孤独の達人 自己を深める心理学 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569840512

作品紹介・あらすじ

幸福に生きるには「一人になる時間」が必要不可欠だ。自由で豊かな人生を心理学者兼カウンセラーが伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 人と話した2倍自分の時間を持つといいと書いてあった。

    人とずっと居ても疲れちゃうし、誰とも会わずに居ても寂しいし、人間は複雑だ。でも多分みんな同じ思いなんだろうな、とも思う。
    最近思ったことは割とみんな同じこと思ってるってことだな、私だけ特別なんだとか、私は違うとか、良く思ってたし、多分まだ思ってる方なんだけど、そこまで自分は特別すごくもないし、凡人なんだなと思ったな

  • 著者は大学教授を勤めつつ、実地でカウンセリングも行う実務家。主に実存主義の立場から、外部から与えられる「人生の意味」よりも、深く豊かな孤独により捕捉される「自己にしか分からない価値」を大事にすべきと説く。やや詰め込み過ぎの感はなくはないが、終章「おわりに」の独白が泣かせる。「孤独の強さ」を伝える名文だと思う。

  • 私たちは必要なつながりを持てずにいるとき、惨めでさみしく、つらい気持ちになることがある。しかし、この一人の状態を「どうせ一人でいるのなら」と主体的に選択し直すと、全く異なる意味合いを帯びてくる。大きな自由と解放感が得られる。さらに世間の喧噪から離れて孤独に徹し、「深い、一人の時間」を持つことではじめて、真実の自己と内面的な充足が得られる。そして同時に、逆説的に、もっとも強く他者とつながりを感じ取ることができるのだ。孤独こそ、すべての人間に共通の当たり前の真実。いかに孤独を引き受け、自分の人生に課された使命をまっとうするか。あなたよ、孤独の達人たれ。

    一人で生きることができるのか。重い課題である。

    ほんのわずかだが内容の重複が気になった。もったいない。

  • 「孤独」に生きることの意義・重要さについて臨床心理士の著者が求めたもの。
    孤独というように一人きりでいると辛く惨めな気持ちに支配されてくるときがある。しかしここから一歩踏み出し、考えを変えてみるとそれはそれでよい意義が見つけられるものだという内容。

    以下、心に残った部分の抜粋
    ・まず友達がいない。パートナーがいないなど自分で選んでいないのに追い込まれた孤独は「孤立」であり、とても辛いものだ。
    ・次がどうせ一人なら一人を楽しもうという「選択的孤独」。これは周りの目を気にせず、自分が本当にやりたいことをやるという自由で伸びやかな時間である。
    ・最後が「単独者として生きる」ように自分の内面と深く向き合い、自分が何者であり、何をすべきかを熟考し「何か」に没頭する。これは精神をとても豊かにすることである。

    ・本当の自己というのは自己と関係しようとしている中で浮かび上がってくるものである。
    ・深い自己を持つための条件「他者との比較をやめる」「一人の時間を持つ」「自分の内側とつながる」「我を忘れて取り組める何かを持つ」
    ・目的意識で動くのではなく、寄り道のように妙に気になることを大切にすることが大切。
    ・人といるとき。一人でいるとき。仕事をするときでスイッチを切り替えることが大事。
    ・一人であることは多様性を認めること。それが社会の成熟でもある。
    ・結婚している人が独身者よりも不幸と感じている人が多い。結婚というのは博打である。
    ・心が成熟している人は「人はわかってくれない、理解してくれないものである。わかってくれる人にだけわかってもらえればいい。そういう人がいなければ自分に正直であればよい」と考えられる人。
    ・「諦念」とは失望でなく、「こんなもんか、仕方ない。自分に合った事をしよう。」と考える事。

    ・苦しみに囚われたときの反駁法
    「Actual event(好きな人に振られた)」⇒「Belief(恋愛出来ねば人生終わりだという信条)」⇒「Consequence(絶望感に打ちひしがれる)」⇒「Dispute(けれども、価値はそんな事では決まらないのでは?)」⇒「Effect(いくら好きでも振り向かれないこともあるだろう)」

    ・自分が本気で選び取った自分は本気で生きること
    ・幼少期は「人からの評価に依存」しているが大人になるとそれは不要になる。だから生き方は変えなくてはいけない。
    ・オープンな心を持ち続けて「あ、面白そう」を大切にする
    ・「そのうちしよう」ではなく「今、心を込めてしよう」と明日死ぬかのように生きる
    ・天命というのは発見した!ものでありながら、ずっと昔から知っているような気がするもの。

