IGPI流 セルフマネジメントのリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569809106

感想・レビュー・書評

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  • IGPI冨山さんの本。
    冨山さんの本は大体読んでいますが、
    現場のリアルとコンサルタントのロジックのバランスが良く、
    好きなコンサルタントの一人です。

    今回は、セルフマネジメントという題名だったので、
    個人がどのように自分の価値を上げていくのかについて
    書かれた本だと思っていましたが、
    その要素半分と、会社がM&Aや事業売却した際に
    起こりうるべきこととそこで働くひとへの影響についてが
    メイントピックでした。

    やや自社の営業的な要素も見られましたが、
    「M&Aをして会社間でシナジーを」や
    「M&Aをして、規模の経済からコストメリットを得る」といった
    よく聞く話が言葉で言うほどそう簡単でないことが
    良く理解できます。
    そして、以外に見過ごされがちな「リーダーを誰にするか?」や
    「会社の組織をどのように組み立てるのか?」が
    M&Aには重要であると述べられています。

    今後、社会がグローバル化していけば、
    この本に書いてあるようなM&Aが
    いつ何時自分に降りかかってきてもおかしくありません。
    そんなときに備えて、自分で自己防衛しておく必要性を
    分かりやすく学べる良い本だとおもいます。

    何はともあれ、まず英語。。

  • タイトルだけを見たら巷にあふれる自己啓発本かと見間違いましたが、中身を読んだところ、最初の二章はM&Aに関する基本的な話のいわば前段であり、三章・四章が国内×海外企業のハイブリッド状態においてパフォーマンスを出せる人材要件と、そうなるためのアクションについてまとめられています。

    三章に書かれている、どんなに会社と運命を同一化しようと片想いしても、「会社というのは、最後の最後で裏切る」というマインドセットはこれから不確実な世界を生きると人たちしては基本だと、筆者と同様にレビュワーも思いますが、世の中やマスメディアではあえて明示的に語られていないことではないかと思います。

    四章では、それ故どんな状況になっても食っていけるだけのビジネスパースンになるために「セルフマネジメント」すなわち自分のリソースをマネージして成果を出すことが必須であり、具体的には、自らのビジネスを数字で把握し議論できるようになる、使う可能性の高い業務上の英語から学ぶ、他組織への出向や他部門へのローテーションで二本(以上)の軸を持つ、小さくても構わないのでバイサイドでM&Aや親会社と子会社のはざまで清濁併せのむ経験をするチャンスを探す、といった具体的・現実的なノウハウが書かれています。

    なお、上では前段と書きましたが当初の二章も実は面白い内容が含まれており、「イノベーションに依存しなければいけない分野を捨て」た海外企業の事例や、M&Aによる「ムラごと売買」「経営陣を入れ替える」効果などは現実的な経営戦略論として色々なヒントになりました。

    まとめると、ただ必要なスキルを羅列するだけでなく、なぜそのようなスキルがどのような環境で求められるか、といったコンテクストまで整理された良書でした。35歳くらいまでに前述のような具体的スキルは学んでおきたいと改めて思いました。

  • 日本経済のパイが広がらないいま、「仕事」の奪い合いが日常化してきた。いまやどんなビジネスマンも、企業の合従連衡、M&Aの嵐から逃れられない。

     「カイシャの身売り」が頻発する時代、組織や上司が変わっても評価される「プロフェッショナルの条件」とは何か。どう生き延びていけばよいのか。

    ●感情に流されず、経済合理性というフェアネスを追求せよ

    ●説明能力が高ければどこでも通用する

    ●外国人と一緒に働くことに向いている人、向かない人

    ●清濁併せ呑むタイプが求められる など、

    M&Aビジネスのプロフェッショナルが、現場から見出したリアルなサバイバル思考法、行動術をリアルなエピソードを交え、18カ条に記していく。

    ビジネス人生を自力で経営できる人間になるための、ヒント満載の書!

  • 第1章 あなたの会社は、いつ買われてもおかしくない!(M&Aは集団転職だ!/過去の延長線上の未来か、過去と断絶したイノベーションか ほか)/第2章 買い手はどこを見て、何をするか(現場と経営、どちらに手を入れるのが得策か/感情に流されず、経済合理性というフェアネスを追求せよ ほか)/第3章 どんな人材が重宝されるか(会社との距離の取り方を身につける/個人のパフォーマンスを最大化する ほか)/第4章 プロフェッショナルスキルの磨き方(ユニバーサルでポータブルなスキルとは何か/英語力を高める ほか)/エピローグ マネジャー職に求められる能力は何か(組織と組織のハブになる人材/本社と現地との間の軋轢を吸収する)

  • 2015/01/18

  • イノベーションは異質なものの組み合わせから生まれる。
    ゲームのルールが変わったとき、過去の蓄積がかえってじゃまになる。
    ビジネスパーソンとしての自分の市場価値はいくらか。
    英語は意志疎通を図るためのツールだから、最初に意思がなければ始まらない。
    積極的に違う仕事をして、2本の柱で自分の身を守る。

  • 日本の近未来において、個人として身につけるべき能力とマインドセット

  • M&A時代を生き抜くためのセルフマネジメントノウハウを紹介。目新しいことはなかったですが、参考になりました。

  • 会社の耐用年数が下がったので自身のスペシャリティを軸にキャリア作りましょうというドラッカーが言ってたことと同じことが主題。バブル後始末のころ盛んに行われた事業単位での買収を取り扱った組織の人の著書だと思うが、タイトルから連想するほど実例に即したノウハウではなく、あまり新しい発見はなかった。セルフマネジメントのノウハウではなく、セルフマネジメントが必要な時代であるという環境分析に近い。

    コングロマリット型企業の機能型横串部隊にいると、自分のスペシャリティと貢献を意識せざるを得ず、また様々な事業をマルチに扱うケースが多いので転職の機会は減るのではと思った。特にスタープレイヤーは引っ張りだこなので、意識してのセルフマネジメントの機会はここそこにありそう。

  • 言ってることは共感するが、まーどの本にも書いてあるような普通の内容。

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著者プロフィール

冨山 和彦(トヤマ カズヒコ)
株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画し、COOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。2020年10月より現職。日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長、パナソニック社外取締役、経済同友会政策審議委員会委員長。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議有識者、国土交通省インフラメンテナンス国民会議議長、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会委員などを務める。主な著書に『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(PHP新書)、『コロナショック・サバイバル』『コーポレート・トランスフォーメーション』(いずれも文藝春秋)などがある。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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