それでも僕は現場に行く

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569794198

作品紹介・あらすじ

行動力は知ることから生まれる。「いま、自分に何ができるだろうか」と考えはじめたあなたが一歩を踏み出すためのヒント。

感想・レビュー・書評

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  • フィリピン、台湾、沖縄などでの戦没者の遺骨収集活動や、エベレスト、富士山などでの清掃登山など、見逃しがちな問題に対し、行動を起こす行動力が著者の魅力。
    他の著書と同様、この本もおもしろい。

    著者は日本が好きなのだ。だから遺骨収集に力を注がない日本という国に対して、日本人がエベレストに大量のゴミを捨ててきていることに対して、憤りを感じている。

    遺骨収集や清掃登山に対して、反対意見や圧力がかかることもあるようだが、自分が正しいと思う行動を取り続ける著者を今後も注目していたいと思う。

    そういえば、2011年10月11日 のNHKニュースで「フィリピンでの遺骨収集で、日本兵のものではない骨が混じっている可能性が高い」と報道されたとき、「遺骨収集活動を訝しがっている人の圧力がかかったか?」と穿った思いが頭をよぎりました。思い過ごしだろうけど。思い過ごし...。

    • ben1213さん
      「遺骨収集活動を訝しがっている人の圧力がかかったか?」このニュース見てましたが
      その時は感じませんでしたがこの本を読むと
      おっしゃる通り...
      「遺骨収集活動を訝しがっている人の圧力がかかったか?」このニュース見てましたが
      その時は感じませんでしたがこの本を読むと
      おっしゃる通りなのかもしれませんね。
      2011/11/24
    • restsitekさん
      はい。著者の言うとおりなのだと思います。
      一般の人には分からない数多の力にさらされているのでしょうね。
      はい。著者の言うとおりなのだと思います。
      一般の人には分からない数多の力にさらされているのでしょうね。
      2011/11/26
  • この本の印税が東日本大震災の復興に寄付されるらしい。
    野口さんの姿勢は終始一貫している。
    日本を誇りに思い、大切に思う気持ちが伝わる本。愛国心とは他国を傷つけたり蔑んだりするものではない、という当たり前のことを痛感させられる。
    あらゆる考えの、あらゆる立場の人に読んでもらいたい本。

  • 思想の話は難しい。ただタブーと言われている問題に真摯に逃げずに取り組んでいる姿は素晴らしいと思う。現場中心の主義は非常に共感する。浮遊する問題や思考は苦手。

  • 野口さんが今まで行ってきた活動の記録。空気を読まない強さ、長いものに巻かれない図太さに感心しました。何度と死や恐怖と向き合った人はこんなに強く、説得力があるものなのかと驚き、本の中でその想いにふれられることを嬉しく思います。信念を持って生きていきたい、強さが欲しいと思うと同時に、弱さや過ちを認める謙虚さを持って生きていけたらと思いました。

  • 野口健の熱い思いが伝わってくる。(1)物事には自然に目に入るA面と、見ようとしないと目に入らないB面がある。世の中往々にしてB面にこそテーマがある。環境を考えるということはA,B両面どちらもありだよという姿勢で両面を考えなければならない。(2)先の大戦での海外戦没者は240万人、115万人のご遺骨が未送還。遺骨収集を政府は怠る。国のために命を散らせた人を冷遇する国家に対して、人は信頼感をもてるだろうか。沖縄で一人で遺骨収集を続ける国吉勇さん、フィリピンで遺骨収集を続ける高齢の青木和子さん。今、遺骨収集はNPOに依存している。(3)無謀だよ、と言われても、現実を見て、知ってしまったからには自分に何が出来るのか、動かずに入られない。(4)人の本能には、個体を維持する本能と、群れを維持する本能がある。後者は鍛え教育することが必要だが、鍛えられるのは小学生まで。本能は肉体的成長に合わせて発現される(戸塚宏との対談)。・・等、日頃は目にしない貴重な視点を得ることが出来た。良い本だと思います。

  • アルピニスト野口健さんの著書。
    エベレストの清掃活動、富士山での清掃活動、フィリピンや沖縄での日本兵の遺骨収集活動について詳しく書かれています。
    また、東日本大震災の被災地での活動にも触れてあり、自分の思いも新たにさせられました。
    すごくいい本です!
    一人でも多くの人に読んでもらいたい一冊です。

  • 物事を両面から観る視野。
    現場に行く事で、見えてくるB面。

    それは時にタブーでもあるが、現実を知った責任に対して行動を起こす実行力。

    登山から学んだ死生観。

    文化を壊すには、武力ではなく、大量のモノを与える。 与えられた生活によって、元の文化は廃れていく。

  • 環境の環は人間の「わ」 見てしまった、知ってしまったからには、自分のできることをやるだけ 自分にできることを表現したい。講演会で聞いた話を思い出しつつ、とても内容の濃い本だった。 

  • 図書館で、座った席からたまたま目についたので読んでみた。

    山の掃除屋さんとして有名になってしまったが、実は高尚な理由で
    清掃活動を始めたのではないとのこと。

    外国の登山家に、「日本人登山家はごみを捨てていく。エベレスト
    を、日本の富士山みたいに汚すな」と言われたことに対して
    憤りを感じ、日本の名誉を守るために始めたらしい。
    (富士山には冬にしか登らないので、ゴミで汚れているという認識
    はなく、富士山が汚いと言われてもピンとこなかったと書いてあった)

    一番びっくりしたのが、登山家は身体を使うので健康なのかと
    勝手に思っていたが、6000メートル超の山だと違うらしい。
    酸欠になると、筋肉が細くなるというのだ。
    医者に行ったら、血がドロドロで、かなりやばかったらしい。
    で、「空腹力」などで有名な石原結實先生が伊豆に開いている
    断食療法の施設を石原慎太郎に紹介されて行ってきた話が
    載っていた。

    故橋本龍太郎とも親交があり、尊敬していたらしい。しかし
    親しくなった経緯が面白い。手紙をもらったのだが、その内容から
    喧嘩を売られたと勘違いし、報復しに行っているのである。

    くりっとしている目をしているし、山の掃除屋さんのイメージが
    強いので、喧嘩っ早いとは思わなかったが、若い時は結構な
    やんちゃ少年だったらしい。 若干外国人ぽい顔だなと思って
    いたが、母親がエジプト人だとは知らなかった。

    自分が知らない分野(この場合登山)に強い人の本を読むと
    色々知らないことを学ぶことができるので面白い!

  • 野口健さんの本は初めて読みました。
    自分が登山を始めたのもあり、アルピニストとして有名な野口さんの著書。想像以上に野口さんの凄さ、大きさみたいな物に感動しました。

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著者プロフィール

■野口 健(ノグチ ケン)
アルピニスト。1973年、アメリカ・ボストン生まれ。亜細亜大学卒業。99年、エベレスト(ネパール側)の登頂に成功し、7大陸最高峰最年少登頂記録を25歳で樹立。以降、エベレストや富士山に散乱するゴミ問題に着目して清掃登山を開始。野口健環境学校など子どもたちへの環境教育や、ネパール大震災、熊本大震災の支援をきっかけに災害支援活動などにも取り組む。

「2022年 『父子で考えた「自分の道」の見つけ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口健の作品

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