    ・フォーカシングやり方「心の一時停止をして、モードを切り替える」⇒「「今の自分に足りないものは?」など、自分に問いかけをする」⇒「浮かび上がる答えを待つ」⇒「浮かんできた答えを検証する」

    最後のあとがきに著者自身も若いころに恋愛と仕事で非常に強い孤独に苦しんでいたようでした。その中で必死にどうにか生きようとしたみたいです。それがおそらくこの本になるのでしょう。

    読みごたえもあり、共感できるところも多い良い本でした。

  • フォーカシングとマイスペースは本書での新たな発見だった。
    自室以外でのお気に入りスポットを見つける。できれば落ち着けて多少のノイズがあった方が良い
    そこでフォーカシング=自分の内面を見つめ合う作業をすると自分のしたいことこれからの事が導き出されるような気がした。決して今の自分を否定せず内なる欲求を呼び起こしたい。
    少数で良いので深く人と繋がれることを当面の目標にしよう。

  • グレン・グールドも「孤独の達人」だったのか!何となくカウンセリングとは、カウンセラーに話を聞いてもらってアドバイスをもらうものかと思っていたが、本来は「自分の内面を深く見つめるための場」だそう。そうなるとカウンセラーの質というのがますます重要になるなぁ。

  •  前の承認欲求もそうだったけど、こういう本を見るとつい手に取ってしまうのはいかんな。冷静に考えると内容は容易に想像がつき、読んでみると想像の通りの内容だったという、ほとんど時間の無駄という結果になるのがオチだ。そんなこと言われなくても、ということがずらずらと並べられている。達人でもなんでもない、普通でしょ。「ともだち100人できるかな」はぼくも嫌いだった。それともこれ読んで、え、そうなのか、と目からウロコが落ちる人が多いということなのだろうか。

  • 友だち幻想(https://booklog.jp/item/1/4480687807)、アドラー心理学に通じる。同調圧力に圧し殺されたり諦めたり流されたりするのではなく、「今ここ」「私」を見つめて行きなさいという内容。勇気づけられる。

  • 他人からの評価や承認欲求を求める人は成熟していない。まさに嫌われる勇気が求められる。成熟した大人になるためには自分は自分で良いと腹の底から思えるようになること。またただ一つのことに夢中になって取り組める生業があれば人生の九割は成功している。孤独ではなく自らひとりを選び取っている単独者として生きる。外側にばかり意識を向けず、どこまでも深く自己の内面と向き合うことがその人を大きく成長させる。
    知らずのうちに孤独に慣れてきた私にとって、ここに来て思わぬエールをもらえた著書でした。

  • タイトルから哲学関連の本かと思って読み始めたのですが、心理学の本でした。他社からの承認欲求に押しつぶされて自分を見失うのではなく、単独者として自由に生きること。一人になって自分の内面と繋がれると、実は多くの他人と繋がって生きていることにも気が付けること。
    定期的に自分の内面と対話する時間を持つことが大切なこと。それには、カウンセリングや心理学のセミナーが役にたつこと。そして、ニーチェ、キルケゴール、モンテーニュといった哲学者がどのように孤独と自分に向き合いながら生きたかが紹介されています。(やっぱり哲学の本でもあった)もう一人、天才ピアニスト グレングールドも哲学者と同じように生きたことも。
    他社承認欲求の強い人が、ますますSNSによって、他人の目線を気にしながら生きるようになっている現代。かなり重要なことが語られていると感じました。

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著者プロフィール

筑波大学人間学類卒業、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、助教授を経て、明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事。臨床心理士、上級教育カウンセラー、学会認定カウンセラーなどの資格を保有。テレビ、ラジオ出演多数。著書に『カール・ロジャーズ カウンセリングの原点』(角川選書)、『フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある』(角川ソフィア文庫)、『はじめてのカウンセリング入門 上 カウンセリングとは何か』『下 ほんものの傾聴を学ぶ』(ともに誠心書房)、『思春期のこの育て方』(WAVE出版)、『50代からは3年単位で生きなさい』(KAWADE夢新書)など多数。

「2022年 『プロカウンセラーが教える 1on1コミュニケーション入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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