数学的思考トレーニング 問題解決力が飛躍的にアップする48問 (PHPビジネス新書)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569848358

作品紹介・あらすじ

楽しく問題を解いているうちに、自然と「数学的思考」が身についてしまう1冊。学生時代に数学が苦手だった文系ビジネスパーソン必読!

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    「数学的思考」に関する本。
    少し前に読了しました福田康隆氏「THE MODEL」に似たニュアンスだな~と、読んでいて感じました。
    この2冊に共通するのは、「思考を科学化する」という点です。

    世の中、感覚や直感・経験だけで、しっかりとした思考を経ずに漫然と実行されている方って結構多いのではないでしょうか?
    僕は、完全にそのうちの一人です。笑
    漫然と仕事や生活をする事、悪く言えば"機械化"してしまう事、それって楽ではあるのですが、「このままで良いのかな?」って時折不安に思ってしまう事もありますよね・・・
    この本は、そんな考え方の方々に対して、より深く、より正しく、より構造化された思考方法を提言する1冊でございます。

    タイトルの「数学的思考」の詳細について、手順は以下の通りになります。
    ・「問い」⇒「定義づけ」⇒「分析」⇒「体系化」
    まず、現在自分が直面している「問い」(「課題」とも言い換えれます)を設定します。
    次に、その「問い」を言語化できるレベルまで落とし込み、しっかりと「定義」づけます。
    そして、その「定義」がどのような性質を持つものなのか、比較したり分解したりなど、「分析」を行ないます。
    最後に、それらの分析の元、「問い」そのものを構造化・体系化し、「〇〇はこのような構造になっているものだ」と明確にするとのこと。

    短文で書くなら、「問い(=課題)を因数分解して、ロジックツリーのような状態にまで体系化する」と言ったところでしょうか。
    その点、先日読了した「具体⇔抽象トレーニング」(PHP研究所:細谷功 著)と似た内容だな~と読んでいて思いました。

    正直なところ、普段生活をする上で、思考やそれに伴う選択⇒実行なんて1日だけでも数えきれないほどあると思います。
    当たり前ですが、それら全てに本著の「数学的思考」などのフレームワークを当てはめるのは、ちょっぴり現実離れしていますよね(笑)まぁ不可能だと思います。
    ですので、たとえば腰を据えて取り掛かる必要のある仕事の案件であったり、日々行なっているけどももう少し時短・効率化したい業務(家事)、また仕事・プライベートにおけるちょっとした人間関係の改善などなど、テーマを絞ってこういった「数学的思考」を用いてじっくりと考えてみるのも面白いかもしれませんね♪

    物は試し、何かテーマを絞って因数分解していきたいと思います(*^^*)


    【内容まとめ】
    1.数学的思考とは何か?「問い→定義→分析→体系化」
    数学的思考=定義×分析×体系化
    定義:「Aとはこういうものである」と定める
    分析:Aがどんな性質を持つものかを把握する
    体系化:つまりAはこのような構造になっているものだと明確にする

    2.「正解探し」をやめませんか
    そもそも正解など存在しない。
    そうではなく、自ら深く、正しく、考える事で答えを出す事が必要な時代。
    答えは探すものではなく自ら作るもの。

    3.数学の最終目標は、説明できる状態にすること。
    体系化も同じく、「一体どうなっているのかわからないものをハッキリさせ、説明できる状態にする」ことを定義としている。
    簡単に言えば、「こうなってますよ」と言語化すること。



    【引用】
    数学的思考トレーニング


    ・「正解探し」をやめませんか
    受験、ビジネス、人生。これら全て、一年前の成功法則すら当てはまらないほど目まぐるしく動いている。

    そもそも正解など存在しない。
    そうではなく、自ら深く、正しく、考える事で答えを出す事が必要な時代。
    答えは探すものではなく自ら作るもの。


    p5
    数学的思考の5つの思考法
    定義、分解、比較、構造化、モデル化


    p37
    問い→定義→分析→体系化


    p44★★
    ・数学的思考とは何か?
    数学的思考=定義×分析×体系化
    定義:「Aとはこういうものである」と定める
    分析:Aがどんな性質を持つものかを把握する
    体系化:つまりAはこのような構造になっているものだと明確にする


    1.数学的思考とは「数学をするときに頭の中でする行為」である(定義)

    2.「数学をする」という行為を分析する
    →その行為は「定義」「分析」「体系化」という3つのプロセスがある(分解)
    →分析という行為は「分解」「比較」の2種類がある。
    →体系化という行為は「構造化」「モデル化」の2種類がある。

