なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569841700

作品紹介・あらすじ

1本25万円の生ハムセラーが順番待ちの理由は? 値上げから値下げまで「儲かる価格の仕組み」を日常的な例で面白く分かりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 具体的な事例を交えて、価格戦略について考察する1冊。安易な値段は自らの首を絞めるだけ、と改めて認識できた。

  • マーケティング知識を深めたくて、読んでみた。
    マーケティングに関して初心者だが、知っている企業や商品の実例を絡めて書いてあり分かりやすかった。

    行動経済学から見る値付け戦略についてということだが、値付けに絡めてブランディングなどマーケティング関連の話も含まれている。

    第2部の高くても売れる価格戦略が特におもしろかった。なかでもIBERICO-YAの生ハムセラーの話がすき。

    この著者の本は2冊目だが、どちらもわかりやすかったので他の本も読んでみたいと感じた。

  • 日常あまり教わることのない価格の決め方に関する一冊。行動経済学の理論の話や実例に基づく話があり、とても分かりやすく面白かったです。

    ---

    第1章 行動経済学と価格戦略
    東京の水道水は美味しいのにわざわざ1000倍の価格を払ってミネラルウォーターを飲むのは何故?
    →合理的ではない人間の行動を行動経済学が解く
    アンカリング効果
     人は最初に見た数字や情報に大きく影響される
    プロスペクト理論
     人は同じ金額でもお得感より損失感を強く思う
    日本の多くのビジネスパーソンは値引きの発想

    第2章 コストリーダーシップ戦略
    安売りで儲けるには徹底的にやらないことを決定
    規模の経済と経験曲線

    第3章 無料のビジネスモデル
    無料は出費の痛みを失くす効果
    無料ビジネスの4つのタイプ
    ①無料で広げ他の有料版で稼ぐ
    ②広告で稼ぐ
    ③フリーミアム(優良顧客で稼ぐ)
    ④社会貢献活動として行う

    第4章 サブスクモデルと現状維持バイアス
    サブスクで溜まっていくデータの活用
    変動費が小さいビジネスがサブスクに向く

    第5章 適応型プライシング、保有効果、クーポン
    上手に値引きする3つの条件
    ①最初に十分高くしておく
    ②値引き条件をオープンに
    ③商品自体の価格は下げず条件付きで値引き
    適応型プライシング お客様に応じた価格付け
    ダイナミックプライシング 条件による上げ下げ
    保有効果 人は所有してる物に高い価値を感じる
    値引きは最終手段

    第6章 フレーミング効果
    フレーミング効果
     同じものも見せ方を変えると人の選択が変わる
    極端の回避性
     選択肢が3つあると人は真ん中を選ぶ
    端数価格効果で割安感を演出
    バンドリング、アンバンドリング戦略

    第7章 バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
    商品を高く売るには、その商品を本当に必要とするお客様を見極めて、どうしても欲しいという希少価値を提供すること。
    バリュープロポジション
     お客様が必要として他社が出来ない自社の価値
    ブルーオーシャン戦略
    減らす・増やす、取り除く・創造する
    戦略キャンバス

    第8章 値ごろ感と価格設定方法
    価格には品質表示機能がある
    高い価格にすればヤバい客は消える
    値ごろ感の4段階
    ①安すぎて品質が不安だという価格
    ②安いけど品質に不安がない価格
    ③高いけど買う価値があると感じ始める価格
    ④品質が良くても高すぎて買えない価格
    価値基準型価格設定

    第9章 顧客ロイヤルティとブランド
    顧客ロイヤルティが高いお客様は価格で選ばない
    アサエルの購買行動類型

  • 行動経済学からの視点でマーケティングの分析をした一冊。

    実例が豊富でわかりやすかった。

  • 行動経済学って本当にすごい面白い研究だなあと改めて思った

    人間って理屈っぽくてちゃんと考えてるようにみえて、何となくで選びがち。
    それを言語化してわかりやすく説明してくれてるので、一見の価値有りです。

  • 令和4年のGWに部屋にある本を全て整理することにしました、この本は読みかけの本でした。読むことでためになるポイントはあるとは思いますが、部屋の整理を優先することにしました。いずれ読む時間が取れれば嬉しく思っています。

    評価は星一つとなっておりますが、内容に問題があるのではなく、時間が取れず読了できなかったためにこの評価になっています。

    2022年5月3日作成

  • 以前コンビニでバイトしてた頃、本部の担当者が陳列を少し変えただけで売れだして唖然としたことがあるけどこの本を読んでその理由と詳細がよく分かった。
    ものを売るには戦略が必要だし、一見戦略も何も無いような売れてるお店でも自ずと理にかなった方法で商売してることも分かった。
    自分は畑違いだけど、商売やマーケティングを志す人にとっては必読だと思う。

  • 色々勉強になりました。
    最も印象に残ったのが3点。
    一つ目、行動経済学の「プロスペクト理論」。
    当たり前の価格より100円安いとちょっと得したと感じる。しかし、当たり前の価格より100円高いと、すごく損をしたと感じる。そして、人は損失を回避しようと行動する。
    一時的な値引きは、売手が思っている以上に戻した後の損害が大きい。お客様が離れる要因になる事を知った。
    初めて聞いた事でした。
    ビジネスは、人の心理が大きく影響する事を理解し、それらをもっと勉強する必要があると感じました。
    二つ目、端数価格効果。
    婦人服の、34ドル、39ドル、44ドル、で売った時、39ドルが一番良く売れ、しかも他は20%も低かった。ギリギリまで安くした、というメッセージを与えるとの事。
    また、この端数価格効果は、プレミアム商品には逆効果で、安物イメージがついてしまう。
    三つ目、スミノフの話し。
    ライバル企業に同等品を1ドル安く出された。
    それにとった対応
    ・同等品のスミノフを1ドル値上げした。
    ・ライバル社の同等品の新商品を同じ価格で出した。
    ・さらに、ライバル社より1ドル安いポポフを出した。
    結果、スミノフはシェア1位、ポポフがシェア2位だったとの事。この裏には、色々なスキルと戦略があると感心しました。

    ほんと、色々勉強になりました。
    また、読み直ししたいと思います。
    是非、読んで見て下さい。

  • ◆全体の印象
    ものを売るためには、ただ商品を安くすることが売れる秘訣だと思っていた。

    ただ安くする以外にたくさんの売り方があり、どれも普段の生活の中で見るモデルでもあった。お店に言った時に、「これはどうしてこの価格で売っているんだろう?」と考える切っ掛けになりました。

    最近はサブスクリプションもSpotifyやKindleでお世話になっているので、それらのビジネスモデルも知ることができて面白かった。

    ◆理解を深める疑問
    Why:なぜ学んだのか?
    理由1:普段買ったり見る商品の値段はどのように決めているのか、気になった。
    理由2:値下げ以外の売り方を学びたかった。

  • 作者の個人的主観が多めでそこが気になってしまったけど、価格付けの基本がわかる本だった。
    ブランディングや一貫性の大切さを再確認できた。

    GODIVAやスミノフの事例も勉強になった。

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著者プロフィール

マーケティング戦略コンサルタント。慶應義塾大学工学部卒業。日本IBMに入社しマーケティングマネージャーや人材育成責任者を担当。2013年に日本IBMを退社しウォンツアンドバリュー株式会社を設立。執筆の傍ら、企業への戦略策定支援や「永井経営塾」を主宰。2002年多摩大学大学院MBA修了。主な著書に、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』のほかシリーズ60万部突破!『100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)など多数。

「2021年 『世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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