40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 (PHPビジネス新書)
- PHP研究所 (2018年3月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569837611
作品紹介・あらすじ
あなたの未来は「転職天国」か、「転職地獄」か? 一億総転職時代に必読の「ミドル世代のためのキャリア論」の決定版!
感想・レビュー・書評
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▼キャリア
・転職は、転職先が決まって成功ではなく、自分が満足できる仕事が出来て初めて成功と言えます。
★・自分の能力を生かして満足度高く働くことが、人生における重要な「目的」であって、就職や転職はそのための「手段」でしかありません。もっというと年収や役職、企業ブランドというのも「手段」や「結果」の1つでしかなく、決してそれ自体を目的にするものではないのかもしれないと考えています。
★・20年前のことを昨日のことのように話す一方で、3年後のことですら「どうなるかわからない」といって考えない人がいる。「こから20年間もあっという間なのではないですか?今から考えておかなくていいのですか?20年前のことが昨日のことのように思えるのなら、20年後のことを明日のことのように考える必要があるのではないですか?」
・重要なことは、老後を心配するよりも現在の生活を楽しむことであり、一日一日を充実させることで1回きりの人生を満足度の高いものにすること。そのためには人生の大きなウエイトを占める仕事についても、よくよく考える必要があります。
・これからの時代は、どうやればいいかがわかるマニュアルの無い世界です。その世界で生きていくには、暗闇の中でも手探りで独自の地図を描いていける「自走性」こそが大事になります。
★己の才能に対して失礼な生き方をしていないか
★ ⇒私がよくいうのは「墓標に何と刻みたいのか」を考えてください。「年収1000万円を稼いだ人間、ここに眠る」と墓標に刻みたいのであれば、年収にこだわればいいと思いますが、多くの人はそうではないはずです。
★ ⇒「営業達成率105%できましたとか、会社の上司から与えられたしょぼい目標に自分の貴重な時間をつぎ込んで、それを達成したくらいで本気で喜んでいて、お前、本当にそれでいいのか?その程度で喜んでいると、己の才能に対して失礼なんじゃないか」自分の目標は、自分が決めるものであり、自分が持っている能力をいかんなく発揮してこそ真の満足が得られるのではないかというメッセージです。
★★・ミドルの転職では、転職先を選ぶ際にも、年収や役職、会社名などで選ぶのではなく、自分は残りの人生で何をやりたいのか、何をやることで社会に貢献したいのか、何を成し遂げた人と墓標に刻まれたいのか、こうしたことを考えて、その理想や希望から逆算して今できることをやるための転職先を選んでほしいと思います。そのためには、人生の折り返し地点にいる現在、自分をきちんと客観的に見つめなおし、捨て去るべき価値観は捨て、何を大事にするのか、新しい価値観を自ら作り出すことが大切になります。
▼志望動機・職務経歴書
・未来:志望動機 (こういう仕事がしたい)
・過去:履歴書・職務経歴書
★・企業が知りたいのは、「自分たちの会社で何ができるのか」という未来の事。未来を知る為に、何が出来るのかを予測するために、過去の実績を参考にしているのであって、決してその人の過去を買っているわけではないのです。
・「こういう仕事がしたい」「こんな自分になりたい」という目標が無いと、ただ過去を売るだけの人になってしまうということです。
・マネジメントの人数・チーム実績だけでなく、「メンバーに対して、どのうようなコミュニケーションの取り方をしたのか」「マネジメントの型はどういったものだったのか」「マネジメントを行うにあたって、特に注意を払った点、心掛けた点は何か」も考えて書いておく。
さらに、その時々の感情や次につながる気づきや学びなども書き留めておくと、面接でよりリアルで、かつ相手が納得する話をすることができるかもしれません。
・自己PRは「求人の目的」から逆算する。自分のどの強み、どの専門知識や技能、どのポータブルスキルをアピールするのが最適か、それを使って何が出来るのか、できるといえる根拠は何かといったことを考えていく。
★・職務経歴書は2枚にするのがベスト。どんなに書きたいことが多くても4枚まで。それ以上はマイナス点になると心得る。「情報を整理する能力が無い人」
・これまで経験したすべての職務を一度書きだすことが大切になりますが、それらをすべて職務経歴書に書く必要はない。
・企業が知りたいのは、「この人は何屋さんなのか」「私たちの会社で何が出来るのか」です。ところが「営業も経理も人事もできる」という売り文句でリスクヘッジしようとする人がいます。これは40代以降の転職では逆効果。何でもできますというほど、何も出来ないというのが、多くの採用担当者の失敗体験であり認識なのです。
・また「何でもおっしゃていただかればやります」は受け身の姿勢のため、「指示をしないと何もやらないのか」とマイナスの評価になる。これに対して、「私の強みはこれで、こうしたことができます」や「私は御社でこうしたことをやって貢献したいと思います」というのは能動的な姿勢ですから、プラスに評価されます。
★▼ポータブルスキル ※②の部分
・スキル:①専門知識・専門技能 + ②(1)仕事の仕方、(2)人との関わり方
・②(1)仕事の仕方
-課題を明らかにする:現状の把握 + 課題の設定方法
-計画を立てる
-実行する:実際の課題遂行 + 状況への対応
・②(2)人との関わり方
-社内対応(上司・経営層)
-社外対応(顧客・パートナー)
-部下マネジメント(評価や指導)
▼面談
・活躍できる場なのかを見極める必要がある。確認ポイントは以下3つ
(1)環境 : 自分が働く環境のこと。何部に配属され、誰が直属の上司になり、どんな業務を担うことになるのか。細かくは勤務形態やその自由度なども確認しておきます。入社後、誰の指示に従って仕事を行うのか、相談は誰にできるのか、仕事の報告は誰にするのか。