    3.どんなケースでも同じように説明できるよう数学的思考を体系化する
    →数学的思考とは「定義」「分析」「体系化」を組み合わせて行うものであり、これらは掛け算の構造である(構造化)
    →「分析」における「分解・比較」は足し算の構造、「体系化」における「構造化・モデル化」も足し算の構造である(構造化)


    p53
    ・定義が命である。
    人生を変えたければ、定義を変えなさい。
    定義とは、「そうであるものと、そうでないものを、はっきり分類するルールを明文化すること」。
    定義をしないと「共通認識の欠如」が起こり、それは人をしばしば不幸にします。


    p83
    ・細かく分解することで、わからなかったものが明らかになることがある
    あらゆるものを分解することで、問題点や改善点を見出す事ができる!


    p132
    ・データを読み解く際の2つの習慣
    →その比較が妥当かという疑問を持つ習慣
    →そのデータの定義を確認する習慣


    p162★
    ・「体系化」の定義について
    数学の最終目標は、説明できる状態にすること。
    体系化も同じく、「一体どうなっているのかわからないものをハッキリさせ、説明できる状態にする」ことを定義としている。
    簡単に言えば、「こうなってますよ」と言語化すること。


    構造化:「こういう構造になっている」
    モデル化:「こういう関係になっている」

  • こちらは別に数学の本ではなく
    「数学で使う思考法を使って自分の頭で考え、豊かな人生を送りましょうね」という本である
    で、こういったジャンルの本は読むだけだと、
    そうですね、はいはいわかります…で終わってしまう
    タイトルの通りこちらはトレーニングすることに意味があるのでレビューがてら軽くトレーニングすることに

    【5つの思考回路】
    ※まずは説明
    ※分かりやすくするため、以下の例題を使ってまとめてみる
     例)「アルバイトの時給」
    ※具体的な自習問題
    ※それによりどうなるか
    …という流れでいきます!

    ①定義
    「〇〇とは〜である」と言語化する行為
    例)「アルバイトの時給」とはアルバイトをすることで得られる報酬である
    ○「家事」とは何か定義してください
    →なぜあなたは家事をするのでしょう ドキッとしますね 当たり前にしていることを一度考え直してみるのも良い機会だ
    ○「あなたの仕事」は何か定義してください
    →職種や役職ではありませんよ
     試しに自分の仕事に関して定義してみようっと
    「私の仕事の定義」…関わり合う全ての人たちの考えを摺り合わせ、落とし所を見つけ、調整・交渉し、潤滑にビジネスを進めることだ
    おーかっこいいではないか
    ○「数学ができる人」とは何か定義してください
    →あなたの周りにいる数学ができる人ってどんな人?
    〜物事の本質が見えてきそうだ

    ②分解
    細かく分け物事の中身を把握する
    例)アルバイトの時給は「時給」と「勤務時間」の2つである
    ○カレーライスを分解する
    →美味しくするために何が必要か見えてくる
    ○あなたがよく行くコンビニエンスストア
     1日の売り上げを概算してみてください
    →売上=客単価✖️客数
     ここから想像してみよう
     ちなみにワタクシは客単価1000円✖️300人かなぁと想定 つまり30万とみた
    実際1店舗あたり平均日販は50〜70万とのこと
    気になったので深追いしてみると客単価はおおよそ700円弱くらいのようだ
    さらにセブンイレブンの1日1店舗あたりの来客数は約1000人とのこと
    つまりワタクシは来客数がかなり甘い認識(若しくは田舎に住んでいる)ということになる
    とこんな風に分析できる(面白い)
    ○あなたの好きな人を分解してください
    →そのまま伝えたら…相手はどれほど喜ぶことでしょう
     いや恋愛関係じゃなくても、どんな相手でも人間関係円滑にするためにとても良いことだ

    ③比較
    異なるものを比べる
    定量的な大小や定性的な相違を明らかにする
    例)アルバイトの時給…勤務時間が短いより長い方が金額が大きくなる
    ○某テレビ番組の総合視聴率が33.0%という数字をどう評価しますか
    →同じ枠の他の番組との比較、その年の平均視聴率の比較…など多角的な比較すると数字の意味が見えてくる
    ○あなたが学生時代にそこそこ優秀であったことをどうやって説明しますか
    →こういうのはわかりやすいが次は難しい
    ○その人があなたにとっていちばん優しい人であることをどうやって説明しますか
    →どんな比較をしたのかを言語化してみる
    いつも優しい人ではない  
    何をもっていちばんなのか?
    そう導き出した理由は?
    ○あの人は華がある 「華」とは何か
    →早速トレーニング
     ただ容姿だけじゃないことが見えてきますね
    著者と丸被りだが、やはり「華」=「自信」や、「華」=「その人の生き様」かなぁ
    それにはそれ相応の努力や姿勢が底力となるのだろう
    〜また昨今のコロナ報道もこういった比較から、妥当な比較なのか、報道を煽るためのものなのか…自分自身で判断できるようになる

