- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569900797
作品紹介・あらすじ
伝説の盗賊一味が現れた。画描きの拾楽が危ない! にもかかわらず、サバの大将は動かない? 江戸が舞台の謎解き人情ばなし第九弾。
感想・レビュー・書評
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シリーズ第九弾。
成田屋の旦那から、同輩同心の息子で実家を飛び出した、“役者志望”の亀次を「鯖猫長屋」で面倒を見てほしいと頼まれた拾楽。
元役者の涼太の部屋に居候することになった、亀次with座敷童ですが、彼が実家を出た背景が別にありそうで・・・。
亀次の実家・堺家を引っ掻き回した、エゴモンスター・瀬津ですが、罪の意識が全くなくて、ある意味サイコで怖かったです。
終盤で“鯰の甚右衛門”に脅されていましたが、恐怖はしても反省はしていないでしょうね・・。
で、今チラっと書いた“鯰の甚右衛門”ですが、拾楽を闇の道に引きずりこもうと、虎視眈々と狙う様子が不気味です。彼の今後の動向が気になりますが、きっと、サバが助けてくれるはず。と思いたいところです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第九弾。
蘭方医の正体は盗賊・鯰の甚右衛門。狙いは黒ひょっとこ!?
其の一 太市の傷・・・掛井の頼みで、元役者を鯖猫長屋に。
太市の心の傷を癒すため、サバたちを連れ出した拾楽は、
ニキのご隠居の庵で蘭方医の出会う。その驚愕の正体!
其の二 貫八の病・・・涼太の部屋には亀次と、座敷童?
元役者・亀次と武家の弟・佑馬の対面。そして突如病に
倒れた貫八を治療する蘭方医。しかし、それは計略で・・・。
其の三 役者の妹・・・亀次の元に三匹の子犬を連れた妹・文香が
訪ねてくる。亀次=定之進が家を出た理由は?座敷童は。
武家の跡継ぎ・・・明らかになる女の執念の怖さと哀れさよ。
其の四 座敷童の怒り・・・長屋で振舞われた酒に毒が!だが疑いの
掛かった蘭方医は丁寧に治療を施す。犯人は定之進?
違う!座敷童は怒り、蘭方医=鯰が動く。サバも活躍♪
冒頭に、根津・上野・池之端と下谷・上野の絵図、
鯖猫長屋をめぐる猫と人々、鯖猫長屋<見取図>有り。
各話の冒頭は鯰の甚右衛門のつぶやき。其の三は恒例の犬登場。
画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の9冊目。
連作短編ですが、次巻に続く内容です。
出牢した大盗賊・鯰の甚右衛門が、拾楽に狙いを定めた事から
始まる事件の数々。長屋に転がり込んだ元・役者も訳あり。
更に座敷童まで登場の、お江戸エンターテインメント。
うわぁ、人を引きつける力に満ちた、眼帯の渋おじ登場!
医者としての矜持もあるが、ゾっとさせる怖さも秘めてます。
しかしまだ、序の口。彼の過去も“志”も不明です。
次巻でどう、拾楽に絡んでくるかが楽しみでもあり、心配。
9巻まで続いて、更に面白くなってくるのも、嬉しい。 -
猫の先生を見ていると、守るものがあると人は弱くなるものだなあと思う。人としてはサバがいてくれることを嬉しく思ってしまう。
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おおっ、面白くなってきた!
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サバがますます普通の猫離れしてます。
太市が元気をなくしているのが心配です。
それは怪しい人を見張るためで、とかだったら安心なのですが。 -
内容(「BOOK」データベースより)
根津権現にほど近い「鯖猫長屋」に、盗賊「鯰の甚右衛門」が蘭方医になりすまし、姿を現す。相棒を探しているらしいが、狙いは元盗人で、長屋を“仕切る”猫サバの飼い主である画描きの拾楽―。主の危機にもかかわらず、サバはなぜか動かない。そんな折、歌舞伎役者の卵が長屋に転がり込み、涼太の部屋には座敷童まで現れて…。猫好きにはたまらない、謎解き&人情ばなし第九弾。文庫書き下ろし。
令和5年5月18日~21日 -
まだまだ続いていきそうなことが
兎も角嬉しかった
あの長屋の傍らに、自分が存在している気分のまま読み進めたシリーズ。
気にしたり怒ったりビビったり頑張ったり
これからも長屋の端っこか屋根上で見届けたいですね -
盗賊「鯰の甚右衛門」が小伝馬町牢屋敷から出た。
そして甚右衛門には明らかな目的があった。
信頼できる、信頼に足りる腕利きの相棒をつくること。
なんでもいうことを聞く手下ではなく、互いが信じられ命を預けられる相棒を。
そして甚右衛門には第一候補があった。
拾楽だ。
黒ひょっとこの拾楽は今では猫の絵師として、盗人家業から足を洗い、信頼できる長屋の友達や、あろうことか同心からも信頼されている。
誰にも頼らず、弱いものには迷惑をかけずという信念も自分と同様だと。
少しづつ近づいてくる甚右衛門。
甚右衛門が仕掛けた罠も、そうでない罠も降りかかる長屋。
どうなってゆくのか?