パナソニックはサムスンに勝てるか

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569795430

感想・レビュー・書評

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  • パナソニックのアジア新興市場へのチャレンジについて取材した本。
    著者はテレビ朝日「報道ステーション」の解説者でもあり、本件も番組で取材し取り上げられた内容をベースにしている。

    大きく取り上げら得ているのはインド、インドネシア、マレーシア。それぞれの市場でパナソニックブランドのポジションが大きく違うのは興味深い。サムソンを大きく意識しているのは本当なのだろう。現地での人材の引き抜きについても生々しい。
    また大坪社長体制になり、アジア市場が社内で注目されていることも分かった。一方、本社の支援が得られない状況を本社所在地にちなんで「門真の鉄の扉」と表現し、そのまま掲載されてよしとしているのは深刻だと思う。

    容易なことではないが、本当にがんばって市場を席巻してほしいと願っている。もちろんパナソニック以外の日本メーカも。

  • 何がなんでもインドで韓国勢をキャッチアップしてその成功体験をもちたい。
    パナソニックが韓国メーカーに負けずに、新しいことを新しい市場でやっても製造業としての基本的なこと、本質的なことをきっちりやれば、日本のメーカーはまだまだ強いんだと示すことができる最高のテスト市場がインド。

  • パナソニックの現在の世界での立ち位置が分かりやすく書かれている。
    日本企業が韓国勢に比べて劣勢となっている背景と共に、インドが今後の挽回のキーポイントである旨が指摘されている。

  • 日本では見れない新興国でのストリートファイト。
    圧倒的なシェアを誇る韓国勢メーカーに、巻き返しを図る日本勢。
    本書は「パナソニック」の事例だが、同じような境遇の日本メーカーへの警鐘なのかもしれません。

    日本メーカーの意地を見せてほしいものです。

  • 主にアジアへの進出状況を綴る
    アジア危機で撤退した後、韓国勢に圧倒される
    現地化の壁、本社の壁
    それを乗り越え変わっていくことが必要である

    王国を再度築けるのか。

  • 本書はパナソニックを取り上げてるが、現在の韓国VS日本の全面的な家電戦争の問題点を普遍的に描いた作品で、どの企業にも当てはまる。新興国市場としてのインドの重要性、中国参入の難しさ、日本企業の海外展開における欠点がとても良くわかった。頑張れ!日本!

  • ●新興国ビジネス成功の四つの条件
    1.多様な文化を吸収できる柔軟性と強靭性
    2.パナソニックのような大きな組織を動かせる腕力
    3.豊富な実践経験
    4.現地の人を好きになれる素養

    当たり前のようだけどなかなか難しいですね。

  • ジャーナリストの財部誠一さんがインドを中心にインドネシア、マレーシアを加えたパナソニックの現地での奮闘ぶりを追ったルポルタージュである。

    一読、驚いた。
    恥ずかしいながら告白すると、パナソニックにしてインドに対して既にここまで本気になって取り組み始めているとは知らなかった。
    著者の財部氏自身、2006年に訪れたときのムンバイの様子と、2010年に訪れた際では街の様子自体が大きく様変わりしていて驚いたと記されている。そう、この5年ほどで大きく状況は変わっているのだ…ろう。私自身インドにはまた足を踏み入れたことが無いのだが、これは頭の中にあるイメージを変えなくてはならないようだ。

    財部氏は序章で
    「アジアの急速な発展は、間違いなく日本復活の大きな力となってくれる。だがアジアの一員である日本人自身が、アジアの劇的な変貌ぶりに気づいていない。」
    と書かれているが、まさにその通りなのだろう。
    (インド、行ってみねばならんな…)

    さて、前置きが長くなったが、何に驚いたかというと、あのパナソニックにして、インド人主体によるプロジェクトで設計デザインされた家電製品を日本ではなくマレーシアの工場で生産し、インドへ輸出して販売しているだけではなく、既にインドでの他社への生産委託…OEM、ODMまで行い始めているとは…!

    財部氏曰く、
    「良くも悪くもパナソニックは“自前主義”に執着してきた数少ないメーカーだ。(中略) 自前主義へのこだわりは品質へのこだわりだ。自社が決めた品質基準やエコきしを絶対のものとして墨守することは、製造業として尊敬すべき姿勢である、だが品質への頑ななこだわりが、グローバルな競争市場の変化に対する無知に起因するものであったら、それは許されざる怠慢だ。」

    …まさに。
    (もっとも、私が働いている業界は人体に直接着けるものを製造しているだけに、家電製品以上に慎重な姿勢は必要だが)

    財部氏は日本企業が新興国市場において韓国企業の後塵を拝し始めている背景に「現地化の壁」と「本社の壁」がある、と指摘する。
    ここまではある意味よくあるありふれた指摘だ。
    だが、この2つの問題に対しての財部氏の理解は非常に的を射ている。大変に僭越ながら、2つの国で計11年半の海外駐在をして試行錯誤いや四苦八苦してきた私の認識・理解と全く同じ、逆に言えば私は財部氏の問題認識にほぼ同意見だ。

    読前の私と同じく、「インド市場が将来的に重要なことは分かっているけど、取り組むのはもう少し後でいいでしょう…」と思っている方にはぜひ一読をお勧めしたい、良質の現地ドキュメンタリーだと思う。

  • パナソニックの海外展開の紆余曲折がよくわかった。

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著者プロフィール

1956年東京都生まれ。80年、慶應義塾大学法学部を卒業し、野村證券に入社。その後、出版社勤務を経て、95年に経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を設立。テレビ朝日系「サンデープロジェクト」「報道ステーション」などに長年にわたって出演。金融・経済誌への寄稿も多数。2015年、脳梗塞で倒れるが、リハビリを経て完全復帰。現在、BS11「タカラベnews&talk」に出演中。『京都企業の実力』『ローソンの告白』『農業が日本を救う』『中国ゴールドラッシュを狙え』など、著書多数。

「2020年 『冷徹と誠実 令和の平民宰相 菅義偉論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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