秘密に満ちた魔石館

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569788852

作品紹介・あらすじ

宝石館にある宝石たちに秘められた力、宝石たちが作りあげてきた物語を紹介。呪われたり守られたり……、スリリングな8編から成る。

感想・レビュー・書評

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  • 子ども向けというより、大人向けかなと思いました。
    おもしろかったです。
    宝石の話って、悲しい話が多いなと思いました。

  • 8つの石の物語。
    水晶、ルビー、珊瑚といったメジャーなものから、ベゾアール石と言った少し変わった石まで。
    世界中の国を旅するような物語は、まるで千夜一夜物語。
    異国情緒に満ちた、アラビアンナイトの世界が広がる。
    少し怖い話も、心優しくなれる話も、それは色とりどりの宝石のごとく。

    トルコ石の物語はお気に入り。
    羽の生えたように外を飛び回る息子を案じる、母親の気持ちに立つからだろうか。
    子供はいつも親から離れようとする。
    親はいつも子供を全ての災禍から守ろうとする。
    でも、時にはいってらっしゃい、と送り出す勇気も必要だ。
    心の中でいつもいつも子供たちの幸せと安全を深く想いながら。

    オニキスとアメジストの物語は、視点を変えて物語が結末を迎える。
    日本には「言霊」というものがある、と信じられていた。
    今も形を変えてきっと文化に息づいているのだろうが、そんな「言霊」の力を感じられる。
    幸せで、ちょっと怖い物語。

    石には古より力があると言われ、お守りとする人も多い。
    地球の凄まじい力の中で生み出された石たちは、次はどんな話を語ってくれるのだろうか。

  • 宝石にまつわる8つのお話。

    「水晶」
    魔法使いの弟子ハキームは、修業の辛さから師匠の水晶を盗んで逃げだす。師匠の水晶の力で占い師として富豪となったハキームだったが、ある日水晶がにごりはじめる。
    「ルビー」
    婚約者に裏切られ、返してほしいと言われたルビーの指輪。新しい恋人に贈ることを妬み、ルビーに呪いをかけたエラ。
    呪いは見事に彼らを不幸にしたが、20年後、幸せに暮らすエラの前に指輪があらわれる。
    「ベゾアール石」
    大貴族ジャッフルの奴隷となり、辛い日々を送っていた奴隷アッバ。ある日山羊をさばいていると胃の中からにぎりこぶしほどもある石を見つける。この石がアッパにもたらしたものとは?
    アッパはサヌバ族としての誇りを失わずにいられるのか。
    「猫目石」
    エジプト。騙されて墓荒らしたちの召使いにされた十歳の少女ティシャ。ある夜、罠や呪いが仕掛けられているという王家の墓に入るよう命じられるが、墓の中で、仲良くしていた猫がティシャの前にあらわれて。
    「ムーンストーン」
    八歳のアンティースが、祖母のいる田舎で探検した幽霊屋敷。きれいで、でも寂しげな若い女性の幽霊と出会ったアンティースは彼女が示す壁からムーンストーンの指輪を見つけ指にはめる。アンティースがみた幽霊の秘密とは。
    「トルコ石」
    貿易の都、ヴェネチア。異国への憧れがやまない息子トニオ。彼を心配した母親は、占い師を訪ね、そこで、トルコ石の玉を連ねたブレスレットと、大きな丸いトルコ石が一つはまったブローチを渡される。トルコ石は旅人を守る石だということだが、果たして息子は無事に旅を終えられるのか。
    「オニキスとアメジスト」
    インドの都ベナレスに住む貴族の娘、アーリヤー。アーリヤーは大きな屋敷に住み、何不自由なく暮らしていたが、両親が喧嘩ばかりしていることに心を痛めていた。ある日一人の老僧から、父のオニキスがはめこまれた腕輪と、母のアメジストがはめこまれた耳輪のせいだと聞き、耳輪をこっそり持ち出したが。
    「珊瑚」
    かつて十人姉妹だったという珊瑚玉、ある華族の令嬢を守り続けてきた珊瑚のお話。

    アラビアンナイトのような不思議な物語。
    ときに残酷な結末を呼び、時に人を助ける宝石たち。
    最後の珊瑚のお嬢さんがどうなったのか、気になるー!
    挿絵も素敵。

  • 十年屋のシリーズから好きになり、読みました。古今東西の時代も主人公も違う人々と宝石の話です。宝石と言うよりはパワーストーンが多く出てきます。大人でも楽しめる児童書です。

  • いろんな石たちのお話。知ってる宝石もあれば珍しい石も…。国も時代もバラバラで、それぞれ楽しめた。魔石館の主人の話も今後読めるのかな?

  • 銭天堂が人気の廣島さんですが、こちらもまた違う味わいで良きでした。宝石が好きな子はこの独特の暗い雰囲気の中に散りばめられた石それぞれの物語にハマるだろうなー。

  • 4年から。宝石にまつわる短編集。廣嶋玲子さんの他の中学年の読み物の中では、キャラ寄りの楽しいお話というより、落ち着きのある物語。短編のお話の色が全く違うところが読み応え有り。終わりに魔石館の設定がでてくるので、続きが気になる。

  • 宝石が持つ様々な物語。
    最初、タイトルから誰かが「魔石館」なるところを冒険するのかと思ったけど違ったw
    最初の水晶の話からぐっと引き込まれた。
    若さゆえの奢りから人生を棒に振った青年がちょっと哀れ。
    彼に救いがあるといいのに、と思う。
    最後の珊瑚の物語。魔石館の主人との出会い。
    姉妹たちが再会できますように。

  • 流行りの廣嶋玲子さん、面白いです。
    読者は、この手のシリーズ飽きた頃に、ナルニアのような古典的ファンタジーの世界に移行してほしいなあ。

  • オニキスとアメジストの話の結末が意外性があって面白かった。教訓っぽい話や、少しだけダークな話もある。小5あたりから楽しめると思う。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』、『おっちょこ魔女先生』、『盗角妖伝』、「怪奇漢方桃印」シリーズ、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

「2023年 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂1・2・3(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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