鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569902326

作品紹介・あらすじ

長屋に元拝み屋の男がやって来た。何を企んでいるのか。黙って値踏みする猫サバに対し、男は。謎解き&人情で人気のシリーズ第十弾!

感想・レビュー・書評

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  • 【収録作品】店子志願/色恋始末/憑物落とし/大手柄

    元拝み屋で今は呪い札書きの男・佑斎の登場。甚右衛門のような剣呑な相手かと思いきや、まともな人間で、力は本物。また面白いレギュラーが増えて読み応えがある。
    甚右衛門もうまく牙を隠してやけに協力的。一人気を揉む拾楽が気の毒になってくる。

  • 鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
    人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第十弾。
    元・拝み屋の札書き屋は、謎と危うさを抱える人物。
    火付けと殺人で暗躍する盗賊たちの動向と共に、
    元・盗賊の蘭方医の動きも気になる、拾楽。
    其の一 店子志願・・・店子になりたいという犬を連れた男は、
     元・拝み屋の札書き屋。彼が長屋から連れ去ったのは・・・。  
    其の二 色恋始末・・・おはまから頼まれた「観音様の御札」は、
     大貫屋の娘の許婚の死と火事に、居合わせた立川屋の娘に
     関係することに。反目しあう店同士の、娘たちの友情。
    其の三 憑物落とし・・・永徳、掛井が動く中、拾楽は佑斎に憑いた
     貞二郎と対峙する。成仏に力を発揮したのは山吹と、さくら!
     拾楽が知るのは佑斎と天の主の悲劇。佑斎も天の想いを知る。
    其の四 大手柄・・・佑斎に憑いた又三と永徳の対峙で始まり、
     永徳の行動から盗賊一味の事件は、あっさりと終結する。
     そして、拾楽に語る「鯰」の過去と「永徳」の現在とは。
    冒頭に、根津・上野・池之端と下谷・上野の絵図、
    鯖猫長屋をめぐる猫と人々、鯖猫長屋<見取図>有り。
    各話の冒頭はサバ、鯰の亡き手下、犬の天のつぶやき。
    そして其の四は永徳と佑斎に憑いた鯰の亡き手下での導入。

    画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の10冊目。
    今回の連作短編の核は、元・拝み屋の札書き屋、佑斎。
    しかもこの世に未練を持つ霊も複数登場する、連作短編集。
    生きる者でも死せる者でも、引き摺る未練は憂いを招く。
    一途は執着となり、恨みにさえも成り得る。
    亡き又三との再会と、二キの隠居、掛井の旦那との会話から、
    盗賊としての「鯰の甚右衛門」は眠りに入り、未練を絶つ。
    「杉野永徳」先生は今後も登場するのね。札書き屋、佑斎も。
    まだ成仏してない者もいるからね。
    さくらの驚きの成長にもあったし、サバもいるしで、
    拾楽自体の振り子の戻りは無さそう・・・と思う。
    けど、おはまちゃんとの関係は進展して欲しいなぁ。

  • シリーズ第十弾。

    〈鯖猫長屋〉への入居を希望して、差配の磯兵衛のところにやってきた、元拝み屋で今は“呪い札”を売っている佑斎。彼が〈鯖猫長屋〉にこだわる訳とは・・。

    札書きの佑斎は、登場当初は怪しさ満点で拾楽も警戒モードでしたが、彼が涼太も認めるほどの霊媒能力を持ち、その能力によって心に傷を抱えている事がわかってきます。
    佑斎と共に暮らす犬の“天”が、これまた賢くて健気なんですよね~・・。このシリーズに登場する“ゲスト犬”は本当、いい子ばかりで癒されます。
    そして、表向きは腕の良い医者・杉野永徳で、実は大盗賊の頭・“鯰の甚右衛門”も、前巻で登場した時は不気味な印象でしたが、今回は拾楽や成田屋の旦那に協力的な感じで三人のやり取りは何だか楽しそうですらありました。
    とりあえず“鯰”は休業するとのことでしたが、実のところどうなのでしょうね。まだまだ腹の底が読めないお人ではありますが、味方であれば心強いことは確かです。
    毎度のように大忙しの拾楽とサバ、そして何気に成長しているさくらでしたが、〈鯖猫長屋〉の面々が仲良く平和でいる為、今後も彼らの活躍を期待したいです。

  • 新キャラ登場。元口寄せ屋と大盗賊の頭「鯰の諶右衛門」。諶右衛門は蘭方医・杉野永徳を名乗り鯖猫長屋に近付く。この先どう転ぶか楽しみである。

  • シリーズ10作目。

    「鯖猫長屋」に入居希望してきた佑斎、医者の永徳。
    またしても何かが起こりそうな展開だが、今回は中途半端なままで終わってしまった感があり、ちょっと消化不良な感じ。
    佑斎の話にページを取りすぎてて、長屋の人々の登場場面が少なくて残念。

  • まさかこれで完結?なんてことないですよねぇ〜〜。

    鯖猫長屋の気のいい連中の仲間入りがしたいのか?
    単に妖に遭遇したいのか?
    引も切らせず入居希望者が多いが。

    差配の礒兵衞。危険が近づかないように次々断る。
    今回の入居希望者は、最近霊験あらたかと評判の「札書や」佑斎という。

    遊女の霊、山吹を体の中に受け入れ、力が戻るように手を貸すらしい。
    またしてもサバとさくらのしもべの拾楽。
    いいように使われることに。
    そこに女中働きで引き手あまたのおまさからの頼みでその入手困難なお札を手に入れることに。

    それで終わることなくまたしても、のんびりしたい拾楽の気持ちをよそに、事件解決のために方雨そうするのだった。

    嫌な気分にならないこのシリーズ。
    どんな人間よりも頼りになるサバ!
    尊顔を会見したいものだ。

  • 前回に続き英徳が絡みます。狐と狸の化かし合い。最後の英徳と拾楽の会話は読んでるこちらま拾楽のゲンナリが伝わってきました。頑張れ拾楽
    今までで一番中身が濃い読後感

  • さくらちゃんは普通猫で良かった気もするけど
    開眼してるのも期待どおりだしなぁ(^◇^;)

    猫先生のビクビクもわかるし
    鯰先生の諸事情ワクワクキャラも余裕で楽しい

    あぁ
    これからもエンドレスに饅頭屋さんあたりで働きながら眺めていたい

    図書館に早く返しに行かないと待ってる人居るのわかってても、もう一晩だけもう一回読み直して満喫します

    続編まで命あることを

  • 登場人物も増え
    これからが楽しみです。

  • あら、意外とあっさりと鯰の。。。続きが気になる。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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