(2)ミッションと権限 : 何をいつまでに行うのが自分のミッションなのか、そのミッションを成し遂げるための権限は与えられるのか
(3)達成基準と評価基準 : 何をどこまで達成したら、どういう評価になるのか。
▼入社後
・「転職直後の中途採用者は、アウェイでだ戦うことになる」ことを肝に銘じておくこと。アウェイでの戦いは孤立しやすく、完全に孤立してしまうと、出来る仕事の幅が狭められてしまいますから、孤立しないように入社時から積極的に自ら動き出すことが重要になります。
・入社後の心得 ※3つとも地道な努力を重ねれば、誰にでもできることです。
(1)カルチャーフィット : その企業の文化や風土、社風、理念、考え方、価値観などに自分がどれだけ合わせられるかということ。
(2)焦らない : まずはその会社になじむことを優先し、なじんでから少しずつ自分の色を出していった方が成果もでやすいもの。これを考慮すると短期間での成果を出さなければいけない約束はしないほうが無難。
(3)同志の獲得 : 最初の3カ月でやっておきたいことが仲間づくり。ミドルに期待されている仕事は一人ではできない仕事が大半です。中でも問題意識や価値観が近く、自分の同志と呼べる存在の人を見つけ出して信頼関係を構築する事ができると、支援が得られやすくなり、断然仕事がやりやすくなることでしょう、
▼起業
・おいしいとかおいしくないとかそんな話をしている時点でアウトです。起業は転職以上に「自分の軸」が求められる「孤独な道」です。起業や独立を考えている方は、上記のポイントも含めた自らの適性や情熱を今一度ふりかってみはいかがでしょうか。 -
40代転職におけるリアルな状況を知ることができた。ネットに転がっている情報からある程度はわかってはいたものの、専門書を読むと得られる知識は深さが違うなと思った。実際にこれを読んで、自分の中に落とし込むことで転職に対する考え方や応募資料なども変わっていったように思える。最終章は40代で転職を望む人たちにはぜひ読んで欲しい内容だった。
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30代で読めて良かった。
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転職で上手くいく人、いかない人シリーズ。
当たり前といえば当たり前だが、結局大事なのは、
「これまでの経験から得た自分の価値は何か」
「その価値に対する市場での価格はいくらか」
「上記を持って、次の場所で何が役に立てられるか」
の3つがきちんと整理出来ていることだと思う。
前2つは日頃から意識して定期的に棚卸をすればよいし、
3つ目はいざというときに徹底して分析するということを
やれば、マッチする企業にはたどり着けると思う。
前職の年収がいくらだからこれくらい欲しいです
という人が面接でよくいるけど、それは何故?と
面接する側になっていつも思ってしまう。
【勉強になったこと】
・外資系や金融、IT、コンサルティング業界は、
転職することでキャリアアップを達成している人が
多いので、転職が多いからNGといった古い慣習を
持った会社は比較的少ない。
・企業が本当に知りたいのは、
「転職して何が出来るか」である。
・起業の挫折と成功を分けるポイント
挫折編
①共同起業者とすれ違いが生じる
②やりたいことなのに発展性が無いことに気づく
③目先の仕事に追われ、やりたいことが出来ない
④あてにしてた資金提供が受けられない
成功編
⑤起業時点で安定した受注先を確保出来ている
⑥最初の取引先を厳選することが出来ている
⑦経営幹部が「仲良しこよし」ではない
⑧周りと相談しながら物事を決めてきている
⑨「見栄え」に資金投入しない
⑩ブレない「大義」がある
・ポータブルスキル分解
1.仕事の仕方
1-1. 課題の特定
1-1-1. 現状を正しく把握する
1-1-2. 解決すべき課題、優先度が設定出来る
1-2. 計画立案
1-2-1. 計画を立てるスキル
1-3. リード
1-3-1. 課題遂行
1-3-2. 柔軟性
2. 対人折衝
社内(上位層、メンバー層)、社外
・キャリアの棚卸で重要な3つの視点
①したことではなく、学んだことを整理
②成果はもちろん、そこに至ったプロセスを整理
③マネジメント実績ではなく、マネジメントの仕方
マネジメントでは特に、
どういったスタンスでメンバーと接していたか
マネジメントで特に注意していたことは何か
が重要。
・転職時に最低限確認しておくこと
①働く環境
②ミッションと権限
③達成基準と評価基準 -
同著者の「転職に向いている人 転職してはいけない人」に続いて。
https://booklog.jp/users/vahhoi/archives/1/4532321468
なるほどなー、その通り!…と思う反面、本書を読んで転職しようと思う人はかなり少なくなってしまうのではと感じた。「おわりに」に集約されてる。“どちらかというと、当事者の方にとっては、不本意だったり、後悔しておられる内容のケーススダディが多く含まれています。"てところ。
“己の才能に対して失礼な生き方をしていないか”は耳が痛いですね。でも、転職はやり直しがきかない、慎重に…という感想。 -
よくありがちな分断的な、「…できる人、できない人」タイトルですが、さほど嫌みなことは書かれていない。
転職準備は用意周到。
3年ごとにキャリア棚卸。
異業種異職種も辞さない。
年収、役職、エリアの条件よりも、やりたい仕事にこだわる。
氷河期ではないが、一社に勤めるのが難しくなった時代。
誰もが転職作法を知っておいた方がいいのだろう。
最終章の「己の才能に失礼な生き方をするな」という言葉が胸に突き刺さる。 -
2018.9.5読了。もし転職することになったら参考にします。
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ポータブルスキル セルフチェック
http://sp.j-hr.or.jp/ -
20180430