    ④構造化
    物事を構造で説明する
    具体的なものを抽象化する行為
    例)アルバイトの時給…「時給」✖️「勤務時間」という構造
    ○あなたの人間関係を構造化してください
     そしてあなたの対人関係ストレスの正体を明らかにしてください
    →これは重要性や人生の優先順位を考える上で必要 
    ○コロナ禍の政治政策を別のものに例えてください
    →アクセルとブレーキを一緒に踏んでいるようなもの(うまいこと言う人がいましたね)
    ○やる気を別のものに例えてください
    →よし、これをトレーニングしてみる!
    調子の良い時は、ガスコンロで沸かすお湯
    悪い時は、蒸気機関車
    どっちも熱源となるエネルギーが必要だが、調査によりエンジンのかかるスピードがぜんぜん違う
    こんな感じ?

    ⑤モデル化
    異なるものを関連づける
    そこから性質を導き一般的なモデルにする行為
    例)どんなアルバイトでも同じように説明できるように体系化すると…
    「時給」✖️「勤務時間」=給料
    ○課題へのモチベーションはどんな式で表現できるでしょうか
    →得意度+緊急度+メリット度
    わかりやすい
    得意なものは頑張れる
    緊急性の高いものから手をつける
    メリットがあれば心が動く
    これに個人的色を付けるとすると…
    得意度+緊急度+メリット度+悔しさ度
    かなぁ ちょっと負けず嫌いなので(笑)

    以上がトレーニングの内容だ

    とまぁ例が簡単だと当たり前の話になるのだが、これがビジネスや時間管理、人生設計になるとここまで分析するのは難しい
    また何となく漠然とこうしたい、ああしたい
    と考えるが具体的に思考回路を言語化して実行しているだろうか…(してない)

    本書を読むタイミングが良くなくて(ただ今人生の休息期間のため)残念ながら入り込んで読めなかったがまぁそれはこちらの問題として…
    とにかく自分の頭で物事を分析、さらには多角的な比較しながら考えることはこの情報社会の世の中では不可欠である
    簡単に情報操作されてしまわないために、マスコミに踊らされないために…
    と改めて実感

  • 面白かったが、参考にできるようで生かすことが難しい本だと感じた。
    コンサルタントの人におすすめしたいが、エンジニアならばアクションプランとKPIを其々セットでプランニングする必要があり、それで初めて「数学的」思考が出来ているのではないだろうか?
    読むだけで満足してはいけない

  • 数学的思考=定義×(分解+比較)×(構造化+モデル化)

    それは何なのか(定義)
    何からできているのか(分解)
    それの立ち位置は(比較)
    似ているものは何か(構造化)
    どんな性質があるか(モデル化)

    みたいな感じかなぁと思った。

    上の式を見てるとやっぱ定義(目的)が定まってないと数学的に物事を捉えられないみたい。
    ここだけは0にならないようにしていこう!

  • 下記の2冊に似た感じらしい。まぁそうだろうな。

    福田康隆氏の「THE MODEL」
    細谷功氏の「具体⇔抽象トレーニング」


  • 【読み始めた目的】
    コンサルタント適正は文系・理系による違いがあるのか、理系的な発想を活かせるとしたらどのような点かを考えるきっかけとしたくて読み始めた。コンサルタントに求められるスキルの1つが論理的思考力であるが、論理的思考力と数学的思考力に関連性があるのではという仮説検証。

    【要旨】
    数学的思考とは、「数学をするときに頭の中でする行為」である。 数学的思考を用いることで、自分の納得いく結論を作れ、その結果、行動でき、豊かな生 活をつかむことができる。 数学的思考は「定義」「分析」「体系化」の相乗効果によって構成され、「分析」は「分解」と「比較」で、「体系化」は「構造化」と「モデル化」で構成される。 数学的思考=定義×分析×体系化
    =定義×(分解+比較)× 構造化+モデル化 「定義」とは「そうであるもの」と「そうでないもの」を区別するルールを作ること。( ないと共通認識が持てない 「分析」とは問題解決を目的とし、考える対象をはっきりさせること 「分解」とは構成要素をもれなくダブりなく示すこと 「比較」は差をはっきりさせるもの。「比較」を繰り返すことで物事の姿をはっきりさせる
    「体系化」とは「こうなっていますよ」と言語化すること 「構造化」とは「こういう構造になっていますよ」と示すこと(アナロジー) 「モデル化」とは「こういう関係性になっていますよ」と示すこと(関数化)

