- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569775357
作品紹介・あらすじ
二十一世紀に入って世界にもっとも広まった日本語は何か。それはまちがいなく「カワイイ」。ロリータ服で地下鉄に乗るフランス人に、なんちゃって制服に身を包んだタイ人と、世界じゅうの女の子が「原宿ファッション」をカワイイと支持しはじめた。日本に集まる羨望のまなざし。「東京は聖地」と断言する者から、「日本人の鼻はかっこいい」「黒髪がうらやましい」と語る者まで、日本がこれほどまでに愛されていることを、当の日本人だけが知らないでいる。目の前に転がっているビジネスチャンス。不況脱出のカギは「カワイイ」にあり-。
感想・レビュー・書評
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日本の「カワイイ」が世界の一部の人から熱狂的に受け入れられていて、それがビジネスチャンスに繋がり得るだろうという著者の見解は一応肯定できるが、客観的データ等が全然提示されておらず、筆者の熱き思いが上滑りしている印象がどうしても拭えなかった。その点は極めて残念。
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原宿ファッション、ロリータファッションがいかに世界で愛されているかを紹介し、それを販売戦略にすべきだとも述べる本。
黒髪が羨ましい、日本人の鼻になりたい、というのに軽くおどろく。
多かれ少なかれ、日本人女性はフランス人女性にコンプレックスがあると思う。美の基準がそもそも違うのだし。雑誌だって、いかに「外人顔」になるかに注力しているようなものもある。それだけに、日本基盤のファッションが注目されるというのは嬉しい。
個人的にはいわゆる制服ファッションも原宿系ファッションも身につけたことはないが。
当時好きだった下妻物語がカミカゼガールというタイトルで愛されているとは知らなかった。 -
本書 P80-81
カワイイを象徴するキャラクター:ハローキティ
キティには口がなくて表情がない、だからことその時の気分で感情移入しやすく、想像力が広がる。自分だけのキティの物語ができる。 -
アニメの話かと思いきや、それだけじゃなくて原宿とか制服とかロリータの話にも広がってた
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メディアプロデューサー櫻井孝昌が世界に広まった日本語「カワイイ」をキーワードにして日本の海外戦略について論じた2009年の著作。クールジャパン戦略ですね。本書では特にロリータや制服などファッションを中心に日本のサブカルチャー、ポップカルチャーが海外でどのように受け入れられているかを著者が実際に参加したイベントの様子を紹介することにより明らかにしています。2020年の今となっては必ずしも成功しなかったような?結局、世界へ打って出ようとしていたけど、国内では良い顔されていないような…今も。
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外国人から見た日本のカワイイ文化を紹介。ほぼファッション論。
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ビジネス
社会 -
カワイイ文化がすごいのはわかったが、日本アゲが凄すぎてちょっと引いた。私もカワイイカルチャー愛好家だが、ささやかで誰にも目につかないところで愛でたいと思うのは済まされないのだろうか。本自体は面白かったです。
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Facebookでフランスから来日した女の子と繋がっている。来日したのは3年前。当時は大学生だった。彼女のプロフ欄を見ると、好きなテレビ番組が『花より男子』あった。かねてより、フランスでは日本のマンガ・アニメが大変な人気であるということを聞いていたが、彼女は日本に憧れるあまり、単身、日本にやってきた。
まさに本書は、アニメ・コスプレファッション・ロリータファッションなどの「KAWAII」現象が世界を席捲する様子を描く。
登場する国々は、フランス、イタリア、スペイン、タイなど。フランス女子、タイ女子が、日本のロリータファッションや日本の高校の制服に身を包む。なぜ、世界の女の子たちは、日本のファッションに身を包むのか?それは、自由に自分の個性を表現できるからだ。
驚いたのは、フランス人が、フランスにはファッションの自由がないのに、日本には自由があるという点である。自由、平等、友愛と言えば、フランスの国旗を表しており、公式標語でもある。自由のために革命を起こしたフランス人が、本当に自由なのは日本人であると言う。
そうだったのか。
実は、我々にはピンと来ないけれど、キリスト教、とくにカトリックでは、タブーが多い。たとえば離婚や堕胎は許されない。本書ではあまり触れられていないので、ほかにどんなタブーがあるのか分からないが、いづれにせよ、ファッションの自由度が少ない。また、日本人にピンとこないことの一つとして、フランスを初めとするヨーロッパは、依然として階級社会であるということ。階級社会のフランスから見れば、やはり日本は自由だ。
日本人は長らく個性がないと言い続けられてきた。ところが今、我々は自由に個性を表現できる国として、世界の憧れの的になっている。
「カワイイ」というのは、実に平和だ。「カワイイ」で世界を平和にできる、そんな気がしてきた。
カワイイ世界の女子の写真をふんだんに載せた本ではあるが、一応、まじめなビジネス書である。本書のテーマは、目次の最後にあるとおり、「カワイイ」が日本人の大きなビジネスチャンスになりうるという点だ。しかし残念ながら、多くの日本人はそのことに気づいていない。私自身もそこまでの確信はなかった。しかし敢えて言おう。
「カワイイ」はビジネスチャンスである。「カワイイ」を世界に普及させることが世界平和につながり、それが日本の指名ではないだろうか?
付箋61箇所。
目次
第1章 世界共通語となった「カワイイ」
第2章 「カワイイ」に生きる女の子たち
第3章 世界の中心に原宿がある
第4章 2009年7月「パリ・カワイイ革命」
第5章 不況脱出の切り札は「カワイイ」にある。