる、という。
薬による幻覚の話も詳細に記載されている。「薬物、駄目、絶対」という流れで薬物乱用者の気味が悪く怖い幻覚はよく知られているところだが、そうではなく、世界の真理を知ったような経験をした体験記は、正直、味わってみたいと思ってしまった。
知的好奇心が旺盛な人は、読むと薬に興味をひかれそうで怖い本だ。
余命が幾ばくもないという宣告をされたら、是非薬物やってみたいかも……。今は健康で長生きしたいからやらないけれど。
2024年3月10日
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イーロン・マスク 上 (文春e-book)
- ウォルター・アイザックソン
- 文藝春秋 / 2023年9月13日発売
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本書の中盤に登場した、イーロンを知る人によるイーロンに対する感想……(スティーブジョブズとか)世界に影響を与える仕事をする代償に、クソな人間でなければならない、のかもね、というような言葉。本書を読んでる途中で私も同じことを何度も思った。
絶対、この人と仕事したくないな、と。
無茶な納期、思い込みによる叱責と罵倒、私生活より仕事を優先して当然という態度、全てが、絶対無理。
いや、まあ、こうやって自伝的な本を読んでいる分には不快になるようなタイプではないけれどね……お会いしたくはないな(笑)。
アインシュタインなど、自分より早く生まれ死んだ人の自伝と異なり、同時代に生きる偉人の伝記は詳細で面白い。
2024年3月10日
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眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話: 明日からカラスが怖くなくなる!?身近な鳥の不思議と魅力を大解説
- 松原始
- 日本文芸社 / 2020年12月12日発売
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池上彰の世界の見方 フランス ~うるわしの国の栄光と苦悩~
- 池上彰
- 小学館 / 2023年10月26日発売
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フランスって、英語の次くらいに多くの国で使われるのに(使用人口の話ではない)、ドイツとかに比べてあんまり知らないな、と思っていた。
フランスの学校でイスラム教のヒジャブを着用して退学になった件。注意くらいはわかるが、退学?!と思っていたが……なるほど、政治と宗教を厳格に分離する、建国から歴史の積み重ねの上での考え方があるのか。
移民に対する受け入れ方、考え方が、また『ヨーロッパ』という一概に言えない国々の考え方・価値観あり、そして現在の国があるのだという、当たり前のことを改めて知り考えさせられる。
2024年3月10日
正直、え?これで終わり?と思った。
盛り上がりに欠け、オチも弱い。
2024年3月10日
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いけない II (文春e-book)
- 道尾秀介
- 文藝春秋 / 2022年9月22日発売
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最後の謎が解けたとき、前回より「そういうことか~」感が強くて読後感は満足。
個人的に1巻が一番面白いことが多いのだが、この本は珍しく1巻より2巻の方が面白い。
ミステリというと人間模様か謎そのもの、どちらに重点をおくか分かれるが、本書は後者。人間模様も叙述トリックのための配置感が強く、人間模様にはあまり入り込めないタイプの本。「あ、そういことか」を楽しみたい人にはお勧め。
2024年3月10日
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宇宙思考
- 天文物理学者BossB
- かんき出版 / 2023年2月22日発売
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宇宙は無限か有限か。無限とはどういうことなのか。
無限ということは、観測できない壁の向こう側があるということ。
「無限」という大きさは、物理学的にあり得る(今の状況、私という存在は物理学的にあり得る)のなら、無限のどこかに存在するということ。
地球がはじまってから1年とすると、人間は0.2秒しか生きられないということ。
40億年後、太陽の終わりと地球の水分の蒸発、天の川銀河とアンドロメダ銀河の合体。
……宇宙の壮大なスケールについて思いを馳せながら楽しく読んだ。怖いような、わくわくするような。そんな話。
(だが、各説明のオチをよくある自己啓発的な内容にもっていくのは、蛇足だなあ、と個人的には思った)
2024年3月10日
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脳科学者が教える集中力と記憶力を上げる 低GI食 脳にいい最強の食事術
- 西剛志
- アスコム / 2021年12月18日発売
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低GIと言えば血糖コントロールと健康、というイメージだが、本書はタイトル通り「記憶力・集中力」をあげるという視点から生活に低GI食を取り入れる提案をしている。
糖=悪、ではなく脳がどれだけの糖を必要としているか、糖を摂取すると集中力はあがることなど、様々な客観的データを分析しており、脳機能と糖の役割や付き合い方を知りたい方全般におすすめできる本。
(私はオーディオブックでこの本を聞いたのだが、最後の低GIレシピ集が、付属資料になく、耳のみでレシピを覚え再現するのはかなりきついと感じた。本書は紙の本での読書をおすすめする)
2024年3月10日
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感染症・微生物学講義: 人類の歴史は疫病とともにあった (小学館新書 455)
- 岡田晴恵
- 小学館 / 2023年8月1日発売
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微生物やウイルスの形態や進化プロセスという生物学的な本かと思って読み始めたが、どちらかというと感染症の歴史のような本であった。
また、現代も発生している麻疹や狂犬病、破傷風について、どんなに危険かを臨場感たっぷりに伝えてくれる。
そうか、もし罹ったら、そういう風に自分は死ぬのか、と文章を読みながらゾーっとした。
ワクチンがなかった時代、村が全滅していく様は、感染症の怖さが伝わりかなり興味い内容であった。
2024年3月10日