- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569815008
作品紹介・あらすじ
京都へ行ったら、早朝に行きたい名所を紹介。ふだんなら人ごみで気がつかない、早起きした人だけが見つけられる素敵な場所を解説します。
感想・レビュー・書評
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京都...古の都で現在は文化的な観光地という印象があります。修学旅行で何度か訪れ、意味もわからず古来の寺社仏閣を眺め、昔の人々の建築技術や、仏像彫刻から発せられる迫力に驚いたことだけが記憶に残ります。大人になり自身の足で何度か再訪しましたが、当時の記憶の引き戻し的な感傷で、味わうに至っていません。著者は在住者また女性の感性ならではの視点かつ早朝目線で、各寺社の感じ方をご紹介され、私にとって凄く新鮮な印象を持ちました。またコロナ禍が少し収束してきた際には、古都の歴史など少し読みかじり、本書を携えながら著者の視点を参考に訪れたいと感じました。「当たり前のことが、当たり前のように思えてくる禅寺。」見えてるのに、見ようとしていない自分、何だか腑に落ちたように思います。娘が京都に学生でお世話になっています。その間に、自分自身を見つめる小さな時間が持てればいいなぁと感じた一冊です。
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もと作詞家で、進行性の難聴を患いエッセイストに転向した著者(東京から京都に移り住み、京都在住)が案内する京都のガイドブックだ。
定番の名所も多いが、観光客の少ない時間帯(早朝)に行くと日中とは違う楽しみがある、と勧めている。
その他、京都に住んでいるからこその季節の折々の出来事に、1年とか2年限定で京都に住みたい(永住するには敷居が高そうだし)と思わせる。
朝早い祇園の道を歩いたり、気に入った寺に通ったり、月を愛でたり、大文字を眺めたり、いいよねぇ。
○○な私です、とか、「私」の主張がけっこう強い文章なんだけれど、鼻につく感じはなくて、おしゃべりな年上の友人とか親戚の女性の話を聞いているような気持ちで読んだ。 -
京都のガイド本には、どこかスノッブの匂いを漂わせるものが多い。この人も繰り返し観光客の多さを嘆いているのだが「自分も観光客の一人」とはどうも思っておられない。あと「夢「想」国師」が何度も登場するのだが、これは正解なの?えらいファンタジーな人っぽい。
例えば「一眼のカメラを持った人たちで蟻塚ができていました」とか。京都在住が長い人が言いそうな表現。しかしこういう方面で毒気を使っても同巧多数でしょう。 -
麻生圭子の『京都早起き案内』を読む。早起きすると京都は面白いという話です。旅先での早起きは大変です。東山に住んでいる著者が調べた早起きの効能が13章で70箇所以上が取り上げられています。特段珍しい場所というか穴場はありません。早起きすると、例えば冬の三十三間堂なら「わずかな開口部から差し込む自然光。雲のせいで、途切れたり、強くなったり、それに合わせて、観音さまたちは、ぽーっと浮かび、ふっと消える」。エッセイ風の観光案内です。しかし、早起きしてもダメなところも書いてあります。渡月橋へ「誰もいないときにと、錦秋の頃、早朝の七時に訪れたことがあります。それでもだめでした。一眼のカメラを持った人たちで蟻塚ができていました」。そうなるとどんな人が読むのがいいのか。中途半端な場所の説明は省いて、ワンカットに徹した方が良かったと思う。落柿舎については「ここはやはり柿の実がなる頃の、夕方に訪れるのがいちばんかと思います」なんて言ってます。早起きせんでも済むわ。
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あちこち行きたくなった。
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≪目次≫
まえがき
第1章 桜を極めるなら
第2章 静かな紅葉に会うために
第3章 東山七条で、後白河上皇と平清盛に出会う
第4章 祇園ぐるり、はんなりの奥を解く
第5章 法然上人ゆかりの寺
第6章 後水尾上皇の美意識を学ぶ
第7章 御所ゆかりの寺
第8章 祭りゆかりの社や寺を訪ねる
第9章 盂蘭盆会を体験する
第10章 川のほとりを歩く
第11章 京都駅から近い寺
第12章 禅寺を「面」で見る
第13章 修学旅行をやり直すなら
≪内容≫
元作詞家のエッセイスト、麻生圭子さんの本。性格のにじみ出るような好著だと思う。押しつけがましくないが、ポイントを押さえ、歴史的ない知識もきちんと盛り込まれ、そして従来とは違う章立てで京都の魅力を伝えている。タイトルのように必ずしも早起きしなくても(閉門間近の例も数多く載る)、静かな京都を堪能できるように書いてある。