ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義 (PHPビジネス新書 158)
- PHP研究所 (2010年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569794419
作品紹介・あらすじ
日本経済は1,200年以上前から、内向きな「ヤマヒコ」的価値観と、外向きな「ウミヒコ」的価値観のあいだを行き来してきた。そして今、この国が繁栄を取り戻すには、どちらのベクトルに向かうべきか。本書では、歴史を物差しにして「これからお金の向かう先=繁栄する場」を予測し、日本経済を活性化させるためのヒントを導き出していく。
感想・レビュー・書評
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ツタヤ中延店で偶然見かけて、
面白そうだったので買ってみました。
日本の歴史を経済面で読み解くという発想自体が珍しいし、
遣唐使の時代から内向的(鎖国)と外交的(開国)でスイングがあったというのは驚きの視点でした。
渋澤栄一の子孫である渋澤健さんもブログでお勧めしています。
http://alt-talk.cocolog-nifty.com/alternative/2011/01/post-a008.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の歴史の見方。「お金は『歴史』で儲けなさい」とともに歴史から学べる良書。また、読みたい。
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日本の歴史は、オープンとクローズを
揺れ動いてきた。
平清盛が、日宋貿易で稼ぎまくったと思うえば、
鎌倉時代は、内向き。
その後、足利義満が日明貿易で稼ぐ。
そこから、また内向きになって、
織豊時代のオープンさ。
そして、鎖国に向かう江戸時代。
お金の切り口で歴史見ると面白い。
×専門性は、オンリーワンになるヒントなのかも。
お金の専門性×歴史の知識。
雑草学者の稲垣先生のように、
働いた経験も活かし、
生物学×経営学。
など。 -
さわかみさんのブログで紹介されてて興味を持った。図書館にはまだ入ってない。
【要約】
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【ノート】
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投資する側の人の縄文型弥生型史観。投資に色は無けれども、走る傾向があるのは確か。今が中国が外向き出したタイミングだが、日本が定期的に委縮するのも書いてくれたらよかったのに。
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いいことを書いているのだろうけど今の自分には合わなかったというのが正直なところだ。のっけから、「山幸彦と海幸彦」の話が出てくるのだが、私はこの部分でうまく話題に乗れなかった。つまり、興味がもてなかった。なので、後半までのれなかった、というのが正直なところ。
ただ、最後の5分の1のところは、ある程度興味をもってよめました。歴史というものに興味がある方は楽しめる一冊だと思います。 -
日本の歴史を紐解くと、二つの時代に分けることができる。
海外へ積極進出し、文化を吸収する時代と、国内政治に重点をおき、海外戦略を抑えた時代である。
『なぜ織田信長は他国より有利な戦争を行えたか』、『平氏はなぜ栄えることができたのか』…
日本の歴史は経済観念によって説明できる点があることを教えてくれる本。 -
アイルランド人は「ぼくらは海賊(バイキング)の末裔だからね」と誇らしく語るが、日本人にも室町時代から戦国時代にかけて、海賊(倭寇)が明と朝鮮の沿岸で「活躍」した。 日本人は海賊のマイナス面ばかりを考えるが、アイルランド人は海賊の冒険心、克己心、自由、積極性というプラス面を評価して誇りに思っているのである。
日本人は農耕民族でコツコツ型が多く、物静かで従順という自己イメージが強い。 しかし実は、日本人のDNAには、海洋民族の血、冒険者の血が流れている。
1300年前、大型モーターボート程度の小さな遣唐使船に100人近くの政府高官やエリート留学生を乗せて中国へ渡航した。その生還率は半分程度だったらしい。それでも、貧欲に世界の知恵、文化を学ぼうと、命を賭して、20回も遣唐使を中国に派遣した。 804年に空海と最澄の乗った4隻の遣唐使船のうち2席は沈没している。
長い歴史を俯瞰的にみれば、平安後期、源氏、鎌倉、江戸、戦後自民党の政治体制のときに農耕民族(ヤマヒコ)的な内向きの社会となるが、大和~平安前期、平家、室町、信長・豊臣、明治維新から戦前までは、海洋民族(ウミヒコ)的な外向きの社会に大きくスイングしている。
その変化点は、大陸の影響を大きく受けるらしい。今の日本は極端な内向きな時代となっているが、中国がグローバル経済の中で存在感を増すにつれ、日本は再度外向きに大きくスイングして、本来の海洋民族的な力を発揮するようになるのではないか、という。
また日本が外向きの社会に変化するとき、関東から西日本(大阪、兵庫、福岡)にパワーシフトが起こる歴史があるというのも元気がでる。
<EOM> -
ありきたりな日本史ではなくビジネス側面、特に金融取引の観点からの考察を加えて歴史を紐解く。ウミヒコ・ヤマヒコという切り分け方には若干強引さが否めないものの、教科書的な日本語知識だけでは感じられないようなエピソードが多く、ちょっと目から鱗なところも多い感じ。こういうアプローチもありなんだな、ということをよく理解できます。
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「面白さ:面白くなさ=6:4」みたいな、
まあちょいおもしろレベル。
歴史から今後の経済の流れを考える、
という本書のコンセプトは微妙だと思うが、
純粋な日本経済史の(浅く広い)読み物としては良い。
というか日本史を復習できたことが一番の収穫。
内容の薄さはある意味ちょうど良い気もする。