- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569901930
作品紹介・あらすじ
新宿署で煙たがられる鮫島。のちに彼の理解者となる上司・桃井との出会いを描く「区立花園公園」(大沢在昌)、銘酒を守るため、完全犯罪を企図した男の小さなミスを福家警部補が突く倒叙ミステリ「月の雫」(大倉崇裕)、他班の同じ刑事・安積に敵愾心を燃やす相楽。二人が抱えるそれぞれの事件が交錯し……「オブリガート」(今野敏)など、組織を率いる上司と現場の捜査官、ライバルの刑事同士など、各々の矜持が衝突する警察小説の秀作五篇を収録。
文庫オリジナル。
感想・レビュー・書評
-
現場の刑事と上司、ライバル同士など、各々の矜持が衝突する警察ミステリー、5篇。
・区立花園公園
・新宿心中
・日曜日の釣りは身元不明
・月の雫
・オブリガート
特に、大倉さんの倒叙ミステリー『月の雫』は面白いですね。
銘酒を守るため、完全犯罪を企てた男の小さなミスを、福家警部補が追い詰めるドラマは、ドキドキしますね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
西上心太編アンソロジー。
新宿鮫、福家警部補、安積班。
どれもシリーズもので、安定のおもしろさ。
「日曜日の釣りは、身元不明」も、駐在日記シリーズのよう。
「区立花園公園」「月の雫」は既読だったので、新しい出会いという意味では、残念。 -
2022年1月PHP文芸文庫刊。小説現代2011年12月号区立花園公園:大沢在昌、小説club1969年5月号新宿心中:藤原審爾、2017年11月中央公論新社刊駐在日記から日曜日の釣りは,身元不明: 小路幸也、ミステリーズ!vol.15(2006年2月)月の雫:大倉崇裕、2014年7月角川春樹事務所刊捜査組曲東京湾臨海署安積班からオブリガート:今野敏、解説:西上心太、の6つの警察小説と解説。シリーズ2作目。いずれも面白い話。大沢さんの新宿鮫シリーズはアンソロジーで読むだけだが、西上さんの解説がお上手で、わかったような気になってしまいます。
-
大沢在昌、藤原審爾、小路幸也、大倉崇裕 今野敏『相剋 警察小説傑作選』PHP文芸文庫。
『矜持』に続く警察小説傑作アンソロジーの第2弾。選者は第1弾と同じ西上心太。収録作を見ると第1弾と余り変わり映えしないし、イマイチ作が多いように思う。新宿鮫シリーズ、東京湾臨海署安積班シリーズからのセレクトは第1弾と同じで、安定の面白さなのだが……
大沢在昌『区立花園公園』。新宿鮫シリーズの短編集『鮫島の貌』に収録された1作。短編ながら見事にハードボイルドしている。公安の外事二課から新宿署に異動し、誰にも忖度することなく犯罪者を次々と検挙する鮫島。後に彼の唯一の理解者となる上司の桃井との出会いを描く。★★★★★
藤原審爾『新宿心中』。国際人身売買事件を描いた短編だが、主人公の山辺刑事が抱えている家庭問題とのギャップが今一つしっくり来ない。★★★
小路幸也『日曜日の釣りは、身元不明』。駐在日記シリーズの1作らしい。主人公の警官が事件をうやむやにしてしまうのだから、酷い掟破りの警察小説だ。これをほのぼのする警察小説と評する選者の西上心太は如何なものか。主人公の警官が勤務する駐在所のある神奈川県の山岳地帯の河原で身元不明の中年男性の遺体が発見される。★★
大倉崇裕『月の雫』。福家警部補シリーズの1作。犯人のトリックを警察が見破るというミステリー小説の王道を行くような作品。地酒を造る会社が大手酒造会社に吸収合併の危機に陥り、地酒会社の社長が自ら手掛けた銘酒『月の雫』を守るために大手酒造会社の社長を殺害する。完全犯罪の目論みは福家警部補によって見破られる。★★★★
今野敏『オブリガード』。東京湾臨海署安積班シリーズの1作。切磋琢磨する二人の刑事。しかし、安積刑事の方が何枚も上手だ。安積刑事にライバル心を燃やす元捜査一課の相楽刑事。お台場で起きた男性襲撃事件。被害男性はある事件の容疑者だった。★★★★★
本体価格720円
★★★★ -
文芸評論家の西上心太による警察小説アンソロジーのPHP文庫オリジナル第二弾。
今となってはまず本屋では見かけることのない藤原審爾の代表作、新宿警察シリーズが掲載されている。昭和の味わいを感じるナイスな作品。
他の作品も人気シリーズから選ばれたものが揃っている。選者の解説には、アンソロジーは横糸、気に入った作家の作品を縦糸にして読書の織物を広げてほしいと。
確かにシリーズモノを読みたくさせるものが揃っている。 -
収録5編中4編が既読だったけど、ほぼ忘れてたー。
特に鮫島は懐かしくて懐かしくて。もう、この2人の会話は見られないんだな、と思うと。
福家警部補もね、早く新作が読みたいわー。
犯人の気持ち、切ないというか、やりきれない。酒造りをあんなに大事に思っているのにね。
しかし福家さん、お酒にもあんなに強いとはw
班長は、つい蔵之介さんで読んでしまう。あの、ドラマのイメージ強すぎー。 -
西上心太編 警察小説アンソロジー第二弾。
相克=対立するものが互いに相手に勝とうと争うこと。
どれも良かったがほぼ未読作品で、シリーズ全部読みたくなってしまった。特に大倉崇裕さんは落語や動物が絡んだ作品があるらしいので是非読んでみたい。 -
警察小説のアンソロジー。
事件というよりも警察官自身の人間性に趣をおいた数編。
それぞれの作家さんがどう警察官を動かすかが面白い。
新宿鮫の鮫島が上司桃井と出会った話などは懐かしい。