世界のエリートが学んでいる教養としての哲学 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768359

作品紹介・あらすじ

世界で活躍する人は、なぜ哲学を学ぶのか? 歴史・思考法・読んでおきたい名著など、ビジネスマンの武器になる哲学の基礎を一冊で網羅!

感想・レビュー・書評

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  • 今のビジネスの場でもよく使われるフレームワークの元となるような思考法もあり、こんな昔に考えついた哲学者にただただ尊敬する。哲学って思想強めの印象でいたが思考法の要素が強くてとても面白かった。特にデカルトの方法序説が活用したい。この本は有名な哲学を2ページくらいに要約してるので効率よく知れる。深めたいテーマを探すのに良さそう。

  • 哲学入門としてはあり
    ビジネスへの活かし方のところが浅かった

  • これを読んで哲学が分かった気になれる人は幸いである。


  • 〘 我々が今明らかであると思っていることを、改めて問いただすこと、これが哲学である〙

    ・著者は本書を「哲学入門書に対する入門」と位置づけているが、難しい言い回しや専門用語が見受けられ、読み進めるのに苦労した。
    ・「哲学とは何?」という全くの初心者向けではなく、漠然とした知識はある方向けの本である。

    以下、本書より
    ・昔はすべての学問を包括するポジションだったが、現在はそれぞれの学問が自立してしまったため、そのすべてを修めることができる状況ではない。
    ・現在はそれぞれの学問がどのように繋がっているのか、その繋がりを理解するのが〝哲学〟
    ・何らかの結論があっても、必ず問い直すのが哲学におけるひとつの伝統である。
    ・哲学における一番基本となる姿勢は、通常では疑問にも思わない、自明的な事柄であっても、あえて問い直すことであり、それによって、新たな知識の可能性を見出していくこと。
    ・哲学においては、〝問い〟を出すことのほうが重要。自分自身が今まで正しいと思っていたことが、はたして本当に正しいのかどうかを疑う。それがあって、初めて〝問い〟を出すことができる。
    ・抽象概念だけで説明しなければならないのが、哲学を難しくしている要因。
    ・哲学の問題というのはすべてプラトンが論じている。
    〇古代哲学:プラトンとアリストテレス
    →合理主義と経験主義
    ・哲学に初めて触れるような人は、まずプラトンの「対話篇」の短いものを読むのが一番よい〇中世哲学:アウグスティヌスとトマス・アクイナス
    ・中世哲学がなければ、プラトンやアリストテレスが後世に伝わることがなかったのもひとつの事実であり、彼らを神学の中に取り入れて、理論化することによって、ギリシャ哲学は残ったという意味では、中世哲学は、決して無視することができない存在。
    〇近代哲学:大陸合理論とイギリス経験論
    ・「知識をどのようにして獲得するか?」と言ったとき、非常に大雑把な言い方ですが、大陸合理論の場合は、もちろん経験から学ぶこともあるが、一番基本的なもの、これを〝生得観念〟と呼ぶが、プラトンで言うところの〝イデア〟に相当するものを私たちはすでに持っており、その〝生得観念〟は、決して経験によって得られるものではないという考え方をする。
    それに対して、イギリス経験論は、そうした生得観念なんてものは存在せず、むしろ経験からそれを抽象化していくことで、一般的な観念を作り上げていくのだ、という考え方になります。
    〇ドイツ観念論:カントとヘーゲル
    ・大陸合理論とイギリス経験論という2つの流れがずっと続いていたのですが、カントがこの2つを基本的に合一した
    〇ポストヘーゲル哲学:マルクスとニーチェ
    ・「ポストへーゲル哲学」というのは、「マルクス主義」と「実存主義」の2つで、ヘーゲルのように理論的な体系化を行ったところで、現実は少しも変わらないというのがマルクス主義であり、理論をどんなに完成させたところで、この私の苦痛、この私の悩み、この私の問題は何も解決しない。理論を作るのは結構なことだけれど、そんなものを作っても何も解決しないというのが実存主義の発想になる。
    〇20世紀の初め
    言語の違いに関係なく、すべて共通だった認識が、民族によって、集団によって言語は異なるのだから、私たちの認識というものも、相対的な形でしか基本的に成立しないという考え方をするに至ったのです。

  • 哲学初心者の私は、哲学と聞くだけで嫌気がさしていたけど、この本は大変分かりやすく哲学を教えてくれた。

  • 哲学の思考法を現実問題にどう落とし込んでいくか、それについての記述があったので買った。

    とはいえ、やや強引な記述がおおく、無理があると思った。また、現代の諸問題や小さな課題まで、役に立つような考え方が提示されているかと思ったが。教訓を並べているような印象を受けた。

    内容としては薄すぎるような気がしたが、自分のレベルにはあっていると思う。

    ロールズとノージックの攻防、そしてサンデルをはじめとするコミュニタリアリズムの議論が面白い。

    哲学史全般には興味がない。
    ドイツ観念論の完成(ということはデカルトとロックに遡る)や、政治哲学の各議論といったところに興味というか記憶がある。
    その辺りを攻めていくべきだろうか。

    哲学書を紹介する章と哲学のフレーズを紹介する章は、特に参考にならなかった。

  • 2020.02.05 哲学をよくもまあ1冊にまとめてくれました。とっても感謝ですね。いろんな角度から同じことが何度も語られる構成なのでとても分かりやすくてよかった。個人的には哲学史が好きだが、よりよく理解することが出来た。

  • タイトルで損してない?
    ミーハー向けじゃん。
    でも内容のまとまりはとても綺麗で簡潔。(流石にその分深みはない。著書の意見が入って来る箇所は特に浅い。)登場する哲学者・著書に興味もそそられる。
    哲学について学ぶ為のマップ的書籍。
    ここから深めていける一冊。

  • イケ好かないカタカナ用語で、シンプルな主張を複雑化するヤツらへの処方箋として有用です。
    因みに、テレビで、ポストモダンって、言うヤツ、私は嫌いです。
    勿論、哲学への入門書としても、門外漢の私にも、価値ある一冊でした。
    世界レベルでみた、哲学だけでなく、社会学の領域まで、踏み入る解説書としてもイイ本です。

  • 哲学をざっと時代ごとの流れや代表的な哲学者、用語が端的に説明してあり、有名な哲学者の著書の概要を知れてよかった。
    この本で概要を知って興味が出た哲学者もいるので次はそこを掘り下げて他の本を読んでみたら面白いかなと思った。
    最近、SNS等でよく使われている言葉が哲学者由来の言葉だったんだと知ったものもあった。ただ、最後の方の言葉の説明で、実際にビジネスで話す時の用例、はちょっと必要なかったかもしれない。。。

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著者プロフィール

1970年、京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部教授。
京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。商社マン(伊藤忠商事)、フリーター、公務員(名古屋市役所)を経た異色の経歴。徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。
全国各地で「哲学カフェ」を開催するなど、市民のための哲学を実践している。また、テレビをはじめ各種メディアにて哲学の普及にも努めている。NHK・Eテレ「世界の哲学者に人生相談」、「ロッチと子羊」では指南役を務めた。最近はビジネス向けの哲学研修も多く手がけている。専門は公共哲学。
著書も多く、ベストセラーとなった『7日間で突然頭がよくなる本』や『ジブリアニメで哲学する』、『不条理を乗り越える』、『前向きに、あきらめる』等をはじめ、これまでに100冊以上を出版している。YouTube「小川仁志の哲学チャンネル」でも発信中。

「2024年 『60歳からの哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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