    【読了後の考え】
    数学的思考が強い人材がコンサル業務において強みを発揮できるときは下記のような場面
    と感じた。(全員が全員発揮できているわけではない)
    ・「分解」により構成要素をもれなくダブりなく示すこと、これは、MECEを作らなくてはならない場面で生かされる。一方で、仮説を立てて、ある程度決め打ちが必要な場面( 網羅的に検討することに時間的負荷がかかると考えられる場面)では、網羅性の欠如から 不安に駆られるのではと思った。
    ・「体系化」これはコンサル業務においては過去の事例や他業種の動向から規則性を見出 す場面が必要となる時に役立つ。「体系化」を活用できる人材は学生時代の数学の勉学に おいて、数学の本質を理解できている人間と考える。すなわち、ドリル型の勉強法で解法 を無理矢理頭に入れた人には、ただ、暗記、計算を行う解き方となっているため、「体系 化」の思考は欠如している。一方で、特定の公式等を覚え、本質的な式のみからいろんな 問いに当てはめるという解法をしていた人からすると「体系化」の思考は癖づけられてい るのではと感じた。
    ・「構造化」は因果関係の推測に役立つ。検討した構成要素(媒介変数)が結果指標にど のように影響するかを検討することに役立つ。 上記のことから、数学的思考が発達した人材は、1「体系化」により、既存の知識を他に 当てはめる場面、2「分解」により構成要素をあぶりだし、それらの関連性を見出す時に 役立つと感じた。特に2の話はロジカルシンキングにおいて基礎になる話だと思う。 ただし、これらの点は、コンサル業務における目的達成の一手段であり、これらができて いるからといってコンサルスキルにおけるすべてを網羅できているわけでは到底ない。あくまで、理系的な発想が強い人材の思考特性としてこのような点があると感じたにとどめ
    ておく

  • 著者はサラリーマンを経て教育者になった経歴であり、数学的思考を分かりやすく実務へ昇華されている。ビジネスパーソンに役立つ一冊。

  • 課題や問題について、まずは定義する事から始め、
    そして分析、体系化する事で答えを導き出す。答えは、探すのではなく自ら作り出すもの。そんな考え方が、数学的な思考方法をもとに解説されており、その説得力にはとても納得感があった。
    とくに、分析は分解と比較からなる、という解説で、分解する事の重要性を今の自分の仕事での課題解決と重なり、参考になった。
    読むだけではなかなか実践できないが、まずはその思考方法を理解し、仕事での実際の業務に取り入れてみようと思った。
    身に付けば、課題解決の近道かつ的確な答え出す力になると感じた。

  • ビジネスのみならず、人生においても重要な考え方を学んだ。
    実践と再読を何回か繰り返したい。

  • 計算とかクイズの類の本かな、と思ってたら全然違った。答えのない問題を解決するための思考法に関する本だった。MECEに分解、構造化、等、たまたま最近習ったことが書かれていた。モデル化というのはあまり馴染みがなかった。しかし事象を関数のように表すのは一番数学的だと感じた。
    実務で問題解決をするときに、まずはどんどん使ってみるしかない。

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著者プロフィール

ビジネス数学教育家。
数学的なビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、延べ1万人以上を指導してきた社会人教育の専門家。
日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。
予備校講師から外資系企業の管理職などを経て研修講師として独立し、コンサルティングファームや教育機関に講座を提供。大手企業・プロ野球球団・トップアスリートなどの教育研修を手がけ、一部企業とはアドバイザリー契約を締結し人材開発のサポートを行っている。2018年には国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター(公益財団法人日本数学検定協会認定)に就任。「ビジネス数学インストラクター制度」や「ビジネス教育大学」を設立し指導者育成に従事している。テレビ番組の監修やラジオ番組のニュースコメンテーターなどメディア出演も多数。
著作は国内累計25万部超。実用書のほか作家として小説も発表しており、多くのビジネスパーソンに読まれている。
BMコンサルティング株式会社 代表取締役

一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事
ビジネス教育大学教授

「2022年 『説明がうまい人はやっている 「数学的」話し方トレーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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